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行定勲監督が韓国ドラマ『完璧な家族』に参戦! 演出して気付いた韓国ドラマのヒットの法則とは?
2024年12月30日錚々たる韓国映画の監督陣が、ドラマで演出するようになり、今や映画とドラマの垣根はあいまいに。そんな過渡期ともいえる韓国エンタテインメント業界に行定勲監督が参入。韓国では老舗の地上波放送局KBSで放送され、日本ではLeminoで独占配信中の韓国ドラマ『完璧な家族』の演出を担った。『韓国テレビドラマコレクション2025』(キネマ旬報社)に掲載するインタビューに収まりきらなかった、驚きのエピソードをいち早くお届けします。 韓国の地上派放送局KBSで演出することになった経緯 ― 行定監督は、映画や映画祭を通じて韓国との関係性を築き上げてきました。今回の連続ドラマのオファーはやはり、その関係性の延長線上にあるものでしょうか? 韓国側が僕を推薦してくれたみたいで、僕の名前を企画書に載せてキャストに回してみたら反応が良かったらしく。そうやって集まってくれたキャストやスタッフは、僕のことを知ってくれていましたね。助監督、撮影技師、照明技師ら映画もドラマもやりたいスタッフたちは、僕の作品はもちろん、釜山国際映画祭で見た日本映画の話をしていて、ある種のリスペクトを感じさせてくれました。ただ、韓国では、映画の人たちは僕の事をよく知ってくれているけれど、テレビ界の人には全く知られていない事がわかりました(笑)」 ソニの家は撮影所に建てたもの。天気に左右されず撮影時間を短縮化 ―予算は潤沢でしたか? 「潤沢です。日本では到底無理なことをやらせてくれました。例えば主人公のソニが両親と暮らす2階建ての一軒家と庭は、坡州(パジュ)にあるCJ ENM スタジオセンターの巨大な倉庫に作った総建築です。僕はこのドラマを“家族とは何なのか?”という物語にしたかったので、ソニの家は登場人物のひとつですし、家をどう表現するかがとても重要だったんです。オープンセットも検討しましたが、どうしても天気に左右されるので、合成できる環境をスタジオの中に作った方がいいという技術的なアイデアを採用して、背景をグリーンバックで囲みました。日本ではあまり合成をやりたがらないんですけど、今回はこの合成が逆に新鮮で良かった。家のシーンをグリーンバックで撮って、ロケで撮ってきた庭の映像にセットの家をはめ込んでいるんです。合成の映像が持ついい意味で不自然な、妙な空気感が結構気に入っています」 ―日本ではこのやり方はしないものですか? 「予算がかかるから、日本では『ロケにしよう』となっちゃうんですよね。ロケはさっきも言ったように天気に左右されるから、余計に時間がかかる分、撮影で粘れないということが起きてしまう。韓国はセットにお金を大きく使う。今回もおかげ様で、100日で撮る予定だったものを70日で撮れました。廊下から台所へ、そこから2階まで行くショットをワンカットで撮れるのでだいぶ時間を節約できる。人物を大きく動かせるというメリットもあります。このドラマにはそういうショットがいくつもあります」 ―流れるようなカメラワークに合わせて、クラシック音楽をチョイスしたのでしょうか? 「それは韓国の制作会社の意向です。僕はもっと現代的な、打ち込みのアンビエント・ミュージックにしたかったんですけど、韓国の地上波ドラマはもっとドラマチックな音楽で、芝居よりも先に盛り上げる。僕が『このあたりから』と指定している箇所よりもだいぶ前から流し始めちゃうんですよ。先に音楽が鳴ってしまうと芝居の入口が台無しになるからやめてほしいと言っても、KBSさんの判断で最終的にそうなっていました。それが韓国ドラマの歴史と文化ですし、韓国ドラマの人気の理由のひとつですよね。僕が今回韓国に来たのは“韓国ドラマ”をつくるため。そこに入り込んだ僕が、作品づくりの邪魔をしてしまったら、本末転倒になってしまうからね」 第一話の冒頭のネタバレには、理由がある! ―最終的なジャッジはKBSがして、それを受け入れるというやり方でしたか? 「そうですね。全話の編集を終えて、納品して日本に帰ってきてから、KBSさんが何箇所か内容を作り変えました。もちろん基本ラインは僕が演出したものですし、追加撮影もしていません。