解説
家族に看取られ穏やかに亡くなっていくことを目指す『在宅死』に焦点を当てたドキュメンタリー。東大病院の名外科医・小堀鷗一郎が、最後に取り組む在宅の終末期医療現場に密着。一人ひとりの人生の終わり、様々な難問と向き合い、医療に何ができるのかを問う。監督・撮影は、ディレクター、プロデューサーとして『NHKスペシャル』などを手がけてきた下村幸子。2018年度日本医学ジャーナリスト協会賞大賞を受賞したBS1スペシャル『在宅死“死に際の医療”200日の記録」に新たなエピソードを追加、再編集を施した劇場版。
映画館で観る
配信で観る
Blu-ray&DVDで観る
TVで観る
この作品のレビュー
映画専門家レビュー
「人生をしまう時間(とき)」のストーリー
80歳の小堀鷗一郎医師が診察を行うのは、老いや病気と向き合う人たちの家。自らミニパジェロのハンドルを握り、患者たちの家々を診て回る。週に一度、80歳以上の入院患者を回診。冗談を交えた気軽なおしゃべりをしているように見えて、患者の体調だけでなく自宅の暮らしや介護環境についてさりげなく聞き出していく。小堀医師の個人オフィスは、屋根裏部屋だ。狭く急な梯子を登る足取りは軽い。祖父は明治の文豪で医師でもあった森鷗外。かつて東大病院で年間千件以上の手術を執刀していた。在宅医療を始めたのは定年後、67歳の時だった。小堀医師が勤務する「堀ノ内病院」の在宅専門の医療チームは医師4人、看護師2人で、140人あまりの在宅患者を診ている。91歳の浅海冨子さんがストレッチャーに乗せられて自宅に帰ってきた。「お家ですよ、わかる?」看護師や医師の呼びかけに冨子さんは「わかります」と答える。冨子さんの掌には夫との思い出の写真。集まった家族は、話しかけ、目を凝らし、意思の兆しを読み取ろうとする。孫娘たちが冨子さんの体をさする。やがて、医師が酸素マスクを静かに取り外す。「おばあちゃんありがとう。お疲れ様でした」人生をしまう時間(とき)、人は、家族は、何を望むのか……。
「人生をしまう時間(とき)」の映像
「人生をしまう時間(とき)」の写真
「人生をしまう時間(とき)」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
---|
キャスト | 役名 |
---|

「人生をしまう時間(とき)」のスペック
基本情報 | |
---|---|
ジャンル | 社会派 |
製作国 | 日本 |
製作年 | 2019 |
公開年月日 | 2019年9月21日 |
上映時間 | 110分 |
製作会社 | NHK (制作:NHKエンタープライズ) |
配給 | 東風 |
レイティング | 一般映画 |
カラー/サイズ | カラー |
公式サイト | https://jinsei-toki.jp/ |
コピーライト | (C)NHK |
関連するキネマ旬報の記事
関連記事一覧 | |
---|---|
2020年2月下旬 キネマ旬報ベスト・テン発表特別号 | 2019年 第93回 キネマ旬報ベスト・テン&個人賞 文化映画ベスト・テン |
2019年10月下旬号 | REVIEW 日本映画&外国映画 「人生をしまう時間」 |
2019年10月上旬特別号 | UPCOMING 新作紹介 「人生をしまう時間(とき)」 |