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略歴 / Brief history
熊本県八代市で生まれ、1歳から大阪で育つ。本名・米村喜洋。府立工業高専を中退後、大阪放送劇団付属研究所に9期生として入る。その後は大阪を拠点に、NHK連続テレビ小説『鮎のうた』79や、舞台に多く出演。1981年、井筒和幸監督「ガキ帝国」で不良グループの一員を演じ、ゲリラ撮影が行なわれた電車内での大乱闘シーンが話題となった。NHK『よーいドン』82、『都の風』86、テレビ朝日『必殺』シリーズなどで端役を演じたのち、大阪ロケのリドリー・スコット監督「ブラック・レイン」89で、松田優作演じるやくざ・佐藤の子分である吉本役に選ばれる。その存在感に目をつけた香港映画界から声がかかり、ジョン・ウー監督「ハード・ボイルド/新・男たちの挽歌」92、ジェフ・ラウ監督「フル・ブラッド」94などに出演。チョウ・ユンファら香港のスターと共演して、やくざのボスや殺し屋を迫力たっぷりに演じた。国内でも、阪本順治監督「王手」91などでコミカルな一面も見せて徐々に頭角を現し、崔洋一監督「月はどっちに出ている」93の主人公・岸谷五朗の同僚のタクシー運転手役など、強面ながらユーモアやペーソスにあふれた芝居もこなす器用なバイプレイヤーとして評価が高まっていく。97年、河瀬直美監督「萌の朱雀」に主演。以降も阪本、崔、豊田利晃、三池崇史らに好んで起用され、やくざ、軍人、刑事などを中心に男臭い役柄を多く演じる。2008年の窪田崇監督「イエスタデイズ」では余命わずかな父親役で主演し、理想の父を体現する役柄も増えた。テレビドラマはほかに、フジテレビ『合い言葉は勇気』00、『人間の証明』04、NHK『芋たこなんきん』06、『行列48時間』09、『カーネーション』11、TBS『あんどーなつ』08など多数。
國村隼の関連作品 / Related Work
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劇場版トリリオンゲーム
制作年: 2025小学館『ビッグコミックスペリオール』連載中の同名漫画(原作:稲垣理一郎・作画:池上遼一)を実写化し、2023年7月期に放送されたドラマの劇場版。原作の稲垣理一郎監修のもと、完全オリジナルストーリーで映画化。1兆ドルを稼ぐために起業したハルとガクは、日本初のカジノリゾート開発を目指し、これまで以上に難解な敵に立ち向かう。出演は「わたしの幸せな結婚」の目黒蓮、「六人の嘘つきな大学生」の佐野勇斗、「劇場版ドクターX」の今田美桜。100点 -
東京カウボーイ
制作年: 2023「福田村事件」の井浦新がアメリカ映画デビューを果たした人間ドラマ。商社マンのヒデキは米モンタナ州にある牧場の経営再建のために向かうが、東京の常識が通じず行き詰まる。牧場を手伝いカウボーイ文化に触れるうちに、ヒデキは人生を見つめ直していく。短編やミュージックビデオなどの監督やテレビドラマのプロデューサーなどを務め、山田洋次監督作「男はつらいよ 寅次郎心の旅路」の海外現場に参加したこともあるマーク・マリオット監督の初長編作品。脚本をNetflixシリーズ『忍びの家 House of Ninjas』のデイヴ・ボイルや、平成『ガメラ』シリーズ3部作のヒロインを務め、アメリカと日本に拠点を置き俳優・脚本家として活躍、本作にも出演する藤谷文子が手がけている。カウボーイ文化と出会うサカイヒデキを井浦新が、和牛専門家のワダを「哭声/コクソン」「ブラック・レイン」など国内外の作品に出演してきた國村隼が演じるほか、ドラマ『ハリウッド・チャンス!』シリーズのゴヤ・ロブレス、「完全なるチェックメイト」のロビン・ワイガートらが出演。 -
犯罪都市 NO WAY OUT
制作年: 2023マ・ドンソク主演のアクション「犯罪都市」シリーズ第3弾。ベトナムでの凶悪犯一斉検挙から7年、ソウル広域捜査隊に異動したマ・ソクトは、ある転落死事件の捜査中、背後に新種の合成麻薬と日本のヤクザが関わっているという情報を掴む。監督は、「犯罪都市 THE ROUNDUP」のイ・サンヨン。出演は、ドラマ『ヴィジランテ』のイ・ジュニョク、「ゴジラ-1.0」の青木崇高、「哭声/コクソン」の國村隼。 -
君たちはどう生きるか
制作年: 2023宮崎駿監督が少年時代に母から手渡された同名小説『君たちはどう生きるか』(吉野源三郎著)にインスパイアされ、オリジナルの物語に自身の少年時代を重ねた自伝的ファンタジー・アニメーション。舞台は宮崎監督の記憶の中に残る、かつての日本。母を戦火で失った11歳の少年・眞人(マヒト)は、父・勝一とともに東京を離れ、新たな母・夏子とともに庭園家屋で暮らし始める。眞人はそこでサギ男や屋敷に住む7人の老婆たち、漁師の女性・キリコなど魅力的なキャラクターにいざなわれ、生と死が混然となった不思議な世界へと分け入っていく。宮崎駿監督が2013年の「風立ちぬ」公開後に行った引退宣言を撤回し、2016年から7年の歳月を経て製作、ついに2023年に劇場公開された。公開前には、音楽は久石譲であること以外は、内容もキャスト・スタッフも明かされない宣伝戦略がとられた。日本公開から間をおかず世界各国で公開、2024年1月、第81回ゴールデングローブ賞の最優秀長編アニメーション映画賞受賞。さらに2024年3月、第96回アカデミー賞長編アニメ映画賞受賞。ジブリ作品のオスカー獲得は「千と千尋の神隠し」以来、21年ぶり2度目となった。78点