ロキシーの映画専門家レビュー一覧

ロキシー

「ダイバージェント」シリーズのゾーイ・クラヴィッツが主演を務めるクライム・ラブストーリー。ギャングの金を隠していると疑われ、逃げ場を失った女ロキシー。偶然彼女を助けたヴィンセントの故郷の町に身を潜めるが、二人を追うギャングが迫ってくる……。共演は「ジェーン・ドウの解剖」のエミール・ハーシュ、「エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に」のゾーイ・ドゥッチ、「ブルックリン」のエモリー・コーエン、「きみといた2日間」のスコット・メスカディ。監督・脚本は、新鋭ゲイリー・マイケル・シュルツ。
  • 翻訳家

    篠儀直子

    ノーマークのところから急にものすごい映画が出てきてほんとうに驚いている。「よくできた映画」などでは全然ない、ひどくいびつな映画なのだが、ひとつひとつのショットに、およびその連鎖に興奮させられる。これは明らかに、ものすごくたくさんの映画を観てきた人が撮った映画(引用だらけという意味ではない)で、ずっと監督を続ける人かどうかはわからないが、できれば次回作も観てみたい。「内なるロキシーを抱えた女性たちに捧ぐ」的な言葉が、エンドロールに出てくるのも好き。

  • 映画監督

    内藤誠

    アメリカン・ニューシネマにオマ―ジュを捧げて作られているので、映像、音楽ともに懐かしいB級感覚。が、冒頭の黒いバッグの印象的な撮り方を見れば、金は誰が持っているか分かるので、主人公の男女が広いアメリカを逃げ回る話かと思いきや、男の故郷の町に定住してしまう。男の兄夫婦が魅力的で、落ち着くのだ。エミール・ハーシュとゾーイ・クラヴィッツの心の動きは演技によく出ていて、観客もいつのまにか、そこで平和に暮らせればと思う。恐るべきクライマックスは騙された気分に。

  • ライター

    平田裕介

    悪事に手を染めたり、暴力に頼ると、待ち受けるのは破滅。そんな教訓を乾いたタッチで伝えたいようだが、物語の起伏となる濃いエピソードがあるわけでもなく、そうしたスイッチとなるキャラがこれといっているわけでもなく。それでいて、「タクシードライバー」を意識しまくったドンパチで強制終了させるので、結局はバイオレンス映画を撮りたかっただけかと突っ込みたくなる。でも、B級アクションと捉えれば楽しめる。E・ハーシュが痩せたジャック・ブラックに見えてしかたなかった。

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