解説
神の島として知られる沖縄の離島・久高島で、12年に1回行われていた神事“イザイホウ”の1966年の様子を記録したドキュメンタリー。イザイホウは学問上でも価値の高い稀有の神事であったが、1978年を最後に消滅したため、本作はその魅力の一端を感じられる貴重な資料となる。監督は、「ふじ学徒隊」の野村岳也。2014年12月27日より、東京・渋谷UPLINK FACTORYにて「イザイホウ-神の島・久高島の祭祀-」としてDVD上映。
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「イザイホウ」のストーリー
沖縄の南東5キロに浮かぶ周囲9キロの小島・久高島は、この映画が撮影された1966年当時、戸数130、人口600人であった。男が漁業、女が農業を営む半農半漁の離島で、せまい島の暮らしは楽ではなく、乏しい水や、土地を平等に分け合って生きてきた。男たちは一人前になるとみんな海へ出て行く。女たちは神事を中心に一体となり、男たちの無事を祈りながら、島を守る。男は海人であり、旅人であり、女はそんな男たちを守る神人であった。久高島は昔から神の島として知られ、今でも島人によって厳粛に受け継がれている年間30にも及ぶ神事が、島の暮らしに組み込まれている。この久高島最大の神事は、12年に1回午年に行われる“イザイホウ”である。この神事は、島で生まれ、生きる30歳から41歳の女が神になり、4日間の本祭を中心に、1ヶ月余りの時をかけて行われる。本作で記録した1966年の後、1978年に行われたのを最後に“イザイホウ”は消滅した。時代の波とともに祭や神事が形骸化し、観光資源に変身したケースは多いが、イザイホウは厳粛な神事の心を失わず、生きたまま消え去ったのである。イザイホウはドラマチックな構成を持ち、歌や踊りの原点ともいうべき内容を持つ、学問上でも価値の高い稀有の神事であった。本作は、その魅力の一端を感じられる貴重な記録である。
「イザイホウ」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「イザイホウ」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | ドラマ |
製作国 | 日本 |
製作年 | 1967 |
公開年月日 | 2014年12月27日 |
上映時間 | 49分 |
製作会社 | 海燕社 |
配給 | 海燕社 |
レイティング | 一般映画 |
アスペクト比 | スタンダード(1:1.37) |
カラー/サイズ | モノクロ/スタンダード |
音量 | モノラル |
公式サイト | http://www.kaiensha.jp/archive.html |
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