解説
チャールズ・ポーティスの小説を「5枚のカード」のマーゲリット・ロバーツが脚色「サハリ!」のヘンリー・ハサウェイが監督した西部劇。撮影は「エルダー兄弟」のルシエン・バラード、音楽はエルマー・バーンスタイン、美術はウォルター・タイラーが担当した。出演はジョン・ウェイン、歌手のグレン・キャンベル、新星キム・ダービーほか。製作はハル・B・ウォリス。
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2025年5月2日放送
NHK BSプレミアム
この作品のレビュー
ユーザーレビュー
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89bubble93
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ミャーノフ大佐
1969年の映画。代表的な西部劇の中の1本。すでにアメリカン・ニューシネマが台頭してきており、話題作がどんどん出てきている時代だ。
出演者にキム・ダービー、ロバート・デュヴァル、デニス・ホッパーが出ているのにびっくり。
キム・ダービーはこの翌年に「いちご白書」に出演しており、ロバート・デュヴァルは前年に「ブリット」、翌年に「M★A★S★H マッシュ」、そして1972年には「ゴッドファーザー」に出演、そしてデニス・ホッパーは同じ年にあの「イージー・ライダー」をつくっている。彼らはまさにアメリカン・ニューシネマを代表する作品に関わっている。
この映画もアメリカン・ニューシネマの影響を受けてか、ストリー展開もインディアンを悪者とすることなく、また、キム・ダービー演じるマティを、活発で聡明な女性として、敵を追う役として描いている。従来であれば、活発な女性は出てくるが、犯罪者を追うのは男だった。一方、ジョン・ウェイン演じるコグバーンは従来の男性像で描いている。まあ、ジョン・ウェインだから仕方ないか。映画の最後、粗野だが心優しいジョン・ウェインがキム・ダービーを助け、キム・ダービーがジョン・ウェインに「死んだら家族の墓に一緒にするわ。」となる。新旧勢力の和解というところか。
これでジョン・ウェインはアカデミー賞主演男優賞を取っているが、特別、演技がずば抜けていたわけではない。むしろキム・ダービーの存在感が際立った。「いちご白書」ではそれほど存在感は無かったのに。まあ、この頃のアカデミー会員は古い人達がほとんどだったろうから。
「勇気ある追跡」のストーリー
1880年代のアーカンソン州。マティ(キム・ダービー)は両家の子女にも似ず、気の強い、だが、かわいい少女だった。そんな彼女の父親が、雇人のトムに殺された。マティはためらわず復讐を決意。といっても、1人では、とても無理。そこで雇ったのが大酒飲みで片目のコグバーン(ジョン・ウェイン)と、若くてハンサムなテキサス・レンジャーのラ・ボーフ(グレン・キャンベル)だ。3人は出発した。だが、個性の強い3人ゆえ、平和な道中ではない。特に男2人は反揆し合い、ののしり合う。だが、互いに相手が気骨ある男だということは、分かった。インディアン地区で、マティがトムに捕まえられた。助け出したのはラ・ボーフ。そこへ現れたコグバーン。馬に乗り、手綱をくわえ、拳銃を乱射しながら一味の中へ。だがラ・ボーフがトムに撃たれ、瀕死の重傷。その情景を見たマティが、トムに1発、2発と狙う。しかしながら慣れない銃の扱い。反動で、ガラガラ蛇のいる穴に落ちてしまった。コグバーンはトムを殺し、マティを助け出す。瀕死のラ・ボーフの手を借りて。だが、その直後、ラ・ボーフは息絶えた。コグバーンは、毒蛇にかまれたマティをかつぎ、医師のもとへ大疾走。何頭もの馬を乗りつぶし荒野をひた走る。やがてマティは回復し、命の恩人のコグバーンをみる。だが彼は相変わらずの大酒飲みでヤクザな男だ。それでもいいではないか。だって彼は、死んでしまったラ・ボーフとともに、マティのために、真実の勇気をみせてくれたのだから。
「勇気ある追跡」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「勇気ある追跡」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | 西部劇 |
製作国 | アメリカ |
製作年 | 1969 |
公開年月日 | 1969年6月21日 |
上映時間 | 129分 |
製作会社 | パラマウント |
配給 | パラマウント |
レイティング | 一般映画 |
カラー/サイズ | カラー |
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