バーフバリ 王の凱旋の映画専門家レビュー一覧

バーフバリ 王の凱旋

2016年にインド映画史上最高の興行収入を記録した「バーフバリ 伝説誕生」の続編となる歴史アクション。遥か昔に栄えたマヒシュマティ王国。自分が伝説の英雄バーフバリの息子だと知ったシヴドゥは、父の命を奪った暴君バラーラデーヴァに戦いを挑む。主演はインドで数々の映画に出演してきたプラバース。本作では主人公とその父の二役を演じている。
  • ライター

    石村加奈

    20年以上前、カルカッタの劇場で映画を観たとき、お祭り感覚に近いインド人の映画愛を肌身に感じた。本作もさぞや熱狂的に鑑賞されたのだろうと想像すれば、映画ファンとしては羨ましい限りだ。主人公バーフバリを筆頭に、男も女も老いも若きも、スーパーマン級にべらぼうに強い登場人物たちが、王座をめぐって繰り広げる死闘。そのスケールの大きさには(作中の)インド人でもびっくりするんだ! と新鮮に感じつつ、さすがはバーフバリ、最も驚くべきシーンではクールなのだった。

  • 映像演出、映画評論

    荻野洋一

    ヒンディー語映画(ボリウッド)の有力な対抗馬の一つテルグ語映画が、本2部作によって映画大国インドの筆頭に躍り出たらしい。在野育ちの青年の出世劇は、テルグ語映画の意欲そのものを表しているだろう。じつは主人公、宮廷の権力闘争に無頓着で、争いの発端は妻の権勢欲にある。歴史は女で作られる(笑)。だから単純な勧善懲悪ではない。2人の王子のどちらがより欲望に忠実に生きられるか。闘争に敗れた側の保護者が即位式にシレッと列席しているのも面白い。

  • 脚本家

    北里宇一郎

    お正月気分にぴったし! 前篇と同様、痛快丸かじりの物語展開。雰囲気が昂揚すると歌曲が入るその呼吸、演技の型が歌舞伎を彷彿させて。そう、まさに音楽劇のセンスでお話が綴られていくのだ。だからすこぶる歯切れよく、キメの画面には「いよっ!」と声をかけたくなる嬉しさ。今回は嫁姑の女の闘いも絡み、波乱に拍車をかける。終盤、残り時間15分。これで正邪の決着がつくのかしらとハラハラしたけど、疾風怒濤! あれよあれよの超快速テンポで、こちらは口あんぐり。いやあ愉快愉快。

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