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ジャズピアノに魅了された者たちの熱い一夜を描いた『白鍵と黒鍵の間に』
2024年3月6日実力派俳優・池松壮亮が一人二役でジャズピアニストを熱演 「南瓜とマヨネーズ」や「ローリング」など、繊細な人間描写に定評のある冨永昌敬監督が手掛けた音楽映画「白鍵と黒鍵の間に」のBlu-ray&DVDが、3月20日(水)に発売される(レンタル&TVODは3月6日より)。「ちょっと思い出しただけ」や「シン・仮面ライダー」などで様々な表情を見せる俳優・池松壮亮を主演に迎え、ジャズに魅せられた者たちの熱く幻想的な一夜を描き出す。 原作は、現役のジャズミュージシャンで、エッセイストとしても活躍する南博の『白鍵と黒鍵の間に -ジャズピアニスト・エレジー銀座編-』。ピアニストとしてキャバレーや高級クラブを渡り歩いた南の青春回顧録を冨永監督と共同脚本を担った高橋知由が大胆アレンジし、南博という人物を南と博という2人の人物設定に変更。ひとりは場末の高級キャバレーで働くジャズピアニスト志望の博、もうひとりは銀座界隈を牛耳る熊野会長(松尾貴史)のお気に入りである敏腕ジャズピアニスト・南。同じ風貌でありながら性格も持ち味も違う2人の男を、池松壮亮が巧みに演じ分ける。 ジャンルを自由に行き来する“ノンシャラント”で魅惑的な物語 昭和63年の年末、銀座。場末のキャバレーでピアノを弾いていた博(池松)は、ふらりと現れた謎の男(森田剛)に懇願され、“あの曲”こと『ゴッドファーザー 愛のテーマ』を演奏する。しかし、その曲をリクエストしていいのは、銀座界隈で幅を利かせている熊野会長だけであり、演奏を許されているのもピアニストの南(池松)だけだった。 この出来事を機に、南と博の運命はもつれ合い、先輩ピアニストの千香子(仲里依紗)や銀座のクラブバンドを仕切るバンマス・三木(高橋和也)、アメリカン人のジャズ・シンガー、リサ(クリスタル・ケイ)などを巻き込みながら、予測不可能な“一夜”へ迷い込んでいく。 煌びやかな夜の街・銀座の喧噪の裏で展開する魅惑的な物語と、それに寄り添う小気味良いジャズのリズム。音楽への情熱といくつもの記憶が重なり合い、ノンジャンルな物語が展開していくさまは、まさに劇中のセリフで何度も出てきた「ノンシャラント」な魅力であふれている。音楽に懸ける情熱も、人生の目的も、人それぞれ自由であり凝り固まる必要はない。人は何のために生きるのか。原作者の南博自身がピアノを奏でるエンディング曲と共に、映画が投げかけるメッセージの余韻を楽しんでほしい。 Blu-rayには作品の魅力をぎゅっと凝縮した111分の映像特典を収録 本作で目を引くのは、何と言ってもジャズピアニストを演じる池松自身が奏でるピアノの旋律だろう。物語のキーソングとなる『ゴッドファーザー 愛のテーマ』も、なんと池松自身が演奏している。 もともと相当な腕前だったのかと思いきや、実は小学校の頃に一瞬習った程度で、譜面は読めないし素養もなかったというから驚きだ。中学校の合唱コンクールではクラスにピアノを弾ける人が一人もおらず、「家にピアノがあるから」という理由だけで伴奏者に抜擢された池松。そんな彼が、できる限り週1回、半年弱かけてピアノを特訓したのだ。その並々ならぬ努力と見事な腕前は、『ラ・ラ・ランド』で同じくジャズピアノを完璧にマスターしたライアン・ゴズリングを彷彿とさせる。 また、劇中で池松演じる博と森田演じる“あいつ”が二人三脚をする珍しい場面があるが、当初の予定では二人三脚をする予定ではなかったこと、なぜあのシーンが作られることになったのかなど、意外なエピソードも披露される。 