「君のためなら千回でも」のストーリー
1970年代のアフガニスタン。裕福な家庭に育ったアミール(ゼキリア・エブラヒミ)と、召使の子供ハッサン(アフマド・ハーン・マフムードザダ)は、仲良しだった。彼らは幼い頃から一緒に育ち、いつも一緒に行動した。二人で映画を観たり、字の読めないハッサンに物語を読んでやったり、誕生日にはプレゼントをあげたり。二人は主従関係を超えた兄弟のような間柄であった。この絆と信頼は一生続くかと思われた。冬休み最大のイベントである凧揚げ合戦の日。アミールとハッサンは人生で最大の栄誉を得ることになる。しかし、思いがけない出来事が二人の関係を冷酷に断ち切ってしまう。彼らの生涯を決定付けた裏切りが生まれたのだった。その後、彼らの心は決して交わることなく、アミールはソ連によるアフガニスタン侵攻の際に、アメリカへと亡命する。一生抜くことが出来ないであろう棘を胸に刺したまま…。時は流れ2000年。アミール(ハリド・アブダラ)は、アメリカで念願の小説を出版することに成功していた。そんな彼の元に一本の電話がかかってくる。それはアフガニスタンにいる恩人、ラヒム・ハーンからだった。死期を悟った彼は重大な真実を告げるため、アミールに故郷へ帰るように促した。その言葉に従うアミール。そして、故郷で久々の再会を果たしたラヒム・ハーンの口から衝撃的な事実が告げられた。ハッサンがタリバンに殺されたというのだ。ハッサンが残したアミールへの手紙を手渡すラヒム・ハーン。そこには、時がいくら流れても変わらない、アミールへの信頼の想いが綴られていたのだった……。