きらめく拍手の音

きらめくはくしゅのおと GLITTERING HANDS
上映日
2017年6月10日

製作国
韓国

制作年
2014
上映時間
80分

レーティング

check解説

これが初の劇場公開作となるイギル・ボラ監督が、耳の聞こえない両親の日常を温かな眼差しで見つめたドキュメンタリー。互いに耳の聞こえない2人が出会って結婚。2人の子どもが生まれるが、耳の聞こえない夫婦にとって、育児は苦労の連続だった……。山形国際ドキュメンタリー映画祭2015で、アジア千波万波部門特別賞を受賞した。2017年4月16日、下高井戸シネマにて開催された特集企画『優れたドキュメンタリー映画を観る会 vol.33"夏の嵐のあとに" 』にて先行上映。
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この作品のレビュー

映画専門家レビュー

  • 映像演出、映画評論
    荻野洋一
    ろうあの両親を長女がカメラで記録する。そこでは2つの事柄が並存し、ぶつかっている。聴覚/非聴覚。外の世界を見たいという遠心力/両親と弟にとって良き娘、姉でありた... もっと見る
  • 脚本家
    北里宇一郎
    障がい者のドキュメントというより、自分の両親を記録し伝えようという作品。それゆえか気どりがない。聾夫婦がただそこにいる。この当たり前の感覚がよくて。障がい者の家... もっと見る
  • 映画ライター
    中西愛子
    耳の聞こえない父母の日常と家族の物語を、韓国の若き監督が娘の目線でとらえたドキュメンタリー。監督のイギル・ボラは、子どもの頃から“両親はろう者です&... もっと見る

「きらめく拍手の音」のストーリー

サッカー選手を目指した青年が、ある日、教会で出会った美しい娘に一目惚れ。青年と娘はやがて夫婦になり、2人の子どもを授かった。慎ましく暮らすどこにでもある家族だったが、他と少し違うのは、夫婦は耳が聴こえず、その子どもたちは聴こえるということ。泣き声が聴こえず、片時も目をはなせない育児は大変な苦労だった。子どもたちには、幼いころから手話通訳をさせたばかりでなく、理不尽な差別で悩ませてきた。それでも夫婦は、子どもたちを明るく愛情いっぱいに育てた。両親と一緒に夜、たい焼きを売りに行った子ども時代。子どもたちがお客に料金を告げ、お金を受け取っていた。小学校では、同級生からいじめも受けた。電話が必要なときには、親の代わりに子どもたちが電話をかけ、メモを見ながら知らない大人に要件を伝えた。そして、高校進学後、学校を中退して旅に出たいと娘が主張した時の驚き……。早く大人になろうとした自立心あふれる姉と弟のきょうだいは20代になり、親から離れる時期を迎えている。外の世界を知ることで、音のない世界と音であふれる世界の間にいる自分たちを徐々に受け入れてきた。耳の聴こえない両親に対する配は尽きないが、自分の将来についてそれどころではない。聴こえない人たちは、時に手をたたく代わりに手のひらを高くあげてひらひらときらめかせる。それは、もうひとつの世界へといざなう音のない拍手なのだ。

「きらめく拍手の音」のスタッフ・キャスト

スタッフ
キャスト役名

「きらめく拍手の音」のスペック

基本情報
製作国 韓国
製作年 2014
公開年月日 2017年6月10日
上映時間 80分
配給 ノンデライコ
レイティング
アスペクト比 16:9
カラー/サイズ カラー
音量 ステレオ
公式サイト http://kirameku-hakusyu.com/

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