解説
この作品のレビュー
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ミャーノフ大佐
中平康の映画は初見かもしれない。芸術祭参加作品だからか出演者が豊富だ。宍戸錠や二谷英明などほんのちょい役ででてくるだけで、もったいない使い方だ。最もこの頃はデビューしたてでまだちょい役の頃なんだろうけど。印象的なのは渡辺美佐子と中原早苗。渡辺美佐子はやっぱり若い頃は判らないなあ。でも映画の中で、杉本洋品店の店員として割と重要な役割を果たしている。中原早苗はおきゃんな感じで、可愛い。彼女、若い頃は良かったなあ。芦川いづみは映画の後半に登場してくるが(母親役として回想部分に少しでてくるが)、やっぱりきれいだ。映画のポスターで千田是也とのキスする直前の写真が使われているが、これはほんの少しのシーンでしかなかった。あとは小沢昭一、殿山泰司、そして厚かましいおばさん役の轟夕起子。名女優の轟夕起子が太ってしまってあんな役を演じるんだなあ。腕も太いこと。そして浜村純、天本英世もちらっと出てくる。
そして主役の左幸子。彼女の映画って何本も観ているんだけど、あんまり憶えていないんだよなあ。「女中ッ子」も「幕末太陽傳」も「飢餓海峡」も観ているんだけどなあ。それぞれの映画で個性的な役を演じているんだけど、この映画では上流の家庭で育った活発なお嬢さんと言う役割で、特に左幸子である必要は無かったかなと思う。一方の父親役の千田是也も彼である必要は無かったかな。
中平康は映像テクニックの人と呼ばれていたようだが、この映画で取り立ててテクニックを感じなかった。むしろたくさんの登場人物の描写を、普通ならとっちらかるところを上手くまとめ上げて仕上げている。ストーリー自体は他愛ない恋愛物で、その中で葛藤という物があるわけでもない。最後はハッピーエンドで終わってしまう。伊藤整の原作が悪かったのか。
そうそう、東郷青児と岡本太郎まで引っ張り出している。岡本は晩年よくテレビ番組に出ていたが、東郷青児はそんな記憶は無いので、彼の映像を見られるのは貴重だ。
「誘惑(1957)」のストーリー
「誘惑(1957)」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「誘惑(1957)」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | ドラマ |
製作国 | 日本 |
製作年 | 1957 |
公開年月日 | 1957年9月22日 |
上映時間 | 91分 |
製作会社 | 日活 |
配給 | 日活 |
レイティング | |
カラー/サイズ | モノクロ |