椎名桔平 シイナキッペイ

  • 出身地:三重県上野市(現・伊賀市)
  • 生年月日:1964/07/14

略歴 / Brief history

三重県上野市(現・伊賀市)の生まれ。本名・岩城正剛。小学校3年生よりサッカーを始め、高校時代には三重県代表として国体に出場した経験を持つ。青山学院大学経営学部に進学後もサッカーを続けていたが、スポーツ用品のCMに出演したことがアマチュア規定に触れたため、サッカーを辞めて俳優の道を志す。知人の紹介で芸能事務所に所属し、本名で映画、テレビドラマ等に端役出演。寺田農の付き人をつとめたり、中小のタレント事務所、劇団新宿梁山泊などを転々としたのち芸名を“椎名桔平”と改めて、1992年の富岡忠文監督「湾岸バッド・ボーイ・ブルー」の主人公と敵対する不良グループのリーダー・菊地田役で、本格的な俳優デビューを飾る。翌93年には石井隆監督「ヌードの夜」で根津甚八の凶暴な舎弟・仙道を熱演し、高崎映画祭新人男優賞を受賞。その後も石井作品には続けて起用され、「夜がまた来る」94では夏川結衣演じるヒロイン・名美をいたぶるやくざの柴田、「GONIN」95では暴力団から現金強奪を企てる5人組のひとりで金髪の元ボクサー・ジミー、「黒の天使 Vol.1」98では葉月里緒菜(現・里緒奈)演じる主人公の女ヒットマンを陰で操る悪徳刑事の恩田にそれぞれ扮した。95年の三池崇史監督「新宿黒社会/チャイナ・マフィア戦争」で中国残留孤児二世の刑事役を演じ、映画初主演。すずきじゅんいち監督「女帝」95ではヒロインの料亭の女将を株式売買に走らせるエリート証券マン役で、“静”の演技でも魅力を発揮する。以後も、大森一樹監督「わが心の銀河鉄道・宮沢賢治物語」96、「ジューンブライド・6月19日の花嫁」98、大林宣彦監督「SADA/戯作・阿部定の生涯」98、李志毅監督「不夜城」98、渡辺武監督「なで肩の狐」99、前田和男監督「発熱天使」99、小林政広監督「海賊版=BOOTLEG FILM」99などベテラン監督から新鋭まで、大作・小品にかかわらずさまざまな作品に出演し、野性味と色気を併せ持った俳優として人気を獲得していく。99年の原田眞人監督「金融腐蝕列島・呪縛」では、腐敗した大銀行を立て直すべく立ち上がる4人の銀行マンたちのひとり、片山を演じ、騒乱の中で冷静に行動しつつも気骨を見せる男の矜持を体現。キネマ旬報賞、報知映画賞など多数の映画賞で助演男優賞を受賞する高い評価を受けた。それらと並行してテレビドラマでも活躍。NHK連続テレビ小説『春よ、来い』94、フジテレビ『いつかまた逢える』95、テレビ朝日『BLACK OUT』95などに出演したのち、フジテレビ『Age,35/恋しくて』96の田中美佐子演じる主婦と不倫の恋をする陶芸家の役で、一躍脚光を浴びる。その後も、NHK『カンパニー』96、フジテレビ『ドク』96、『オーバー・タイム』99、TBS『スウィートシーズン』98、日本テレビ『お熱いのがお好き?』98、テレビ朝日『恋愛詐欺師』99などで重要な役どころを演じ、リストラされて精神的に崩壊していくサラリーマン役を熱演したフジテレビ『彼女たちの時代』99、児童虐待の重たいテーマに挑んだ日本テレビ『永遠の仔』00、辛党で甘いものが苦手な洋菓子店のオーナーという風変わりな役を演じたフジテレビ『アンティーク・西洋骨董洋菓子店』01などが評判となった。その間の98年に出演した日清食品『ラ王』のCMでは全裸でカップラーメンを食べる後ろ姿を披露し、お茶の間に強烈なインパクトを与える。以降も、堤幸彦監督「溺れる魚」01、田中光敏監督「化粧師」02、蜷川幸雄監督「嗤う伊右衛門」04、大谷健太郎監督「約三十の嘘」04、根岸吉太郎監督「雪に願うこと」06などで多彩な役柄を演じ、2002年の崔洋一監督「刑務所の中」では、本名でプロデューサーも兼務した。近年も、蜷川実花監督「さくらん」07の土屋アンナ演じる花魁に求婚する武士役などの二枚目から、鴻上尚史監督「恋愛戯曲・私と恋におちてください。」10のわがままな脚本家に振り回される頼りないテレビプロデューサー役のような軽めの芝居、樋口真嗣監督「隠し砦の三悪人/THE LAST PRINCESS」08の覇権拡大を狙う侍大将・鷹山刑部役のような悪役まで、幅広くこなしている。テレビドラマはほかに、NHK『トップセールス』08、日本テレビ『銭ゲバ』09、TBS『GM/踊れドクター』『SPEC/警視庁公安部公安第五課未詳事件特別対策係事件簿』10、フジテレビ『コード・ブルー/ドクターヘリ緊急救命』10、『謎解きはディナーのあとで』11など多数。03年、『BLACK OUT』「不夜城」で共演した山本未來と結婚した。

