わたしに××しなさい!の映画専門家レビュー一覧

わたしに××しなさい!

遠山えまによる同名コミックを原作に「PとJK」の玉城ティナ×「曇天に笑う」の小関裕太のW主演で実写化。とある秘密を握られたことで雪菜から恋のミッションを受け続けることになった学園一のモテ男・時雨。その過激ミッションは次第にエスカレートし……。共演は「恋と嘘」の佐藤寛太、「ミスミソウ」の山田杏奈、「ナラタージュ」の金子大地。脚本を「真白の恋」の北川亜矢子、音楽を「インストール」のRita-iotaが担当。監督・脚本は「グッモーエビアン!」「猫なんかよんでもこない。」の山本透。
  • 映画評論家

    北川れい子

    好奇心を煽る伏せ字のタイトルについ乗ってしまう人もいるだろうが、何のことはない、手を替え品を替え作られている胸キューン系のラブコメの変型版で、もう勝手に××していれば! 恋愛とは無縁の女子高生のウェブ作家が、恋愛小説を書くために仕かけたヤラセの恋。高圧的な態度で標的(!?)にアレコレ命令する彼女の内心の不安が見せどころなのだろうが、ウソの恋が本気にというミエミエの展開もおママゴト並。映画化権を賭けたライバル作家との公開バトルにも××しちゃう。

  • 映画文筆系フリーライター、退役映写技師

    千浦僚

    私という四十過ぎのふたりの子持ちのハゲオヤジが継続的に延々とキラキラ青春恋愛映画を観続けさせられて何になる、でもやるんだよ!と今月も観たこの系統。文芸と実体験反映に関するヘミングウェイ的アプローチを恋愛小説と恋愛でやるような構造が面白くなくはないし既にテレビドラマ版が作られていたそうでそのスタッフキャストそのままという縛りもプラスに働いているだろうと思う。クライマックスは小説速書きバトルを題材とした近未来SF「決戦!プローズ・ボウル」みたい。

  • 映画評論家

    松崎健夫

    恋愛経験ゼロの主人公が恋愛小説執筆のために恋をしてみるという姿は、例えば「殺人を知らなければミステリーが書けないのか?」という命題と同様のように思える。ところが本作は「実体験に勝るモチーフはない」と描くことで、奇しくも恋愛パターンを解析するという構成になっている。脚本・北川亜矢子の特徴のひとつである“御伽噺や童話の引用”が活かされつつ、階段の上下という位置関係によって、パワーバランスやヒエラルキーといった人間関係を視覚化させている点も一興。

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