映像特典では、そんな出演者らの貴重なインタビューやメイキング、舞台挨拶映像と予告映像集を収録。本編の後に観れば、より作品に込められた監督やキャスト陣の熱い想いや撮影現場での苦労を知ることができるはずだ。 文=原真利子 制作=キネマ旬報社 https://www.youtube.com/watch?v=Rdlu1t0zHYI 「白鍵と黒鍵の間に」 ●Blu-ray& DVDは3月20日発売(レンタルは3月6日よりリリース) Blu-ray& DVDの詳細情報はこちら ●Blu-ray【初回限定生産仕様】 価格:7,480円(税込) 【ディスク】<2枚組> ★仕様★ ・特製収納ボックス仕様 ★映像特典★(111分) ・メイキング、インタビュー映像集、舞台挨拶映像(2023年9月4日プレミア上映会/2023年10月6日公開初日)、予告映像集(特報/本予告/特別映像4種) ★封入特典★ ・オリジナルサウンドトラック(UHQCD)※劇伴&劇中歌&エンディング音楽収録 ●DVD通常版 価格:5,280円(税込) 【ディスク】<1枚> ★映像特典★(2分) ・予告編集(特報/本予告) ●2023年/日本/本編94分 ●監督:冨永昌敬 ●脚本:冨永昌敬、高橋知由 ●音楽:魚返明未 ●原作:南博「白鍵と黒鍵の間に」(小学館文庫刊) ●出演:池松壮亮、仲里依紗、森田剛、クリスタル・ケイ、松丸契、川瀬陽太、杉山ひこひこ、中山来未、福津健創、日高ボブ美、佐野史郎、洞口依子、松尾貴史 / 高橋和也 ほか ●発売・販売元:ポニーキャニオン Ⓒ2023 南博/小学館/「白鍵と黒鍵の間に」製作委員会 -
大都市シカゴを舞台に、特捜班の刑事たちを描いた警察サスペンスドラマ『シカゴP.D.』。シカゴ警察21分署特捜班のリーダーでありながら、時には一線を超えることもあるベテラン巡査部長ハンク・ボイトと、その仲間の刑事たちの活躍を描いた本シリーズだが、最新作(シーズン9)のDVDレンタルが3月6日、DVD BOXが4月5日にリリースとなる。 現実の社会情勢を反映いたドラマは、リアルでダーク よくある刑事ドラマでは正義感の強い刑事が颯爽と事件を解決するが、本作はあくまでも"警察"ドラマ。刑事も人間でさまざまな事情を抱えており、しかも"警察"という組織の中で働いているので、組織ならではの問題にも直面する。中でも、特捜班のリーダーであるハンク・ボイトは、犯罪捜査のためなら法律に触れる行動も辞さない、必ずしも正義の味方とは言えない人物。彼の行動を通して、リアルで時にはダークな警察の活動が描かれるのがこのシリーズの魅力に一つ。特にこのシーズン9では、シーズン8のラストにおけるボイトの行動が、さまざまな事件を引き起こしていく。 シーズンを通しての物語と毎回完結する事件、2つのドラマが同時進行 このシリーズは「シーズン全体を通して描かれる物語」と「その回で完結する事件」という、2つのドラマが同時進行する構成。エピソードごとの事件はタイプがさまざまで、観る者を飽きさせない。 シーズンを通して描かれる物語は、シーズン8の最終話でボイトと女性刑事アプトンが関わった出来事が影響する。ボイトは彼の信念に基づいて重大な違法行為に手を染め、アプトンはその時はボイトの判断に従うが、その後それが正しかったのかを思い悩むことになる。そしてその事件をFBIが捜査することになり、ボイトとアプトンは窮地に追い込まれてしまう。FBIの捜査はどこまで真相に迫れるのかというスリルとアプトンはどう決心するのかという心理ドラマがシーズン9の見どころである。 