榊英雄 サカキヒデオ

  • 出身地:長崎県
  • 生年月日:1970/06/04

略歴 / Brief history

長崎県の生まれ。1995年の古厩智之監督「この窓は君のもの」で主演をつとめ、俳優としてデビュー。不自由なギプス姿の高校生・タロー役で、引っ越してしまうヒロインに恋心を伝えられないもどかしさを全身で体現した。その後も、崔洋一監督「犬、走る/DOG RACE」98、手塚眞監督「白痴」99などを経て、2001年、北村龍平監督「VERSUS」に主演。森の中で死者を次々と甦らせる不死身の男を荒削りながらも異様な迫力で演じきり、持ち前の身体能力の高さを活かして多彩なアクションも披露した。続いて主演した北村監督「ALIVE」03でも狂気と正気との間で激しく揺れる死刑囚を熱演。北村作品には以降も「あずみ」「荒神」03、「LOVEDEATH」07などに出演している。北村組出身の山口雄大監督のデビュー作「地獄甲子園」03では、殺人集団・外道高校の乱暴者・ほういちを怪演し、06年の亀井亨監督「楽園・流されて」では、バイタリティ豊かなヒロインとともに無人島に流された、何事にも中途半端な半人前の漁師のやるせない胸中を、時に情けないほど赤裸々に演じてみせ、俳優として大いに飛躍する。近年は俳優業に加え、監督業にも進出する。5人が競作したオムニバス「監督感染」03の一篇「終着駅の次の駅」などを手がけたのち、07年に「GROW/愚郎」で長篇デビュー。自殺志願の高校生と不良中年トリオとの交流を生き生きと綴り、その後も「ぼくのおばあちゃん」08、「誘拐ラプソディー」10、公開待機作の「トマトのしずく」と着々と作品を発表している。ジャンルは多岐に渡るが、人と人とのつながりの大切さを静かに謳う一貫した姿勢に評価も高い。テレビドラマにも多数出演し、代表作にBSフジ『医者と患者』01、テレビ朝日『科捜研の女』02、『スカイハイ』03・04、フジテレビ『アンフェア』06、NHK『風林火山』07、TBS『魔王』08などがある。06年、シンガーソングライターの橘いずみと結婚。

榊英雄の関連作品 / Related Work

作品情報を見る

  • 蜜月(2022)

    制作年: 2022
    俳優で「アリーキャット」など監督としても活動する榊英雄と「MOTHER マザー」の脚本家・港岳彦が組んだ人間ドラマ。美月は15年ぶりに現れた義弟から母の死を知らされ、夫との平穏な暮らしを守るため、心を病んだ母との愛憎から一線を越えた過去と対峙する。「ヒメアノ~ル」の佐津川愛美が過酷な家族環境下で懸命に生きる17歳の少女から秘密を抱えながら夫を愛する32歳の女性を、「淵に立つ」で第71回毎日映画コンクール女優主演賞を獲得した筒井真理子がトラウマを抱える母を演じる。
  • ハザードランプ

    制作年: 2022
    人生にハザードランプが点った男ふたりの満月の夜の物語。3年前の悲痛な事件をきっかけに、北陸の地方都市で代行ドライバーとして働く須貝は、突然現れた新人ドライバーの刈谷とコンビを組むことになる。様々な酔客を乗せて走る月明りの下、男たちの奇妙な因縁が浮かび上がる。監督・榊英雄×脚本・清水匡の「アリーキャット」「生きる街」コンビが完全オリジナルストーリーで映画化。主人公・須貝を安田顕、その相棒となる刈谷を山田裕貴が演じ、男たちの関係がサスペンスフルに、ユーモラスに、悲痛に、刻一刻と変化する。須貝の恋人・美乃梨役に松本若菜、謎の人物・ズーコに中村中が、二人の過去を握る人物を魅力的に演じているほか、運転代行会社の社長に石倉三郎、代行利用客に阿部純子、大和田伸也と津田寛治、六平直政と金田明夫など実力派が揃った。
  • 達人 THE MASTER

    制作年: 2021
    芸人・アキラ100%が本名の大橋彰名義で初主演を飾ったコメディ。両親を事故で亡くした静子は、豪邸で家政婦・奈津と二人で暮らしている。ある日、奈津が窓から落とした鉢が通りかかった男の顔を直撃し、記憶喪失に。二人は男の記憶を戻そうとするが……。出演は、「大綱引の恋」の安部萌生、「おもちゃ」の宮本真希。監督は、「こはく」の横尾初喜。脚本は、ドラマ『ダブルブッキング』の森ハヤシ。
  • アブノーマル・ロデオ・ブルース

    制作年: 2020
    ピンク映画をR15+バージョンで製作する大蔵映画のプロジェクト『OP PICTURES+』の1本。十代のころ、個性派俳優としてブレイク寸前だった日出男は、友人・光司が起こした事件をきっかけに引退。実家の自動車修理工場の三代目となったが……。監督は、「ファンシー」の廣田正興。出演は、「LAPSE」のアベラヒデノブ。テアトル新宿で開催される『OP PICTURES+フェス2020』で上映。