大地の侍

いしかりがわよりだいちのさむらい Land of Opportunity
上映日
1956年1月29日

製作国
日本

制作年
1956
上映時間
66分

レーティング
一般映画
ジャンル
時代劇

check解説

故本庄陸男の小説『石狩川』を「黒田騒動」の高岩肇が脚色、「殺人現行犯」のコンビ、佐伯清が監督、藤井静が撮影を担当した。主なる出演者は「赤穂浪士 天の巻・地の巻」の大友柳太朗、高千穂ひづる、「殺人現行犯」の三条美紀、「野菊の如き君なりき」の杉村春子、「新・平家物語」の千田是也、など。なお時代考証には木村荘八、音楽は小杉太一郎が担当した。
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この作品のレビュー

ユーザーレビュー

  • ミャーノフ大佐

    東映時代劇YouTubeで期間限定で配信していて、また、どの動画配信サービスでも配信していなかったので、東映のYouTubeで見せてもらいました。
    何のインプットもなく見始めたので、またタイトルからいわゆるチャンバラ映画と思っていたら全然違う映画でした。
    最初はチャンバラ映画化と思っていたら、観進めているうちに、なんと舞台は私の故郷の近くではありませんか。興味深く観させていただきました。
    監督は東映のプログラムピクチャーを作ってた佐伯清。しっかりとした、堅調な映画作りで、個人的な思い入れも相まって感動しました。
    大友柳太朗はまだ若くしっかりとした演技でした。彼は「北の国から」では笠松のじいさんを演じていて、冬の日に馬と一緒に川に落ちて死んでしまいます。
    バイプレイヤーでいつも悪役を演じていた山形勲は、この映画では、官軍側で開拓を助ける役人を演じていて、それがいい人の役で、またそれもいいんだよねぇ。
    ほかにも、加東大介、加藤嘉、宮口精二、杉村春子、千田是也、花沢徳衛、などなど出ていて、勝手な思い入れだけど、昔の役者って個性があっていいよなあ。
    以下、ネタバレも含みます。
    明治維新で負けて賊軍となった伊達家傍流の岩出山伊達藩は官軍に土地を取り上げられて、北海道に移住する決断をします。官軍から石狩の不毛な土地を割り当てあれて、勇払から支笏湖、千歳川を下って行くルートで石狩に行くのだが、これが、勇払から支笏湖までのルートがわざわざ険しいルートをとっっているんだけど。大体、支笏湖まで急峻なルートはないんだけど。(支笏湖が見えるシーンがあるんだけど、あの支笏湖がみえる角度だと相当大回りしていることになる。まあ、映画だからなあ。)それに支笏湖から千歳川を下っていく方が距離は全然あるんだけど、ここは描かれていない。
    割り当てられた石狩は不毛の土地で、石狩から当別にさらに移住する。
    当別開拓の苦労は尋常じゃなかっただろうなあ。
    今の北海道があるのも、こういう人達の苦労の上にあるんだろうなあ。
    この開拓の話は当別町のホームページにも出ているので、もし興味があれば閲覧してみて。
    北海道には、伊達市とか、新十津川とか、北広島とか、本州の地名などが着いた地域があるけど、大体は開拓で移住して来た人達が故郷の地名をつけた。
    この映画は、北海道指定の推薦映画とすべきだ。道内で繰り返し観られるといいなあ。

「大地の侍」のストーリー

明治元年、官軍の奥羽鎮撫征討軍の攻撃を受けて降伏した岩手山藩々士一同は藩の主席家老阿賀妻の意見により帰農を計ることにした。しかし一度朝敵の汚名を受けた同藩へは土地拡い下げは許可にならず、官軍隊長堀盛の好意で北海道へ開拓民として移住することだけが残された道となった。不毛と噂される蝦夷の地をおそれる藩士達の反対をよそに藩主邦夷の英断によってこの計画は実行されることになり、第一回移住の男女百六十四名が北海道石狩の原野に渡った。だがそこは不毛の地であったので一同は更に肥沃の地を求めて石狩川を遡った。苛酷な自然の脅威、士地の人々の敵愾心、食糧の欠乏等のうちにともかく一同の計画は進んでいった。移民達の一人大沼の妻千代は暴漢に襲われ行方不明となった。計画の成功を信じる阿賀妻は岩手山に残る藩士達を連れに戻った。やがて冬が来た。説得に成功、四百余名の渡道者を連れ帰ることになった阿賀妻がその旨を書き送った書翰を見たのは、今は札幌の裏町で曖昧宿の女に落ちている千代だった。飛脚からその手紙をうばった千代は、自分の夫を交えた一同のいる当別の地めがけて吹雪の中を走った。阿賀妻におき去りをされたのではないかと案じていた人々はその手紙を見て狂喜した。千代は夫の腕にいだかれて死んだ。春近い雪晴れの朝、遂に後続組は先発組と一緒になった。歓声をあげていだき合う一同の側を未来に向って石狩川が滔々と流れている。

「大地の侍」のスタッフ・キャスト

スタッフ
キャスト役名

「大地の侍」のスペック

基本情報
ジャンル 時代劇
製作国 日本
製作年 1956
公開年月日 1956年1月29日
上映時間 66分
製作会社 東映東京
配給 東映
レイティング 一般映画
アスペクト比 スタンダード(1:1.37)
カラー/サイズ モノクロ/スタンダ-ド
音量 モノラル

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