解説
ふとしたことからめぐり合った二人の男と一人の女の奇妙な生活を描く。片岡義男の同名の小説を映画化したもので脚本は「バージンブルース」の内田栄一、監督は「天使を誘惑」の藤田敏八、撮影は「泥の河」の安藤庄平がそれぞれ担当。
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「スローなブギにしてくれ」のストーリー
夕暮の第三京浜。白いムスタングから仔猫と若い女の子が放り出され、後ろから来たオートバイの少年に救けられた。こうして出会ったゴローとさち乃は一緒に暮しはじめた。ムスタングの男は、福生の旧米軍ハウスに住み、仕事仲間の輝男と敬子のカップルと同居している。敬子には、どちらが父親かわからない子供がいるが、今は妹の由紀江が面倒を見ている。三人は奇妙な均衡の中で暮していた。ある朝、輝男がジョギング中に心臓発作で死んでしまった。一方、さち乃は行きつけのスナック、クイーンエリザベスでバイトをはじめた。ゴローはバイト先で喧嘩して仕事を辞めてしまい、またさち乃と客の仲を嫉妬してふらりと何処かへ出かける。その寂しさからさち乃はムスタングの男に連絡を取り、季節外れの高原ホテルに旅行に出かける。実はムスタングの男がこのホテルに来た目的とは、別居中の妻との離婚の書類にハンを押すためと、子供のピアノの発表会を見に行くためだった。さち乃は、男が泥酔して帰って来たことと、子供から電話がかかってきたことから事情を察っするのだった。再びゴローとさち乃の生活が始まった。ある日、さち乃が作業服の男たちに強姦された。ゴローは、傷ついたさち乃に心無い言葉を投げかける。その後ゴローは、必死で男たちを捜して目茶苦茶に叩きのめした。ごきげんなゴローにさち乃は「あたしよりも仇を討つことしか考えないの」と咳く。たまらずさち乃は再びムスタングの男と会い、彼の家に身を寄せることになる。しかしそこには敬子と由紀江と赤ん坊が同居しており、さち乃はそんな生活に馴染めず、結局ハウスから去って行く。彼女が出ると同時に、敬子は男と別れることを決意し、由紀江と赤ん坊を連れて出ていく。消えたさち乃を求めて、ムスタングの男はゴローを訪ねる。ところがゴローは、例の作業服の男たちに襲われ、中へ割って入った男は腹を刺されてしまう。三ヵ月の重傷。病院に見舞いに来たさち乃は、今度こそキッパリと男に別れを告げるのだった。スナックでしょげているゴローのところにさち乃が戻って来た。素直に喜べないゴローに、マスターが選んだ曲は「スローなブギにしてくれ」。やがて再び夏が来た。さち乃はゴローの子供を身ごもっていた。そんな時、海から引き揚げられた白いムスタングには女の死体があった。助かった男に、刑事が女との関係を聞くと、男はこう答えるのだった。「拾った、今度は猫は連れてなかった・・・」
「スローなブギにしてくれ」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「スローなブギにしてくれ」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | ドラマ |
製作国 | 日本 |
製作年 | 1981 |
公開年月日 | 1981年4月7日 |
上映時間 | 130分 |
製作会社 | 角川春樹事務所=東映 |
配給 | 東映 |
レイティング | 一般映画 |
アスペクト比 | アメリカンビスタ(1:1.85) |
カラー/サイズ | カラー/ビスタ |
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