バーフバリ 伝説誕生の映画専門家レビュー一覧

バーフバリ 伝説誕生

「マッキー」などテルグ語映画界で活躍するS.S.ラージャマウリ監督のスペクタクルアクション。村人に拾われ育てられたシヴドゥ。滝の上に向かった彼が出会った女戦士に協力し暴君が治める王国に乗り込んだところ、彼こそがこの国の王子であることを知る。CGを駆使し、親子三代に渡る数奇な運命を描く。インド映画として初めて全米映画興行収入トップ10入りを果たした。劇場公開に先駆け、第8回京都ヒストリカ国際映画祭にて上映された(上映日:2016年11月3日)。
  • 映像演出、映画評論

    荻野洋一

    インドのスペクタクル史劇。王の忘れ形見が市井で怪力青年に成長し、父から玉座を奪った伯父一族に対抗する貴種流離譚だ。序盤で主人公に滝登りをさせるという上昇運動の豪快な視覚化がみごとである。女性戦士と恋に落ちるプロセスもマサラ・ムービーならではの歌謡仕立てが薫り高く、主人公が初めて首都に乗りこんで民衆を味方につけていくシーンのカタルシスもすがすがしい。マイナーなテルグ語映画が映画大国インドを一躍制覇した点でも、主人公の名誉回復と重なる。

  • 脚本家

    北里宇一郎

    英米のファンタジー映画が食傷気味なんで、このインド産戦国絵巻は楽しめた。なんか、かつての無邪気な東映チャンバラみたいで。「黄金孔雀城」とかさ。中身も貴種流離譚だし。お馴染みの唄と踊りの趣向もピタリ、いいところにハマって心躍る。それよか、これでもかの大戦闘シーンの痛快さ。馬とともに数万の敵軍に向かって突撃、一撃、数十人の兵士を吹っ飛ばす。いやはや、張り扇の音がパンパン弾けるような威勢のよさ。ドラマ部分が重くならないのもいい。たまにはこういうのも。

  • 映画ライター

    中西愛子

    製作国インドと、アメリカでも大ヒットを記録。伝説の戦士バーフバリの3代にわたる運命をスペクタクルに描いた超大作。拾われた赤ん坊が成長し、美しい女戦士と恋をして、やがて自分の血筋の因縁深い過去を知ることになる怒濤の展開が、ドラマとミュージカルとVFXを駆使したアクションてんこ盛りで描かれていく。その重量級の濃さは間違いなく見応えはあるが、かなりお腹いっぱい。と思っていたら、なんと、これは“第一章”とのこと。体力のある時に、次作も観たいと思う。

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