解説
女優の桃井かおりが「無花果の顔」以来、10年ぶりに主演兼任で手掛けた長編監督第2作。原作は芥川賞作家・中村文則の短編『火』。アメリカで暮らす精神科医の真田は、幼い頃に火災で家族を亡くした女性の問診を続けるうちに、その話に引き込まれてゆく。2016年開催の第66回ベルリン国際映画祭フォーラム部門でワールドプレミア上映された。
この作品のレビュー
映画専門家レビュー
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「火 Hee」のストーリー
アメリカでクリニックに勤める精神科医の真田はある日、家族とショッピングに出かけた先のエレベーターで、1人の女性と出会う。その声が脳裏に響き渡り、彼女とクリニックで問診する様子を妄想する真田。しかし彼女の話は、真田の想像を超える壮絶なものだった。幼い頃に自宅の火災で両親を亡くし、学校ではイジメを受け、結婚した後も夫の浮気に直面。離婚してからは、アメリカで売春しながら借金生活を送っているという。その話に登場する男たちに次々と自分を重ね合わせ、次第に引き込まれてゆく真田。だが、彼女の話はさらにエスカレートし、やがて思いもよらない方向へ向かってゆく……。
「火 Hee」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「火 Hee」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | ドラマ |
製作国 | 日本 |
製作年 | 2016 |
公開年月日 | 2016年8月20日 |
上映時間 | 72分 |
製作会社 | 吉本興業、チームオクヤマ |
配給 | KATSU-do |
レイティング | 一般映画 |
アスペクト比 | シネマ・スコープ(1:2.35) |
カラー/サイズ | カラー/シネスコ |
音量 | 5.1ch |
公式サイト | http://hee-movie.com/ |
コピーライト | (C)YOSHIMOTO KOGYO、チームオクヤマ |
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