解説
柴田錬三郎の原作を「眠狂四郎炎情剣」の星川清司が脚色、「ザ・ガードマン 東京用心棒」の井上昭が監督した“眼狂四郎”シリーズ第七作目。撮影は「眠狂四郎魔性剣」の竹村康和。
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この作品のレビュー
ユーザーレビュー
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ミャーノフ大佐
顔の半分がやけどした将軍の娘菊姫が再登場。前はどの作品に出ていたのかと調べたら4作目「眠狂四郎女妖剣」でした。狂四郎がわざわざ浜松まで出張した作品でした。江戸払いになったのにこっそりと江戸に戻ってきたようです。正確には武州か。おかげで狂四郎も埼玉まで出張だ、いや映画の景色だと相模原かな、奥多摩かな。今回、菊姫は相当の準備をしていて、武州疾風組なる忍者組織を雇い、さらに女も使い狂四郎を殺しにかかる。幕府も菊姫に手を焼いて、目付役は狂四郎に菊姫を退治するよう頼む。さてどうなりか、なんて結末は判っているんだから良いでしょ。そうそう、最後に目付役を殺してしまうんだけど、幕府を敵に回したらダメじゃない?
カメラは手持ちを多用していた。ウェキおじさんによると監督の井上昭は雷蔵にカメラを持たせて撮らせていたらしい。また、横移動のカメラワークも頻繁に出てきたが、これは良かった。音楽を入れず台詞もなしで無音での映像シーンも多数あった。ただ、これが成功しているかというと、どうも失敗していると思う。無音にするだけの緊張感が画面に出せていたかというと、そうではなかった。うーん。編集段階ででも、もう少し映画としての効果がどうだったかを見定めた方が良かったのでは。最もプログラムピクチャーにそんなのんびりした作り方は出来なかったのかもしれないが。
武州疾風組と言う忍者組織について、本当に武蔵国に忍者集団があったのかな。忍者というと伊賀とか甲賀とか根来とかが有名だけど、本当に武州にもあったとするとなんか嬉しいな。
中谷一郎が今回のゲスト出演で旅の浪人みたいな役だが、映画の筋から言ってそれしかないよな。
「眠狂四郎多情剣」のストーリー
眠狂四郎は、ある日“菊”とだけ署名のある書状に呼ばれて、江戸の岡場所“井筒”という娼家へやって来た。そこで狂四郎はたまたま、はるという少女の水揚げに出喰わした。はるは何故か恐怖と憎悪の眼で狂四郎を見た。その時、突然狂四郎は、下曽我典馬を始めとする、武州疾風組の一隊に襲われた。狂四郎は、冴えわたった剣さはきで、それらの敵をなぎ倒すと、その内の一人をつかまえ、敵の正体を証した。はたして、彼らをあやつる首領は、将軍家息女菊姫であった。狂四郎の脳裏に数年前の菊姫との出会いが甦えった。--淫虐な遊びに明け暮れ、遊びあきた男どもを次々と殺していた能面をつけた菊姫。狂四郎はその能面をひきさき、その下にかくされた、菊姫の醜貌を世間にさらしたのだ--。“井筒”での突然の襲撃は、その復讐の前ぶれであった。狂四郎は、難をのがれると、何かいわくありそうな少女はるを引きとり、住いの浄関寺へ連れもどった。はるは、父親を侍に殺されたため、侍すべてを憎むようになっていたのだ。狂四郎は、そんなはるの気持が不憫でならなかった。が、そんなうちにも菊姫の魔の手はのび、馬庭念流指南赤松勘兵衛の妻志乃を殺し、その罪を狂四郎にきせた。狂四郎は仕方なく、菊姫におどらされて彼を襲ってきた勘兵衛を斬ってすてた。その間も、狂四郎の命を狙って、菊姫の息のかかったお酒落狂女や、伝法な女おひさが、手をかえしなをかえ罠をはっていた。そして狂四郎が一筋縄では命を奪えぬとみるや、ついに狂四郎のもとに一緒に住むはるを奪い、狂四郎を菊姫屋敷におびき入れ、総攻撃をかけた。が、狂四郎の円月殺法は、そんな菊姫の執念を断ら切るかのように冴え、ついに菊姫が頼りとする、典馬をも斬った。今やこれまでと観念した菊姫は、狂四郎の剣をまたずに、自害し果てた。狂四郎は、はるを連れて風の鳴る武蔵野を後にした。
「眠狂四郎多情剣」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「眠狂四郎多情剣」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | 時代劇 |
製作国 | 日本 |
製作年 | 1966 |
公開年月日 | 1966年3月12日 |
上映時間 | 84分 |
製作会社 | 大映京都 |
配給 | 大映 |
レイティング | 一般映画 |
アスペクト比 | シネマ・スコープ(1:2.35) |
カラー/サイズ | カラー/シネスコ |
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