「ロスト・ハイウェイ」のストーリー

夜のハイウェイ……「ディック・ロラントは死んだ」……早朝。サックス奏者のフレッド(ビル・プルマン)は玄関のインターフォンでその声を聞く。翌朝。妻のレネエ(パトリシア・アークェット)が玄関にあった封筒を彼に渡す。中には1本のビデオが。中身は夫妻の家の玄関前だった。次の日の朝もビデオが。今度は夫妻の寝室と、眠る二人の姿が映っていた。警察を呼んだが、打つ手は別にない。その夜、レネエの友人アンディのパーティにて。白塗りのミステリー・マン(ロバート・ブレイク)がフレッドの前に。「私はあなたの家にいる……」フレッドが彼の言うまま、自宅に電話してみると、目の前の男の声が自宅から響く。アンディに聞くと、彼はディック・ロラントの友人という。混乱したまま帰宅したフレッドに、またあのビデオが出現。映っていたのは何とレネエのバラバラ死体……意識が寸断したまま、フレッドはいつしか警察にいた。妻殺しの容疑で彼は死刑を宣告される。ところが。独房にいたはずのフレッドは、いつしか別人の修理工の青年ピート(バルサザール・ゲティ)に変わっていた。ある晩、ピートの自宅の前で何かが起こったのだというが、両親も誰も何も話してくれない。釈放されたピートは職場に戻るが、そこに現れたのが知り合いで町の顔役ミスター・エディ(ロバート・ロッジア)。ある日。エディはアリス(パトリシア・アークェット=二役)という愛人の美女を連れて現れた。見つめあうピートとアリス。二人はやがて深い仲になって密会を続ける。アリスはピートに、エディにはポルノ映画の女優として買われたと打ち明け、大金を知人の家から盗む算段をつけるから、一緒に逃げようと誘う。計画実行の晩。ピートはアリスの知人のアンディの邸宅へ。手筈どおりピートはアンディを殴り倒すが、息を吹き返した彼はテーブルの角に額をめり込ませて惨死。二人は逃げるが、アリスの様子が怪しい。砂漠にぽつんと建つ小屋。砂の上でからみあう二人。やがてアリスは裸のまま立ち去った。残されたピートは立ち上がったが、何と彼はフレッドの姿に変わっている。小屋の中にはミステリー・マンが。「アリスなんて女はいない。彼女はレネエだ」フレッドは密会に使っていたモーテルに戻る。ベッドでもつれあうエディとレネエ。フレッドはエディをトランクにたたきこんで砂漠に拉致した。トランクを開けた途端、エディはフレッドに飛びかかるが、フレッドはミステリー・マンが渡したナイフでエディの喉を切り裂く。とどめを刺したのはミステリー・マンだった。早朝。自宅に戻ったフレッドはインターフォンにささやく。「ディック・ロラントは死んだ」……そこへパトカーが追撃してきた。ハイウェイを車で逃走するフレッド。いつしか夜に。錯乱するフレッドは運転席でわめき、顔をふり乱す。闇の中、白いセンターラインがヘッドライトに照らしだされては消えていく……。

今日は映画何の日?

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