解説
デイ・キーンの小説『喜びの家』をルネ・クレマンが「バナナの皮」の原作者チャールズ・ウィリアムズ、パスカル・ジャルダンと共に脚色、「生きる歓び」のクレマンが演出したサスペンスドラマ。撮影は「シベールの日曜日」のアンリ・ドカエ、音楽はラロ・シフリンが担当した。製作は「地下室のメロディー」のジャック・バール。出演は「黒いチューリップ」のアラン・ドロン、「ニューヨークの休日」のジェーン・フォンダ、「恋のKOパンチ」のローラ・アルブライト、ほかにオリヴィエ・デスパ、カール・ステューダー、ソレル・ブルック、ニック・デル・ネグロなど。黒白・フランスコープ。
「危険がいっぱい」のストーリー
マーク(アラン・ドロン)はいかさまカード師。あるホテルで休暇を過していたが、ある日、四人のアメリカのギャングに連れ去られた。マークがボスの妻君に親切過ぎたためだ。だがマークは上手く逃げのび、救世軍施設に逃げ込んだ。ギャングはそこも嗅ぎつけた。マークはその追求を逃れるため、たまたまここを訪れ、食物を施すアメリカ未亡人バーバラ(ローラ・アルブライト)の運転手として雇われ、別荘に住むようになった。ところがこの家には彼女のいとこのメリンダ(ジェーン・フォンダ)の他に、秘密の部屋に住むバーバラの愛人ビンセントがいた。彼女がマークを雇ったのも、実は殺人犯のビンセントと逃げるためのパスポートが目的だったのだ。メリンダはマークを深く愛した。だが、彼はバーバラに想いを寄せている。彼がバーバラとこの家を逃げ出そうとしていることを知ったメリンダは二人の仲をさこうとした。彼女の打った一通の偽電報は、バーバラの裏切りを示すものだった。マークは激怒して、密室からのビンセントの看視も忘れて難詰した。彼女は彼を逃れるため、秘密の廊下に入った。が、二人の激しい話を盗み聞きしたビンセントが、バーバラを殺してしまった。そして運転手の姿をしたビンセントがマークに迫った。だが、銃声と共に倒れたのはビンセントであった。マークを追うギャングが間違えたのだ。マークとメリンダは二つの死体を処理しなければならない。車に死体を積み、二人は捨て場所を探しに出た。途中、メリンダは警官にその死体のことを告げた。彼はうまく脱出、別荘に逃げ帰った。しかし、お尋ね者になったマークはこの家を出ることは出来ない。メリンダの、愛する男を止めておく唯一の方法に、まんまとひっかかったのだ。マークはビンセントになり代り、秘密室の住人になった。
「危険がいっぱい」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
---|
キャスト | 役名 |
---|

「危険がいっぱい」のスペック
基本情報 | |
---|---|
ジャンル | サスペンス・ミステリー ドラマ |
製作国 | フランス |
製作年 | 1964 |
公開年月日 | 1964年6月13日 |
上映時間 | 99分 |
製作会社 | シプラ・プロ |
配給 | MGM |
アスペクト比 | シネマ・スコープ(1:2.35) |
カラー/サイズ | モノクロ/シネスコ |
関連するキネマ旬報の記事
関連記事一覧 | |
---|---|
1967年4月上旬春の特別号 | 文化映画 危険がいっぱい |
1964年7月下旬号 | 外国映画批評 危険がいっぱい |
1964年6月下旬号 |
新作グラビア 王さまの剣 新作グラビア 危険がいっぱい |
1964年7月上旬夏の特別号 |
旬報試写室 王さまの剣 3大異色シナリオ 本誌独占 東京オリンピック記録映画 オリンピック東京大会組織委員会掲載認可済 旬報試写室 危険がいっぱい 外国映画紹介 危険がいっぱい |