「太陽が知っている」のストーリー
太陽がまばゆいサントロペの豪華な別荘でジャン・ポール(アラン・ドロン)とマリアンヌ(ロミー・シュナイダー)は快適な休暇を過していた。しかし、マリアンヌが招待したハリー(モーリス・ロネ)とその娘ペネロープが別荘にやって来てから雰囲気は一変した。ハリーとマリアンヌはかつての恋人同士。そしてハリーは、ジャン・ポールの前に、今でも彼女を自分のものにする自信があるといい、自分に対し劣等感と憎悪を抱いているジャン・ポールに対し、露骨に軽蔑の態度をあらわすようになった。一方、マリアンヌは、ジャン・ポールとペネロープの間が心配だった。そして彼女はジャン・ポールを嫉妬させるため、わざとハリーと戯れた。数日後、ジャン・ポールとペネロープはハリーとマリアンヌが抱きあっている姿を見てしまった。ペネロープは父への反感からジャン・ポールの恋人になったが、次第に真の愛情を感じるようになっていった。娘を思うハリーは、酒をのんでジャン・ポールと喧嘩した。酔ったハリーはプールに突き落された。突然ジャン・ポールの胸に激しい憤りがわいた。プールから上ろうとするハリーの顔を、ジャン・ポールは水の中へと押しつけた。ハリーは死んだ。マリアンヌは事実を知っていたが、なにもいわなかった。ペネロープは母親のもとへ帰っていった。執擁な警察の調べにも、ジャン・ポールは動ぜず、殺人は完全犯罪となった。しかしジャン・ポールとマリアンヌの仲はもとにもどらなかった。愛し合っていた二人から、殺人者と真実を知りながら沈黙した共犯者という結びつきにかわった。彼らのこれからの生活は地獄にかわった。