誘惑(1957)

ゆうわく
上映日
1957年9月22日

製作国
日本

制作年
1957
上映時間
91分

レーティング
ジャンル
ドラマ

check解説

朝日新聞連載伊藤整の同名小説を大橋参吉が脚色、「殺したのは誰だ」の中平康が監督した。撮影はこれが昇進第一回作品の山崎善弘。主演は「白夜の妖女」の葉山良二、「狂った関係」の安井昌二、宍戸錠、「幕末太陽伝」の芦川いづみ。ほかに渡辺美佐子、轟夕起子、中原早苗、高友子など。
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この作品のレビュー

ユーザーレビュー

  • ミャーノフ大佐

     中平康の映画は初見かもしれない。芸術祭参加作品だからか出演者が豊富だ。宍戸錠や二谷英明などほんのちょい役ででてくるだけで、もったいない使い方だ。最もこの頃はデビューしたてでまだちょい役の頃なんだろうけど。印象的なのは渡辺美佐子と中原早苗。渡辺美佐子はやっぱり若い頃は判らないなあ。でも映画の中で、杉本洋品店の店員として割と重要な役割を果たしている。中原早苗はおきゃんな感じで、可愛い。彼女、若い頃は良かったなあ。芦川いづみは映画の後半に登場してくるが(母親役として回想部分に少しでてくるが)、やっぱりきれいだ。映画のポスターで千田是也とのキスする直前の写真が使われているが、これはほんの少しのシーンでしかなかった。あとは小沢昭一、殿山泰司、そして厚かましいおばさん役の轟夕起子。名女優の轟夕起子が太ってしまってあんな役を演じるんだなあ。腕も太いこと。そして浜村純、天本英世もちらっと出てくる。
     そして主役の左幸子。彼女の映画って何本も観ているんだけど、あんまり憶えていないんだよなあ。「女中ッ子」も「幕末太陽傳」も「飢餓海峡」も観ているんだけどなあ。それぞれの映画で個性的な役を演じているんだけど、この映画では上流の家庭で育った活発なお嬢さんと言う役割で、特に左幸子である必要は無かったかなと思う。一方の父親役の千田是也も彼である必要は無かったかな。
     中平康は映像テクニックの人と呼ばれていたようだが、この映画で取り立ててテクニックを感じなかった。むしろたくさんの登場人物の描写を、普通ならとっちらかるところを上手くまとめ上げて仕上げている。ストーリー自体は他愛ない恋愛物で、その中で葛藤という物があるわけでもない。最後はハッピーエンドで終わってしまう。伊藤整の原作が悪かったのか。
     そうそう、東郷青児と岡本太郎まで引っ張り出している。岡本は晩年よくテレビ番組に出ていたが、東郷青児はそんな記憶は無いので、彼の映像を見られるのは貴重だ。

「誘惑(1957)」のストーリー

大正気質の杉本省吉は銀座の洋品店主で、ドライ娘の一人っ子秀子とやもめ暮し。省吉は店の二階を画廊に改造しようと考え前衛生花にこっている秀子は、これを自分たちのグループの発表会に利用しようとたくらんだ。洋品店には無愛想で化粧嫌いな、省吉に想いをよせる竹山順子がいた。秀子のグループの発表会資金の調達のため、ハンサムで画才より商才のある杉山小平、貧乏画伯田所草平らのグループと提携した。喧嘩をしながらも秀子と小平はしだいに接近し、一方順子も他人の迷感も平気な一名“暴力画伯”の草平にその美貌を指摘されるや、一転してお化粧に専念し、愛想がよくなりやがて草平を恋するようになった。省吉は画廊完成のパーティを開き、秀子のために戸越、安井の両青年を紹介したが、全然気にもしない。パーティの日に草平の絵が、西郷赤児らの一流画伯の目にとまり、一躍有名となり発表会は連日盛況をきわめた。こんな出来事も知らずに、草平は画廊から姿を消し、順子のところへ金を借りに来る始末。秀子は小平の妹章子の許に草平の絵が四、五点埋れているというので、それを持って章子と画廊に来た。省吉はその章子が初恋の人に瓜二つであり、そしてその絵の中に章子の母親の肖像画があり、それがなんと初恋の人その人であった。やがて小平はその商才を認められ、画廊を経営するようになった。順子と草平の結婚式の夜、祝酒に深酔した章子は省吉をたずねた。省吉には何時しかその寝顔が初恋の人三谷栄子となって、三十年前に果せなかった接吻をするのだった。章子の目には涙が浮んできたが、それは母と省吉の秘密を知っている章子の歓びの涙であった。

「誘惑(1957)」のスタッフ・キャスト

スタッフ
キャスト役名

「誘惑(1957)」のスペック

基本情報
ジャンル ドラマ
製作国 日本
製作年 1957
公開年月日 1957年9月22日
上映時間 91分
製作会社 日活
配給 日活
レイティング
カラー/サイズ モノクロ