「世界のはしっこ、ちいさな教室」のストーリー

世界最低ランクの識字率を向上させるため、ブルキナファソ政府は近年、教育に力を注いでいる。首都ワガドゥグで夫とともに2人の娘を育てる新人教師サンドリーヌ。彼女の初任地はまともなインフラのないティオガガラ村。50人強の児童は公用語のフランス語をほとんど理解できず、教室では5つの言語が飛び交っている……。バングラデシュ北部のボートスクールに派遣されて教師になったタスリマ。女性も男性と同じ権利を持つべきとの理念から、家庭では弟や妹、甥や姪の勉強をサポート、学校では後輩たちが児童婚の犠牲にならないよう啓発している……。シベリア。教材や机などを乗せたトナカイのソリで、遊牧生活を送るエヴェンキ族が暮らすキャンプ地を走り回るスヴェトラーナ。移動式の遊牧民学校は、1ヶ所につき約10日間の授業を行う。ロシア連邦の義務教育に加え、エヴェンキ族の伝統や言語、アイデンティティを伝え、魚釣りやトナカイの捕まえ方も教えている……。そんな彼女たちが直面する困難も個性も三者三様。子どもたちに広い世界を知ってほしいという情熱だけを胸に、家族と離ればなれになっても、両親から反対されても“子どもたちには明るい未来がある”と信じる道を進み続けるのだった……。