一番わかりやすいのは、第1話の冒頭です。主人公ソニの友人であるギョンホ(キム・ヨンデ)がいきなり死ぬシーンは、僕の意向ではありません」 ―え!? 監督に断りもなく? 「KBSさんからあらかじめ『キム・ヨンデのシーンから始めたい』と言われていたら、僕はあんな風には撮らないかな。僕の編集は、最初に血まみれで歩くソニが家に帰ってくるところ以降です。だから、最初の5分を切ったものが、音楽の入り方などは違いますが、僕のオリジナルバージョンに近いです。冒頭のそのシーンはネットで「謎のネタバレ」と言われていましたが、僕に対して評論的な視点で意見を言う友達も、第1話を見終わった後に「あの始まり方は効果的じゃないよね」と言ってきて。それが2話を見終えて『え? ギョンホを殺したのは誰だ? という話だったんじゃないの? 12 話あるのにどうなるの?』となり。そこから徐々に想像と全然違う家族の話になっていくので、彼は『逆にあの冒頭はあれでもよかった』と言っていました。僕が『冒頭5分はやっぱりない方がいいと思ってる』と言ったら、『第1話の冒頭なんてどうせみんな忘れるよ』と言われました。確かに僕も、ちょうど『涙の女王』を8話ぐらいまで見ていたんですけど、1話をすっかり忘れていました。周りで見ている人に聞いても、みんなすぐに答えられない。なんてこともあるよね(笑)」 ―日本より話数が多い作品もありますし、展開が早いから最初の方を忘れてしまいがちですよね(笑)。 「でもなんとなく身体的に『面白かったね』という印象が残る。それが韓国ドラマのパワーだと思います」 韓国とのコラボレーションは今後も続く? ―行定監督の韓国とのコラボレーションは今後も続くのでしょうか。 「韓国と日本の合作を企画中です。昭和の名作小説を原作に、日本でつくろうとしていたんですけど、今回韓国で撮影中に、登場人物を韓国人と日本人にして、舞台を現代の韓国と日本にした方が、原作小説が言わんとしている本質が明確になるし、広がりが出ると思ったんです。韓国のKBSで流れるドラマを撮ったことのある監督が、また韓国で撮ることになれば、今回とはまたちょっと違う角度で韓国の人たちと向き合えるかなという期待もあります。新たな出会いを重ねながら、韓国の俳優やスタッフたちと、また一緒に作品をつくりたいですね」 文=須永貴子 制作=キネマ旬報社 https://www.youtube.com/watch?v=OGMmAgAvhew 『完璧な家族』 【あらすじ】 誰が見ても幸せで完璧に見えた家族だったが、娘のソニが巻き込まれた殺人事件をきっかけに、家族の秘密が次々と明らかになっていく。事件に関わるそれぞれの証言が食い違い、誰も信じられない。真実の相対性に迫る、緊張感たっぷりのミステリーであり、事件に巻き込まれた家族の物語が、今、幕を開ける! 【作品データ】 完璧な家族(완벽한 가족) KBS/全12話 演出・脚色:行定勲 脚本:チェ・ソンゴル 出演:キム・ビョンチョル、ユン・セア、キム・ヨンデ、パク・ジュヒョン、ユン・サンヒョン、チェ・イェビン、イ・シウ、キム・ドヒョン、キム・チャンワン、キム・ミョンス © Victory Contents Co., Ltd. Leminoにて全話独占配信中 「完璧な家族」公式サイト | Lemino 『韓国テレビドラマコレクション2025』 2002年よりキネマ旬報社が毎年発行してきた‟元祖”韓国テレビドラマムック、韓国テレビドラマコレクション。2025年1月15日発売する、2025年版の表紙は、キム・ヨンデ。若手俳優のなかでも出色の存在で、『損するのは嫌だから』『昼に昇る月』『完璧な家族』と、出演作が軒並み話題に。2025年も注目ドラマの放送が控えるネクストスターが、本誌だけに今の気持ちを語ってくれました。巻頭特集は、『2024韓国ドラマ徹底解剖』。旬の俳優や、精鋭執筆陣による2024年の推しドラマをピックアップ。韓国の地上波KBSドラマを初めて演出した、行定勲監督のインタビューを掲載。制作サイドから韓国ドラマの魅力に迫ります。OST、オーディオブック、ドラマの原作本と、韓国ドラマを多角的に楽しむ方法をご案内。さらに、2024年の韓国映画事情からおすすめ映画レビューまで。2024年に話題になった韓国のエンタテインメントを、各専門のエキスパートと共にひもときます。 全国書店・ECストアにて2025年1月15日発売 2,530円(税込)※電子ブック版は2,500円(税込) A5版/カバー・並製/608頁/キネマ旬報社刊 予約購入はこちらまで ⇒KINEJUN ONLINE -
