22年目の告白 私が殺人犯ですの映画専門家レビュー一覧

22年目の告白 私が殺人犯です

韓国映画「殺人の告白」を日本でリメイクしたサスペンス。22年前に5人の犠牲者を出しながら、未解決のまま時効を迎えた連続殺人事件。その犯人を名乗る男が突如、記者会見を開き、告白本を出版。世間に一大センセーションを巻き起こしていくが……。出演は「僕だけがいない街」の藤原竜也、「3月のライオン 前編/後編」の伊藤英明。監督は「ジョーカー・ゲーム」の入江悠。
  • 映画評論家

    北川れい子

    ミステリーでいうところの“倒叙”もの形式を使い、犯人が名乗り出たところから、22年前の未解決事件が再び動き出す、という進行は成功している。自信たっぷり、妙に晴れ晴れと告白会見をする藤原竜也に、何か裏があることは誰が観ても分かることだし。連続殺人の再現映像や被害者遺族、マスコミ、そして警察側の動きも、自称“犯人”の目論見通り。が、肝心の大詰めが大失速!! ウダウダした説明台詞に演出も間延び、興覚めもいいところ。奥の手のトリックも後出しジャンケン。

  • 映画文筆系フリーライター、退役映写技師

    千浦僚

    藤原竜也氏が悪だか正義だか読めない配役の役者であるのは、シャマランがオカルティ(もしくはSF)な映画とそうでない映画を織り交ぜて繰り出してくるゆえに「ヴィレッジ」「ヴィジット」あたりを、えー、オチは幽霊か宇宙人じゃねーの? と思いながら観ることに似てる。その、どっちの可能性もあるなー、そしてまたまったく別のことも、というのを頭のなかに飼ったまま進行を見ているととにかく間がもつあの感じをひとりで醸す藤原氏。原作韓国映画の極端さには及ばぬが面白い。

  • 映画評論家

    松崎健夫

    韓国映画「殺人の告白」は〈復讐〉する理由を持つ人間を多角的に描いている点で異色の復讐劇だったが、本作では警察・被害者・犯人・マスコミなど事件に関わる人物たちの背景がより多角的に描かれ、ミステリ要素も加わっている点でオリジナルを超えている。捜査会議やイベント会場などのモブ場面や、時代考証に拘った美術や小道具の数々は勿論、異なる映像素材によって劇中の現実と劇中の現実で撮影された出来事への視覚的印象に変化を持たせるなど、細部にわたる演出が秀でている。

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