「エミリー・ローズ」のストーリー
凄惨な死を遂げた大学生エミリー・ローズ(ジェニファー・カーペンター)。彼女を死に至らしめたというムーア神父(トム・ウィルキンソン)が、過失致死罪に問われていた……。大学に入学した頃から、エミリーは原因不明の激しい発作と幻覚に襲われるようになった。様々な医学療法も効き目がない。エミリーは悪魔に取り憑かれたことを自覚した。そしてエミリーを救うために悪魔祓いを行ったムーア神父は、一切の科学的治療をやめさせる。結果的にそれが死に結びついたというのだ。神父の弁護に抜擢されたのは有能な女性弁護士エリン・ブルナー(ローラ・リニー)だった。裁判が始まると、証人の医師たちは、エミリーが薬を止めなければ助かっただろうと証言した。状況はエリンたちにとって不利だった。しかし、ムーア神父の真摯な想いに触れたエリンは、法廷で悪魔の存在を証明することに力を注いだ。悪魔憑きを科学的に研究している大学博士に証言してもらうエリン。そして悪魔祓いの現場に立ち会った医師のカートライトがムーアのために証言するという。カートライトから渡されたカセットテープには恐るべき悪魔祓いの様子までが記録されている。光明が見えてきた。だが、カートライトの事故死によってたちまち希望は打ち砕かれる。失意の中、エリンが最後の物証として提出したのはエミリーがムーア神父に託した手紙だった。その手紙にはエミリーが聖母マリアから受けた啓示のことが語られていた。それによってエミリーは、悪魔と共に滅びる運命を受け入れたというのだ。自らが犠牲になることで人々に霊界の存在を知らしめるために……。ムーア神父の行動がエミリーを救いたいという強い愛に裏付けられたものであったことをエリンは最後に強調した。結局陪審員が出した判決は有罪。但し、今この時点で刑期を満了したことにしてはどうか……?その陪審員の提案に判事も納得し、ムーア神父は自由の身になれたのだった。