椎名桔平の関連作品 / Related Work

作品情報を見る

  • 罪と悪

    制作年: 2023
    「水は海に向かって流れる」の高良健吾主演、22年前の罪と向き合う男を演じたサスペンス。13歳の正樹が殺され、同級生たちはある老人が犯人と決めつけ、1人が老人を殺害し家に火を放った。22年後、正樹と同じ場所で少年の遺体が見つかり、かつての同級生たちが再会する。井筒和幸監督や岩井俊二監督、武正晴監督、廣木隆一監督等の作品で助監督を務めてきた齊藤勇起が自ら書いた完全オリジナルの脚本で初監督。闇の仕事も請け負う建設会社を経営する春を高良健吾が、警察官の家庭に育ち自らも捜査一課の刑事となった晃を「草の響き」の大東駿介が、家業の農業を継ぎ弟の面倒も見ている朔を「あしやのきゅうしょく」の石田卓也が演じる。
  • 仕掛人・藤枝梅安2

    制作年: 2023
    池波正太郎の時代小説『鬼平犯科帳』『剣客商売』とともに人気の高いシリーズを映画化する第一弾。人の命を救う「鍼医」と人を殺める「仕掛人」という二つの顔をもつダークヒーロー・藤枝梅安が、江戸ノアールの世界で活躍する。清濁あわせのむ矛盾した存在・梅安を演じるのは、「必死剣 鳥刺し」「ミッドウェイ」の豊川悦司。相棒の彦次郎を片岡愛之助が演じる。同じく池波原作である「雨の首ふり坂」の大森寿美男が脚本を書き、河毛俊作が監督。2月3日公開の「仕掛人・藤枝梅安」に続く二作目は、一ノ瀬颯、椎名桔平、佐藤浩市らが出演。
  • 沈黙のパレード

    制作年: 2022
    東野圭吾原作、福山雅治主演のミステリー『ガリレオ』シリーズ劇場版第3弾。以前草薙刑事が担当した事件で完全黙秘し無罪となった蓮沼が、再び女子学生殺害事件の容疑者となり黙秘を貫き釈放されたが、何者かに殺され、女子学生の関係者は一様に口を閉ざす。劇場版の前2作「容疑者Xの献身」「真夏の方程式」に続き、監督・西谷弘と脚本家の福田靖がコンビを組む。湯川のバディ的存在の刑事・内海薫役の柴咲コウと、湯川の親友で内海の先輩刑事である草薙俊平役の北村一輝が再集結。他、椎名桔平、檀れい、吉田羊ら豪華キャスト陣が共演。主題歌を福山雅治と柴咲コウによるユニットKOH+が担当。
  • バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版

    制作年: 2022
    世界的探偵小説『シャーロック・ホームズ』シリーズを原案とし、ディーン・フジオカ演じる誉獅子雄(ほまれししお)と、岩田剛典演じる若宮潤一(わかみやじゅんいち)が、唯一無二の名探偵バディとして数々の難事件を解決するフジテレビ系月9ドラマ『シャーロック』の劇場版。ホームズシリーズ最高傑作と呼び声の高い『バスカヴィル家の犬』をモチーフに、華麗なる一族の闇に獅子雄と若宮が迫る。ドラマの魅力的なキャラクター、テンポの良いスタイリッシュな演出、美しい映像はそのままに、映画ならではの重厚感をもたらすのは「容疑者Xの献身」「昼顔」などの西谷弘監督。徐々に忍び寄る恐怖が、やがて画面を覆いつくす、本格心理スリラー。
  • 愛なき森で叫べ

    制作年: 2019
    「自殺サークル』、「愛のむきだし」、「ヒミズ」など、独自の作風で刺激的な作品を発表してきた園子音監督が、Netflixオリジナル映画として描くサスペンススリラー。シッチェス・カタロニア国際映画祭2019 ニュー・ビジョンズ部門への正式出品。2019年10月11日(金)よりNetflixにて配信。
  • 走れ!T校バスケット部

    制作年: 2018
    実話を基にした松崎洋による同名小説を「覆面系ノイズ」の志尊淳主演で映画化した青春ドラマ。バスケットボールの強豪校で活躍するもいじめに遭い自主退学した陽一。失意のままT校に編入した彼が、連戦連敗の弱小バスケ部の仲間と出会い、共に全国大会を目指す。監督は「青夏 きみに恋した30日」の古澤健。挫折した元エースを志尊淳が、主人公と恋のライバルになるT校バスケット部キャプテンを「青夏 きみに恋した30日」の佐野勇斗が、同部マネージャーを「銀魂」シリーズの早見あかりが演じる。バスケットボール元日本代表の半田圭史が技術監修している。
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