ReLIFE リライフ(2017)の映画専門家レビュー一覧
ReLIFE リライフ(2017)
漫画・小説配信サービス『comico』連載、アニメ化もされた同名コミックを実写映画化。27歳のニート・海崎新太は、リライフ研究所所員・夜明了からある実験に誘われる。それは、薬を飲んで体だけ若返らせ、もう一度高校生生活を送るというものだった。監督は「今日、恋をはじめます」の古澤健。人生に行き詰まった海崎を「四月は君の嘘」の中川大志が、彼が恋する女子高生を「青空エール」の平祐奈が演じる。
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映画評論家
北川れい子
記憶喪失に難病、タイムスリップ、とんでもカップルに学園王子がどうしたこうした等々、少女漫画系青春映画の臆面も無い設定には、いまや溜め息をつく気力もないのだが、レレ、この「ReLIFE リライフ」はつい身を乗り出して観てしまった。会社という組織の不条理さに馴染めず、ニートになった主人公が、1年だけ17歳に戻って高校生活を送るという話。むろん、ご都合主義的ファンタジーなのだが、社会人経験アリの主人公と現役17歳のギャップを含め、脚本が前向きで、キャラもみな愉快。
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映画文筆系フリーライター、退役映写技師
千浦僚
弾まない。限定期間人生リピートというSF的設定ゆえ映画のなかでの展開が枠組みの決まったところに帰着し、ディティールの面白さと折々に出てくる小テーマのエモさのみで勝負するしかなかったからか。あと、キラキラ映画全般について、女の子がターゲットの観客層だとしても主人公はやはり男よりも女、または女と男の描き方が等分、あるいは「タイタニック」の結末くらいに男が女に尽くす映画がウケるように思われる。とはいえ本作には人類愛と呼べるほどの誠実さがある。良い。
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映画評論家
松崎健夫
人生はやり直せない。だから、やり直すことを描いたタイムトラベル物やパラレルワールドを描いた作品に人は魅せられる。27歳の主人公同様、その頃の僕もまた思い描いていた未来とは異なる人生を歩んでいた。その人生を、本作では階段に例えている。登場人物たちが何かに迷う時、それはいつも階段で起こる。そして“人生の階段”を示すかのように、階段を登るカットを何度も挿入している。それゆえケツメイシの〈さくら〉をカバーした主題歌もまた〈やり直し〉ているのではないか。
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