デビュー5周年を迎えたYOASOBIによる初のドームライブより、東京ドームでのファイナル公演を捉えた「劇場版 YOASOBI 5th ANNIVERSARY DOME LIVE 2024 “超現実”」が、2月21日(金)より全国公開される。ポスタービジュアルと予告編が到着した。 当日披露した全楽曲に、ドキュメンタリー映像を加えて構成。YOASOBIの“超現実”の世界を、劇場の大スクリーンと5.1chサラウンドで体感したい。 なお公開前日の2月21日(木)には、全国30館で先行上映を実施。当日は〈“超現実” CREW PASS Key Chain〉が配布され、YOASOBIのメッセージ映像が流れる。詳細は公式サイトでチェックを。 https://www.youtube.com/watch?v=BpSSAK5tyPg 「劇場版 YOASOBI 5th ANNIVERSARY DOME LIVE 2024 “超現実”」 出演:YOASOBI 配給:WOWOW 上映尺:158分 特設サイト:https://www.wowow.co.jp/film/yoasobi/ ©︎2025 WOWOW
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金子雅和監督が紡ぐ伝承と解放の物語「光る川」、ポスタービジュアル公開
2024年12月27日「アルビノの木」「リング・ワンダリング」の金子雅和監督が、神秘的な大自然の中に伝承と解放の物語を紡いだ「光る川」が、3月22日(土)よりユーロスペースほか全国で順次公開される。ポスタービジュアルと場面写真が到着した。 高度経済成長期の1958年。ユウチャ少年は山間の集落で暮らしている。父は林業に従事し、母は病に臥せ、老いた祖母もいる。森林伐採の影響か、一家は台風による洪水の被害に脅かされている。 夏休みの終わり、集落に紙芝居屋がやってきた。演目は、同地に伝わる里の娘・お葉と山の民である木地屋の青年・朔との悲恋の物語。ままならぬ習俗のために想いが叶わず、打ちひしがれたお葉は山奥の淵で入水した。それからというもの彼女の涙が溢れるように、数十年に一度、恐ろしい洪水が起きるという。 紙芝居の物語との不思議なシンクロを体験したユウチャは、現実でも洪水を防ぎ、さらには哀しみに囚われたお葉の魂を解放したいと願い、川を遡って山奥の淵へ向かう──。 お葉役は「シティーハンター」の華村あすか、朔役は『舞いあがれ!』の葵揚。ユウチャおよびお葉の弟・枝郎の二役を有山実俊が演じ、足立智充、山田キヌヲ、堀部圭亮、根岸季衣、渡辺哲、安田顕が脇を固める。音楽は細田守作品で知られる高木正勝が担当。 第62回ヒホン国際映画祭ではユース審査員最優秀長編映画賞を受賞した。厳かにして心揺さぶる物語に注目したい。 「光る川」 出演:華村あすか、葵揚、有山実俊、足立智充、山田キヌヲ、髙橋雄祐、松岡龍平、石川紗世、平沼誠士、星野富一、堀部圭亮、根岸季衣、渡辺哲、安田顕 脚本・監督:金子雅和 音楽:高木正勝 共同脚本:吉村元希 美術監督:部谷京子 撮影:山田達也 照明:玉川直人 音響:黄永昌 スタイリスト:野口吉仁 ヘアメイク:鎌田英子、山下奈巳 助監督:土屋圭 カラーグレーディング:星子駿光 OPアニメーション:高橋昂也 原作:松田悠八(「長良川 スタンドバイミー一九五〇」より) エグゼクティブ・プロデューサー:中谷克彦、酒井興子 企画・プロデュース:森岡道夫、福原まゆみ プロデューサー:松本光司、片山武志 製作:長良川スタンドバイミーの会 制作プロダクション:プロジェクト ドーン 配給:カルチュア・パブリッシャーズ 助成:文化庁文化芸術振興費補助金(映画創造活動支援事業) 独立行政法人日本芸術文化振興会 2024年/日本/カラー/1.85:1/5.1ch/DCP/108分 ©︎長良川スタンドバイミーの会 公式サイト:culture-pub.jp/hikarukawa/ -
