「コンクリート」のストーリー

空き地の停まる1台のワゴン。テープランプの赤色に、3人の少年の姿が照らし出される。3人は、大きな旅行バックをドラム缶に入れ、コンクリートを流し込む。翌朝未明。朝霧が漂う埋立地に、そのドラム缶は哀しく横たわっていた…。高校を中退した少年、大杉辰夫。彼はタイル張りの職に就き、恋人・佳代子と同棲を始める。結婚を約束した2人だったが、辰夫は粗暴な振る舞いで鑑別所送りになるなど不安定な生活が続く。やがて、辰夫は仕事を辞め、ヤクザの下請けとして働くようになり、尾崎弘明、池田智巳らとともに少年たちを束ね、ヤクザの下部組織“龍神会”を結成する。しかし、自分たちが組に利用されているだけと知った辰夫たちは、その苛立ちと、シンナー中毒による感覚の麻痺によって次第に行動をエスカレートさせていく。ある日、辰夫は帰宅途中の女子高生・美咲に目を付けるとホテルに連れ込みレイプするのだった。事件の発覚を恐れた彼らは、美咲を池田の自宅に監禁する。美咲に対する虐待はエスカレートし続け、出口を見失った少年達の暴走は、やがて残酷な結末に向かってゆく……。