グッドモーニングショーの映画専門家レビュー一覧

グッドモーニングショー

「遺体 明日への十日間」の君塚良一監督が生放送のワイドショーに携わるテレビマンたちの姿を活写するコメディー。朝の情報番組でメインキャスターを務める澄田真吾。番組の打ち切りや不倫発覚の危機に困惑する中、なぜか立てこもり犯の交渉役に指名され……。出演は「アゲイン 28年目の甲子園」の中井貴一、「海街diary」の長澤まさみ、「おかあさんの木」の志田未来、「S 最後の警官 奪還 RECOVERRY OF OUR FUTURE」の池内博之、「僕だけがいない街」の林遣都、「スキャナー 記憶のカケラをよむ男」の梶原善、「知らない、ふたり」の木南晴夏、「海難1890」の大東駿介、「ヒメアノ~ル」の濱田岳、「嫌な女」の吉田羊、「HERO」の松重豊、「すべては君に逢えたから」の時任三郎。
  • 映画評論家

    北川れい子

    なんとまァ、薄っぺらで安・近・短な人間“ころがし”コメディだろう。そもそもテレビ人間やワイドショーをおちょくること自体が今更って感じがするし、いや、それでもテレビを題材にするのなら、先般公開のアメリカ映画「ニュースの真相」「マネーモンスター」とは言わないまでも、スタジオ人種の罪と罰ぐらいはチラつかせて欲しかった。が自己チューの人物たちが、ただ時間に流されているだけで、落ち目キャスター中井貴一の演技もクドすぎる。途中でチャンネルを替えたくなる映画!!

  • 映画文筆系フリーライター、退役映写技師

    千浦僚

    面白かった。監督君塚良一には以前から悪い印象ない。まっとうに映画をつくろうとしている。本作は「俺たちニュースキャスター」風のコメディーかと思いきや「スクープ 悪意の不在」「破線のマリス」の問題系を継承する。「バイオレント・サタデー」「スピード」にあった映像による犯人へのブラフの応用もある。監督の過去作「誰も守ってくれない」と同様のネタも扱いつつそれを衆愚と切り捨てまいとする頑張りがある。仕掛けも結びも良いと思う。広く観られてほしい。

  • 映画評論家

    松崎健夫

    個人的な経験からも言えることだが、テレビの生放送の現場はまさに“戦場”。視聴率のためにどこまでやるべきなのか? という是非はさておき、本作ではこの“戦場”の様子を撮影や編集によって演出してみせている。例えば、〈手持ち〉+〈長回し〉で現場の臨場感を伝えつつ、〈手持ち〉+〈短いカット〉で現場のスピード感を表現していることが窺える。その緩急は、時に登場人物の人間関係の均衡をも表現して見せているのだが、願わくば全篇リアルタイム進行でも良かったように思う。

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