ギターを持った渡り鳥
ぎたーをもったわたりどり The Wandering Guitarist
解説
「0番街の狼」の山崎巌に原健三郎が加った脚本を、「人形の歌」の斎藤武市が監督したもので、小林旭主演のアクション・ドラマ。撮影も「人形の歌」の高村倉太郎が担当した。
この作品のレビュー
ユーザーレビュー
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ミャーノフ大佐
小林旭「渡り鳥」シリーズ2作目(「南国土佐を後にして」を1作目として)。函館を舞台としてくれているのは嬉しい。
観ていて思っちゃったんだけど、山守のオヤジは出ているし、村岡組の武田は出ているし、2代目大友勝利は出ているわ、深作欣二の奥さんは出ているし、後々の「仁義なき戦い」の連中が出てくるじゃない。それに宍戸錠の役が神戸の組から来た殺し屋でしょ。神戸の組は明石組?神和会?
まあ、日活がロマンポルノ路線になって、日活のスター達、特に男優は東映映画に流れていったから、出演者が重なるのも仕方ないんだけど。後の山守を演じる金子信雄がこの映画でもずる賢いヤクザの親分を演じている。というか、親分にまで出世している。
映画の内容はいいでしょう。日活無国籍アクションの映画と言って良いでしょう。主人公の滝伸次(小林旭)、何もあそこで拳銃撃つ必要ないでしょう。滝伸次の設定が元神戸の刑事という設定も若すぎない?「仁義なき戦い 代理戦争」(以降)では、あれだけ貫禄あったのに、この映画では若くて痩せていて貫禄がないもの。浅丘ルリ子は前に観た「若草物語」では、きれいだなあと思ったのに、この映画では化粧を変えているのか、あまりきれいに見えなかった。むしろ中原早苗の方が良かった。バーのママが渡辺美佐子とは気づかなかった。大女優なのに。
点数はやっぱりたくさんの役者たちに感謝を込めて3.0点。
「ギターを持った渡り鳥」のストーリー
神戸に近いある港町にギター背中に流れて来た伸次は、喧嘩で危い流しのサブを救ったことから親分の秋津にひきあわされた。秋津は自分の娯楽センター拡張のため、親切ごかしに金を貸し利子の期限切れを種に暴力的に土地を立退かせていた。伸次の腕力と嚇しはマーケットの住民をふるえあがらせた。秋津は沖合にある小島にもセンターを作る関係上丸庄漁業に伸次を使にたてた。しかし丸庄の女房澄子が秋津の実妹と知るとこの仕事を断った。会った時から伸次に惹かれていた秋津の娘由紀は叔母のために手を引いた彼に一層の好意を寄せた。ある日神戸の田口組のジョージがヤクの密輸を沖合で取引きするので舟をかりに来た。秋津の用心棒馬場は丸庄のあかつき丸を担保にとりあげた。秋津組とジョージは取引きのため沖合に出た。挨拶がわりのダイス遊びで見せた伸次の手さばきに、ジョージは彼とどこかで会ったような感じを持った。そこで厭がる伸次にむりやり拳銃を弾たせた。“判ったお前は神戸市警のデカだ。昔俺の舎弟を殺してサツを首になった奴だ”二人が拳銃を構えた時巡視艇が廻って来た。決闘は明晩までのばされることになった。その夜丸庄が溺死体となって発見された。サブの口から秋津の仕業と知った伸次は秋津と手を切る決心をした。翌晩再び海に出た。密輸取引きが終り二つの影が向い合った。その瞬間を狙って馬場の拳銃が二人に向って火を吐いた。伸次は海に消えた。ジョージは傷つきながら馬場を倒した。組のことを知り過ぎた伸次を消し密輸を一人占めしようとする秋津のたくらみであった。秋津の事務所へ伸次は飛び込んでいった。が秋津は拳銃を構えて待っていた。しかし何時の間にか裏口よりやってきたジョージに倒された。パトカーのサイレンが近づいた。ビリヤード場で対峙する二人。二人の拳銃が火を噴く。バシッとジョージの拳銃がフッ飛んだ。負けを認めたジョージを沼田刑事が逮捕に来る。別の日、復職を進める沼田に伸次は死んだ女の墓参りに佐渡に向かうと告げる。伸次の旅立ちに由紀たちが見送りに来る。また戻ってくると言って旅立つ伸次だが、由紀はそれが嘘だと判っていた…。
「ギターを持った渡り鳥」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「ギターを持った渡り鳥」のスペック
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