並行して描かれる、1話完結の事件も多彩。第4話『暗い水』で、周囲の住民たちから"死の館"と呼ばれる空き家から聞こえてくる悲鳴の正体は何なのか。第8話『一枚岩の亀裂』で、何者かに父親を殺された高校生姉妹は、なぜ刑事にウソをつくのか。事件の背後にある想像を超えた真実と、思いもよらぬ真犯人が暴かれていく。 事件と並行して、人間たちのドラマが展開 事件だけでなく、特捜班の刑事たちのドラマにも注目。前シーズンのラストで凶悪犯に撃たれて重症の女性刑事バージェスは、現場に復帰することをためらってしまう。また、彼女の恋人で同僚のルゼックは、入院中の彼女の代わりに、彼女が引き取った少女マケイラの世話をすることとなり、3人の関係にも変化が起きる。 一方、シーズン8でボイトの違法行為を受け入れてしまったアプトンは、気持ちが乱れ曲がったことが嫌いなジェイに衝動的にプロポーズ。しかし、ジェイは彼女の様子がおかしいと気付く。アプトンとジェイの関係はどうなっていくのか。 そのジェイは、シーズン9を最後に卒業することが決定。第18話『警官見習い』では、人手不足の特捜班に警察学校でも優秀なダンテ・トレスが見習いとして配属され、ジェイはトレスの指導担当となる。トレス役のベンハミン・レビ・アギラルは、グアテマラ出身。実際に、戦闘術クラヴマガの黒帯の持ち主で、ドラマシリーズ『FILTHY RICH/フィルシー・リッチ』(2020)やミニシリーズ『窓辺の女の向の家の女』(2020)などで活躍する注目俳優。シーズン9からレギュラーになり、シーズン10以降、新たな風を吹き込んでくれそうだ。 『シカゴ・ファイア』『シカゴ・メッド』と舞台は同じ 製作総指揮・脚本は『ロー&オーダー』シリーズで知られるTVドラマ界のベテラン、ディック・ウルフ。『ロー&オーダー』シリーズでもスピンオフがあるが、こちらも同じシカゴを舞台にしたドラマが2作進行中。消防士たちを描く『シカゴ・ファイア』、医師たちを描く『シカゴ・メッド』のクリエイターは同じディック・ウルフ。それぞれの登場人物が行き来するクロスオーバー・エピソードもあるので、合わせてみるとより世界の奥行きが深まる。3作とも長寿シリーズになっているのが、面白さの証拠。『シカゴP.D.』も、全米ではシーズン11が放送中。シカゴ警察21分署特捜班の物語は、まだまだ続いてきそうだ。 文=平沢薫 制作=キネマ旬報社 https://www.youtube.com/watch?v=Pzezxi1rWOw 『シカゴ P.D. シーズン9 』 ●3月6日(水)DVD(Vol.1~Vol.6)レンタル開始 ●4月5日(水)セルDVD-BOX(5枚組)発売/DVD(Vol.7~Vol.11)レンタル開始 ▶DVDの詳細情報はこちら ●セルDVD 価格:10,450円(税込) ●2021-2022年/アメリカ/全22話/本編約921分 ●製作総指揮・脚本:ディック・ウルフ ●監督:ベサニー・ルーニー、ガイ・ファーランドほか ●出演:ジェイソン・ベギー、ジェシー・リー・ソファー、パトリック・ジョン・フリューガー、マリーナ・スコーシアーティ、ラロイス・ホーキンズ、トレイシー・スピリダコス、エイミー・モートン、ニコール・アリ・パーカー、ベンハミン・レビ・アギラル ほか ●発売・販売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント © 2021 Universal Television LLC. All Rights Reserved.
