森山中教習所の映画専門家レビュー一覧

森山中教習所

真造圭伍の同名漫画を野村周平、賀来賢人のW主演で映画化。偶然同じ非公認教習所に通うことになったふつうの大学生・清高とヤクザの組員・轟木。高校の同級生でもある二人は、クセ者ばかりが集まる教習所で一風変わったひと夏を過ごすことになる。監督は「海のふた」の豊島圭介。共演は「ピンクとグレー」の岸井ゆきの、「シュトルム・ウント・ドランクッ」の寺十吾、「俳優 亀岡拓次」の麻生久美子、「お盆の弟」の光石研。
  • 評論家

    上野昻志

    顔のアップ大好き映画! たんにアップの数が多いとか、長すぎるというだけではない。通常のアップから、さらにカメラが仰角気味に寄っていったりするカットが何度もあるのだ。まるで、この顔、見て見て、とでもいうように。そんなに野村周平クンの顔が好きなのか。確かに、彼は誰からも嫌われそうもない、ノーマルな顔をしているよ。だからって、作り手の思い入れで見せられては辟易するしかない。話の細部では面白いところもあるのだが、これでは、★一つ減点するしかないね。

  • 映画評論家

    上島春彦

    こういう一見とりとめない映画、ダメな人は全面拒否だろうが私は大好き。東〇ガスの放映中止CMでの泣き演技で注目された女の子が、しょっぱなからゴーカイに泣いているのも注目。彼女を振った野村くんも、彼が通うもぐりの自動車教習所の一家も皆とりとめなく、気が短い人はいらいらするに違いない。だが一冊の官能小説を介して、もう一人の主人公賀来との運命の分岐点が語られる展開も優れており、かなり納得。原作が優秀なのか。日本版ケルアックってコンセプトなんでしょう。

  • 映画評論家

    モルモット吉田

    ナンセンスな世界に浸ることが出来れば楽しめるのだろうが、最初から最後まで筆者にとっては位相がズレたままで釈然とせず。横浜聡子的な自然とあふれ出る異物感ではなく、計算された緩さに乗れず。主役2人が変人を演じるには真面目すぎるのか野村の役は松ケンの様な弾け方が出来なければ厳しい。雰囲気のある木造校舎の教習所も、やくざもそれぞれが点として存在しているものの魅力的なつながりを見出だせず、免許の取得もどうでもいいと思えてくる。細部も含めて居心地が悪い。

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