解説
監督作「Mommy/マミー」がカンヌ国際映画祭審査員賞を受賞するなど、映画監督・俳優として注目を集めるグザヴィエ・ドランが主演したドラマ。精神病院で起きた医師の失踪事件を巡り、入院患者の青年と病院長が緊迫した心理戦を繰り広げる。共演は「スター・トレック イントゥ・ダークネス」のブルース・グリーンウッド。
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この作品のレビュー
ユーザーレビュー
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ミャーノフ大佐
映画の予告編よりも深い映画だった。最もラストを予告編で見せることは出来ないが。映画はほとんど対話劇で、これは舞台が元だな、と思ってみていたら、やっぱり舞台劇のようです。
時代背景は1966年、舞台が何処なのかわからないが、ラスト、雪のシーンがあるので北の方でしょう。映画の最初、主人公マイケルの母親がキューバでオペラを歌うシーンが出てくるが、うーん、冒頭のシーンとしてはそんなに重要でないかな。小さな息子が相手にされていない事を描きたいのでしょうが、なんせその説明シーンが短いので何処までネグレクトされていたのかは伝わってこない。このネグレクトがマイケルのキャラクターに重要な枠割りを果たしているだけに、もっと大事に描いてほしかったな。それと象が重要な役割を作っているんだけど、そこもざっくりとしか描かれていない。大体、マイケルのキャラクター形成のバックが雑に描かれているのはもったいない。舞台ではなく映画なのだから、この辺は配分をどうにでも変えられたのではと思う。ちなみに脚本のニコラ・ビヨンが元々の原作戯曲を書いているので、映画用に大きく修正は出来なかったのかな。ただ、伏線の置き方は面白かった。ラストの近くでマイケルの主治医と院長との会話も時代背景を考えると意味深である。
映像はトーンを落とした色調で撮られており、精神病院が舞台という冷たい雰囲気を出していた。
マイケルを演じたグザヴィエ・ドランは監督として認識していたけど、ネットで見ると最近は役者づいているんだ。彼の熱演が光った。
「エレファント・ソング(2014)」のストーリー
マイケル(グザヴィエ・ドラン)は美しい青年だった。14歳の時、オペラ歌手である母が目の前で自殺し、それから現在まで精神病院に入院している。病院で一番の問題児とされている彼は、ゾウにまつわるあらゆることに異常なまでの執着を示した。ある日、担当医のローレンスが失踪。手がかりを知るのはマイケルだけ。彼のことをよく知る看護師長ピーターソン(キャサリン・キーナー)は“マイケルは茶化すだけで真実を話さない”と助言するが、院長のグリーン(ブルース・グリーンウッド)は事情聴取を試みる。すると、話をする代わりに、と彼は条件を提示してきた。それは、“1.僕のカルテを読まないこと。”、“2.ご褒美にチョコレートをくれることを約束すること。”、“3.看護師長をこの件から外すこと。”グリーンはその条件を承諾するが、マイケルはゾウやオペラについての無駄話で話をそらすばかり。“母を殺した”、“ローレンス医師から性的虐待を受けていた”など、嘘か本当かわからないようなことを仄めかす。いつしかグリーンは、マイケルの巧妙な罠に取り込まれてゆくが……。
「エレファント・ソング(2014)」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「エレファント・ソング(2014)」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | ドラマ |
製作国 | カナダ |
製作年 | 2014 |
公開年月日 | 2015年6月6日 |
上映時間 | 100分 |
製作会社 | Melenny Productions |
配給 | アップリンク |
レイティング | |
アスペクト比 | シネマ・スコープ(1:2.35) |
カラー/サイズ | カラー/シネスコ |
音量 | 5.1ch |
公式サイト | http://www.uplink.co.jp/elephantsong/ |
コピーライト | (C) Sébastien Raymond |
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