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2023年
2024年3月5日 -
吉沢亮が稀代の女方歌舞伎役者に。原作・吉田修一×監督・李相日「国宝」
2024年3月5日任侠の一門に生まれながらも歌舞伎の世界に飛び込んだ喜久雄は、激動の高度経済成長期に芸を磨き、見果てぬ夢を追い求めていく──。吉田修一の作家生活20周年を飾る芸道小説であり、芸術選奨文部科学大臣賞と中央公論文芸賞をダブル受賞した『国宝』が映画化。主演を吉沢亮、監督を「悪人」「怒り」に続く吉田作品となる李相日が務め、脚本は「八日目の蝉」などの奥寺佐渡子が手掛ける。2025年公開。 〈コメント〉 吉田修一(原作) 「悪人」「怒り」、そして「国宝」へ。 夢が叶う。三たび、信頼する李相日監督に自作を預けられる喜びにあふれている。 そしてもう一つ、夢が叶う。「国宝」執筆中も書き終えてからも、ずっとあることを夢見ていた。無理は承知ながら、この稀代の女方・立花喜久雄の舞台を一度でいいからこの目で見てみたいと。 その夢が叶う。吉沢亮という稀代の役者を迎えて。 李相日(監督) 芸に身を捧げ、人生を翻弄される多彩な登場人物たちが織りなす豪華絢爛な歌舞伎の世界観。吉田さん渾身の作品を担う重圧に慄えが止まりません。小説刊行からの構想6年。言い換えれば、“覚悟”に要した年月です。決め手は、吉沢亮の存在。美しさと虚しさを併せ持つ妖艶なその存在感。役者として着実に成長し進化を遂げた今、まさに機が熟した宿命の出会いです。数多ある困難を超えた先に拡がる未知の世界に、関係者一同胸昂る思いです。 吉沢亮 吉田修一先生×李相日監督の3作目。 『悪人』ではただただ視聴者として感嘆し、『怒り』ではオーディションの参加者として、何も出来なかった自分への苛立ち、完成を観てのどうしようも無い昂まりと悔しさ。 そして『国宝』では当事者としてなにを思うのでしょう。 稀代の女方を演じると言う、途方もない挑戦ではございますが、その挑戦の先に見える景色が何よりも美しいものである事を信じて。日々精進です。 「国宝」 原作:「国宝」吉田修一著(朝日文庫/朝日新聞出版刊) 脚本:奥寺佐渡子 監督:李相日 主演:吉沢亮 製作幹事:アニプレックス/MYRIAGON STUDIO 制作プロダクション:クレデウス 配給:東宝 -
「逃げきれた夢」の俊英・二ノ宮隆太郎監督が、三者三様の若者が人生の疑問に向き合いながら未来に抵抗する姿を描いた「若武者」が、5月25日(土)より国内外のミニシアターで同時期公開(U-NEXTで国内同時配信)。メインビジュアルと予告編が到着した。 「誰もが観たい映画ではなく、誰かが観たい映画をつくる」を使命に、コギトワークスがU-NEXTの協力を得て立ち上げた新レーベル〈New Counter Films〉。その第1弾作品となるのが「若武者」だ。 滑稽に見える行動を重ねながら人が与え合う影響を考察していく主人公3人を演じるのは、坂東龍汰、髙橋里恩、清水尚弥。その脇を、木野花、豊原功補、岩松了らが固める。音楽を手掛けるのはgroup_inouのimai。 二ノ宮隆太郎監督コメント この映画の若者は、一見とても幼稚なことを話します。ですが、この世界をどう生きていくことが自分にとって、他人にとって、世界にとっての革命になるのかということを真剣に思考します。素晴らしいキャスト、スタッフの皆さんと他に無い映画を作りました。ぜひ観ていただけたら幸いです。 https://www.youtube.com/watch?v=25Wx4Zu0xj8 「若武者」 監督・脚本:二ノ宮隆太郎 エグゼクティブ・プロデューサー:堤天心、関友彦 プロデューサー:鈴木徳至 撮影:岩永洋 録音・整音・効果:松野泉 美術:福島奈央花 スタイリスト:小笠原吉恵 ヘアメイク:河本花葉 編集:長瀬万里 音楽:imai 助監督:平波亘 制作担当:大川奏耶、井口慶 企画協力:國實瑞惠 企画:New Counter Films 製作:コギトワークス、U-NEXT 制作プロダクション・配給:コギトワークス 配信:U-NEXT 出演:坂東龍汰、髙橋里恩、清水尚弥、木越明、冴木柚葉、大友律、坂口征夫、宮下今日子、純乃あみ、土屋陽翔、新名基浩、小林リュージュ、須森隆文、島津志織、大河内健太郎、五頭岳夫、矢野陽子、矢島康美、木野花、豊原功補、岩松了 2024年/日本/DCP/カラー/スタンダード(1.33:1)/5.1ch/103分 Copyright 2023 “若武者” New Counter Films LLC. ALL RIGHTS RESERVED 公式サイト:https://www.wakamusha.com/