解説
原健三郎の原作により「俺の故郷は大西部」の山崎巌が脚本を書き「くたばれ愚連隊」の鈴木清順が監督した和田浩治のアクション篇。撮影も「くたばれ愚連隊」の氷塚一栄。
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この作品のレビュー
ユーザーレビュー
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ミャーノフ大佐
新東宝でこんな学園ドタバタコメディがあった気がする。新東宝の「乾杯!女学生」や「暴力五人娘」なんか主人公こそ女性だけど、学園ドタバタ物だ。ストーリーは安易だけど、先に見た「鷲と鷹」に比べたらよっぽどしっかりした筋立てだ。それに腐っても監督は鈴木清順だ。
役者は主役が和田浩治、後は南田洋子、金子信雄、小沢昭一くらいか。かまやつひろしはスパイダースに入る前か。役者としてよりも歌手として登場している。ヒロインは清水まゆみとあるけど、ごめんなさい、寡聞にして知りませんでした。「北の国から」に出ていたそうで、当時「北の国から」をきちんと観ていれば憶えていたかもしれない。やっぱり「鷲と鷹」のキャストに比べるとうすい。製作費が安そうなので、おそらくは2本立てのB面映画じゃないかな。
金子信雄がやっぱり良いね。後の「仁義なき戦い」の山守に繋がる嫌らしい人間を演じていて適役。彼は当時の日活映画によく脇で出ていた記憶がある。
鈴木清順らしさは何処で出てくるんだろうと映画を観ていると、キャバレーでのあの赤い幕、テーブルライトの配色、彼らしい。ただ全体的には際立ったカメラワーク、色彩感覚が出ていたわけではないので、プログラムピクチャーの中で個性を出せるところはそんなになかったのだろう。助監督を武田一成がやっている。武田は後に日活ロマンポルノで監督になるが、そんなに上手い監督ではなかった。
「東京騎士隊」のストーリー
アメリカへ留学中だった松原孝次は、土建業を営んでいる父が急死して日本へ呼び戻された。松原組々長三代目襲名披露の日、専務の三島は孝次を熱心に紹介した。だが、孝次はそんなことよりも新しく入学したミッション・スクールのサッカー試合の方に気をとられていた。試合は孝次の活躍で勝った。孝次は今度は音楽部へ入った。彼は先代の時から働いているじいやの甚作から、ホテル建設工事をライバルの徳武組に横取りされてしまったこと、父の死に疑いがあることを聞いた。数日後、ダム工事の入札が開発省で行なわれた。落札は徳武組のものときまりかけたが、孝次が不正があると談じこんで入札は保留となった。三島が徳武にしめあげられた。三島はこの入札にからんで松原組を裏切り、徳武組に入ることになっていたのだ。孝次は徳武の娘百合子に頼んで、徳武に会った。徳武は孝次を松原組の若社長として遇したが、なにかスッキリしない。その夜、クラブで孝次は徳武と三島の話し合いをテープに収めることに成功した。翌日、そのテープをもって三島と義母理枝に聞かせた。“松原組をつぶすのは訳ありません。あの女は私が手なずけてあります”理枝の顔は蒼白となった。ヤケになった三島は、徳武が孝次の父を殺したのだと口走った。徳武も本性を現わした。孝次を待ちぶせ、襲った。多勢に無勢、孝次は窮地に追いこまれていった。その時、百合子の決断によって、警察が駈けつけ、徳武一味は逮捕された。父を裏切った百合子の心情を思い、彼女を求めて孝次は駈け出していった。
「東京騎士隊」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「東京騎士隊」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | アクション |
製作国 | 日本 |
製作年 | 1961 |
公開年月日 | 1961年2月1日 |
上映時間 | 81分 |
製作会社 | 日活 |
配給 | 日活 |
レイティング | 一般映画 |
アスペクト比 | シネマ・スコープ(1:2.35) |
カラー/サイズ | カラー/シネスコ |
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1961年2月下旬号 | 日本映画紹介 東京騎士隊 |