50回目のファーストキス(2018)の映画専門家レビュー一覧
50回目のファーストキス(2018)
アメリカ映画「50回目のファースト・キス」を原案にしたラブストーリー。ハワイのオアフ島でツアーガイドとして働く大輔はある日、カフェで瑠衣という女性と出会い、恋に落ちる。だが、彼女は記憶が一日でリセットされる事故の後遺症を負っていた……。出演は「ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章」の山田孝之、「嘘を愛する女」の長澤まさみ。監督は「銀魂」の福田雄一。
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映画評論家
北川れい子
毎回、人物たちを迷走、暴走させている福田監督が、よもやハリウッド映画の焼き直しのラブ・コメを撮るとは思わなかったが、それはともかく、あまりに他愛なさすぎて、あれこれ言う気も起こらない。一日で記憶がチャラになる彼女と、そんな彼女に恋をしたチャラ男。長澤まさみも山田孝之も。休暇で遊びに来たハワイでちょっと映画に出ちゃいました的な演技で、毒にもクスリにもならない。ま、脚本のせいでもあるのだろうが。この映画からハワイを取ったら何が残るのだろう。
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映画文筆系フリーライター、退役映写技師
千浦僚
面白かったし、長澤まさみの伸びやかな白い脚や肩ひもの日焼け跡がうっすら見える胸乳まわりにこちらの網膜と脳髄を心地よく灼かれる思いもし、彼女単体の魅力、ことに健康的でさわやかな色気は元ネタ映画のドリュー・バリモアを超え、山田孝之もアダム・サンドラー路線の存在感を出している、と思うものの映画全体の構想やキメの場面などが原作「50回目のファースト・キス」を一歩も出ておらず、くすぐりもウザい。これは字幕読むのが面倒な人のための抄訳的翻案ではないか。
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映画評論家
松崎健夫
映画の中で長澤まさみが1日で記憶を失くすことと相反するように、観客は過去作のことを忘れていないという構造を持っている。つまり、最初からストーリーのわかっている本作においては“同じことを繰り返す”ことこそが重要なのだ。そのことが、ヒロインを取り巻く周囲の〈変化〉や描き方の〈変化〉をも重要にさせている。山田孝之のマシンガントークはもちろん、ハリウッド版を踏襲させた大賀の演技アプローチが秀逸。季節の変化を考慮してハワイロケを踏襲した英断も評価したい。
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