根岸季衣 ネギシトシエ

  • 出身地:東京都豊島区
  • 生年月日:1954/2/3

略歴 / Brief history

東京都豊島区の生まれ。本名・根岸俊恵。活発な演劇少女で、桐朋学園大学短期大学部に進み演劇を専攻。在学中から“嵯峨小夏”の芸名(“がさつな子”のアナグラム)を使って学外出演する。1974年頃からつかこうへいの劇団稽古場へ出入りして、大学を中退。75年につか作・演出の舞台『ストリッパー物語』の明美役に抜擢され、“根岸とし江”の芸名で主演する。これが大評判となって続演を重ね、姉妹編的な『ヒモのはなし』78にも出演。70年代のつかブームを牽引した。屈折した男女が激しく葛藤するつか作品での鋭い存在感は映画界でも早くから注目され、映画初出演は「新女囚さそり・701号」76の女囚役。藤田敏八監督「帰らざる日々」78、今村昌平監督「復讐するは我にあり」79などで好助演を続け、NHKのドラマ『愛さずにいられない』80から現在の芸名に改めた。83年、大林宣彦監督「時をかける少女」の教師役と、TBSのドラマ『ふぞろいの林檎たち』の主人公(中井貴一)の義姉役で広く知名度を得る。大林作品ではその後、「その日のまえに」08まで大半に顔を出す常連に。熊井啓監督「海と毒薬」86、黒澤明監督「夢」90、「八月の狂詩曲」91などを経て、針を振り切ったようにあらゆるジャンルの映画、テレビドラマに精力的に出演。がさつなおばさん、平凡な主婦、怪物的な老婆と七変化で演じ分けつつ、どれも地の人間味が滲み出る点に凄みを持つトップクラスの脇役女優である。81年に結婚した作詞家・大津あきらと97年に死別。歌手活動も行なっており、08年にバンドのメンバー・宇賀啓祐と再婚した。

根岸季衣の関連作品 / Related Work

作品情報を見る

  • 変な家

    制作年: 2024
    覆面ライター・YouTuber雨穴による人気動画『変な家』とその前身である同タイトルのウェブメディア記事を元にしたミステリー小説を映画化。売れないオカルト専門動画クリエイター・雨宮は、購入予定の家の間取りがおかしいとマネージャーから相談を受け……。監督は、『リーガル・ハイ』シリーズなど数々のドラマのチーフディレクターを務め、「ミックス。」など映画作品も手がけてきた石川淳一。オカルト専門の動画クリエイター・雨宮を「破戒」の間宮祥太朗が、雨宮と共に間取りの謎に迫る設計士・栗原を「さがす」の佐藤二朗が、鍵を握る宮江柚希を「地獄の花園」の川栄李奈が演じる。
  • サユリ(2024)

    制作年: 2024
    押切蓮介の漫画をホラーの鬼才・白石晃士が映画化。夢のマイホームに引っ越してきた神木家。ところが、少女の霊“サユリ”の呪いにより、家族が1人ずつ謎の死を遂げる。残された中学3年生の則雄と認知症の“ばあちゃん”は“サユリ”に復讐を挑むが……。出演は「ザ・ファブル」の南出凌嘉、「湖の女たち」の根岸季衣。
  • 湖の女たち

    制作年: 2024
    吉田修一による同名小説を「日日是好日」の大森立嗣監督・脚本で映画化。湖畔の介護施設で百歳の老人が殺された。事件を追う若手刑事・圭介とベテランの伊佐美。週刊誌記者・池田が過去の事件を探るなか、圭介は取り調べで出会った介護士・佳代と密会を重ねてゆく。出演は「旅猫リポート」の福士蒼汰、「夜、鳥たちが啼く」の松本まりか、「あの娘は知らない」の福地桃子。
  • ちひろさん

    制作年: 2023
    週刊漫画誌『Eleganceイブ』(秋田書店刊)で連載された同名の漫画を原作に、主演・有村架純&監督・今泉力哉で映画化。元風俗嬢の主人公・ちひろが、とある海辺の町の小さなお弁当屋さんで働きながら、心に傷や悩みを抱える人々と交流し、彼女の言葉や行動がそれぞれの生き方に影響を与えていく物語。とにかくマイペースで辛口の「ちひろさん」が、悩みを抱えて生きる現代の人びとに小さな生きる処方箋を与えてくれる。共演は、弁当屋の主人の妻・多恵に風吹ジュン、風俗店の元店長にリリー・ フランキーの他、若葉竜也、豊嶋花など。くるり・岸田繁が主題歌を書き下し、「かもめ食堂」「深夜食堂」などの飯島奈美がフードスタイリストを務めた。
  • スイート・マイホーム

    制作年: 2023
    神津凛子の小説現代長編新人賞受賞作を映画化。長野県に住むスポーツインストラクターの賢二は、家族のために一軒家を購入する。その住宅は地下に巨大な暖房設備があり、家全体を暖めてくれるという。だが、新居生活が始まると不可解な出来事が起こり始める。監督は、俳優業の傍ら「blank13」など映画監督としても活動する齊藤工。出演は、「ある男」の窪田正孝、「鋼の錬金術師」シリーズの蓮佛美沙子、「#マンホール」の奈緒。第25回上海国際映画祭GALA部門出品、第22回ニューヨーク・アジアン映画祭コンペティション部門出品作品。
  • りりィ 私は泣いています

    制作年: 2023
    2016年に64歳で亡くなった女優・シンガーソングライターのりりィに迫るドキュメンタリー。「ラヂオの時間」などの撮影監督・高間賢治が記録した『りりィ+洋士』による2013~15年のライヴ映像に、りりィと交流のあったゲストのインタビュー映像を追加した劇場版。出演はりりィ、齊藤洋士、「白鍵と黒鍵の間に」の高橋和也、「夜明けまでバス停で」の根岸季衣、1997年のTVドラマ『青い鳥』でりりィと共演した豊川悦司、りりィ出演作「リップヴァンウィンクルの花嫁」の監督・岩井俊二。