この映画に大人は出てこない。いや、正確に言うと、ラスト、主人公の女の子が大人になって子どもにお話しするところで大人になった女の子が出てくる。
この映画を見始めて、動物たちをどのように撮っているのだろうと思った。最初は飼い慣らした狐を撮っているのかとも思ったが、様々な動物が出てくるので、こんなにいろいろな動物を飼い慣らせないだろうしなあ。とすると全てCGか。CGでないと描ききれない部分も多々あったしな。それにしても風景と動物がきれいな映画だった。
観進めていくうちにこれはおとぎ話だよな、と言うのがだんだんと判ってくる。だって、いくら田舎に住んでいるからって、あんな山の頂上に1人で立っていたり、雪深い森を歩いたり、知らない洞窟に入っていったり、森の中で寝る、なんてことはあり得ないものな。
おとぎ話として観ていくと納得がいく。野生のきつねと簡単に仲良くなれるし、いろいろな動物が出てくるのも納得できる。
大体、フランスのアルプス地方らしいが、狼がいるのか、アライグマがいるのか、熊があんな身近に出てくるのか、本当にあんないろいろな動物がいるのか不思議だった。最も、アルプス地方の生態系は知らないのだが。ちなみに、日本狼は絶滅しているからね。それと、北海道では野生のきつねはエキノコックスに感染している可能性があり、人にも感染するので安易に触ると危険です。ヨーロッパではどうか判らないですが。だから安易に野生動物に触るのは危ない行為なんだけど。おとぎ話だからいい。
自然の中では野生のきつねと人間が親しくふれあうことが出来たけど、きつねを人間界に入れてしまうと悲しいことになるよ。人と動物はお互いの生活圏を犯さずに共存しましょう、という童話でした。
ところで主人公がきつねではなくて狼だったら、狼がきつねを襲うのを頑張れ、って観ているでしょ。もしねずみだったら、きつねに食べられてしまうと悲しくなってしまうでしょ。どの視点に立つかだけなんだけどね。