コンフィデンシャル/共助の映画専門家レビュー一覧
コンフィデンシャル/共助
2017年上半期、韓国国内で動員数ナンバーワンヒットとなった刑事アクション。偽札組織に妻と仲間を殺された北朝鮮の刑事チョルリョンは、組織を追って韓国を訪れる。そして、韓国の庶民派ダメ刑事ジンテが、チョルリョンと共に捜査に当たるが……。出演は「王の涙 イ・サンの決断」のヒョンビン、「LUCK-KEY/ラッキー」のユ・ヘジン。監督は「マイ・リトル・ヒーロー」のキム・ソンフン。
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ライター
石村加奈
凸凹コンビが手を取り合わざるを得ない捜査を通じて、すっかり意気投合、めでたく事件も解決! という定番の刑事ドラマだが、緊迫のカーチェイス、アクションシーンに目を見張る(撮影監督は「チェイサー」のイ・スンジェ)。寡黙なヒョンビンの微笑みを際立たせるのは、相方ユ・ヘジンの滑稽さに尽きるが、普段はヘラヘラしていても、やる時はやるぜ! 的な“韓国の熱血刑事”としてはキャラクターが弱い。義妹役で銀幕デビューを果たした少女時代のイム・ヨナの使い方も勿体ない。
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映像演出、映画評論
荻野洋一
「シュリ」「JSA」が製作された二千年代初頭までは、北朝鮮を映画にすることは“ここまでやっていいのか?”というタブーに対する挑戦だった。「太陽の下で」で脱北者の日常までがドキュメントされた現在、北朝鮮という主題はカルチャーギャップコメディに回収されたと本作は冷徹に言い立てる。もちろん核兵器開発やミサイル実験など、国際的緊張はいささかも弛んでいない。にもかかわらず韓国映画において「北」は、日本映画における戦国武将のタイムスリップと同格となった。
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脚本家
北里宇一郎
お馴染みのバディ・アクション。北朝鮮と韓国の刑事という組み合わせが興味津津。うだつの上がらぬデカに扮するのが「LUCK-KEY」で印象のユ・ヘジンなのが嬉しい。筋立てや見せ場は最近の韓国活劇のお約束どおりの展開で、新味はないがほどほどに楽しめた。ユの家族が絡むのも定番だが、そのせいか2時間超えの尺になったのは少し長い気が。韓国に亡命の悪党の論理に説得力があるのが皮肉な味わいで。幕切れにあった、韓国デカが北に出張の続篇(?)の方が面白そう。期待。
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