歳を重ねてもポジティブに。シリーズ第4弾「ブリジット・ジョーンズの日記 サイテー最高な私の今」
2024年12月27日「ブリジット・ジョーンズの日記」シリーズの第4弾として、歳を重ねてもポジティブに生きるブリジットの新たな物語を描いた「ブリジット・ジョーンズの日記 サイテー最高な私の今」が、4月11日(金)より全国公開される。予告編が到着した。 最愛の夫マークと死別し、2人の子どものシングルマザーになったブリジット。悲しみに暮れるも、周囲に励まされて仕事に復帰し、今どきの出会い系アプリにも挑戦。マークとの思い出を胸に、再び自分を取り戻そうと奮闘する。そんな彼女に《年下男子》ロクスターと《息子の理科教師》ウォーラカーとの出会いが……。 製作は「ラブ・アクチュアリー」「ノッティングヒルの恋人」「アバウト・タイム ~愛おしい時間について~」「イエスタデイ」のワーキング・タイトル・フィルムズ。レネー・ゼルウィガーが50代に突入したブリジットを演じ、彼女を永遠に惑わす色男ダニエル役のヒュー・グラントも続投、夫マーク役のコリン・ファースも登場。ウォーラカー役は「それでも夜は明ける」のキウェテル・イジョフォー、ロクスター役は『One Day/ワン・デイ』のレオ・ウッドールが務める。観る者を勇気づけるハッピー・ムービーに注目だ。 https://www.youtube.com/watch?v=SMN84NRl4gI 「ブリジット・ジョーンズの日記 サイテー最高な私の今」 出演:レネー・ゼルウィガー、キウェテル・イジョフォー、レオ・ウッドール、コリン・ファース、ヒュー・グラント 監督:マイケル・モリス 脚本:ヘレン・フィールディング、ダン・メイザー、アビ・モーガン 製作:ティム・ビーヴァン、エリック・フェルナー、ジョー・ウォレット 原作:Bridget Jones: Mad About The Boy/ヘレン・フィールディング著 製作総指揮:ヘレン・フィールディング、レネー・ゼルウィガー、アメリア・グレンジャー、サラ=ジェーン・ライト 原題:Bridget Jones: Mad About The Boy 配給:東宝東和 ©Jay Maidment/Universal Pictures -
吉野北人主演×英勉監督×鈴木おさむ脚本「遺書、公開。」メイキング・スペシャルトーク映像解禁
2024年12月27日鈴木おさむ脚本、英勉が監督を務め、陽東太郎の同名コミックを実写化した「遺書、公開。」。序列がもたらす人間の本性を描いた衝撃のエンタメミステリーの本作に主演の吉野北人ほか、宮世琉弥、松井奏、志田彩良、髙石あかり、堀未央奈ら若手かつ実力派が勢揃いし、2025年1月31日(金) 全国公開される。そのメイキング・スペシャルトーク映像が解禁した。 今回、私立灰嶺学園2年D組の1年間を振り返る<2Dクラスアルバム>も解禁。“2年D組1年間の思い出”と称され、クラスの青春のひとときを映し出した写真が散りばめられ、作品の中で描かれる体育祭や文化祭、部活動に励む姿を捉えたもの。ごくありふれた学生生活の日常を捉えたクラスメイトたちの姿が印象的だが、2年D組は、姫山を中心に回っていたことが伺え、緊迫感あふれるストーリー展開でありながら、ポップなビジュアルとのギャップが、より一層の不気味さを際立たせている。 こんなに楽しそうなクラスの中で、どうして姫山は自殺してしまったのか。普段は謎めいた存在であまり笑わない千蔭(宮世琉弥)が爆笑していたり、不適な笑みを浮かべる廿日市(志田彩良)や、笑顔が弾けるクラスメイトたち。彼らの笑顔の訳とは──。 https://youtu.be/f8SH9hA0R5s 吉野北人、志田彩良、松井奏、堀未央奈のスペシャルトーク映像では、鈴木おさむが手がけた衝撃的なシーンが満載の脚本を初めて読んだ時の感想や、自身が演じたキャラクターについても振り返る。また、撮影メイキング映像も差し込まれ、同世代のキャストたちが集結した撮影現場では、まるで学生時代に戻ったかのような活気あふれる様子が垣間見える。カメラが回っていない間は、他愛もない雑談で盛り上がる和気藹々とした様子の一方で、いざ教室のセットに入ると、一転して作品の持つ独特の暗い雰囲気に引き込まれていったと振り返っている。 二面性を巧みに演じ切る若手俳優たちの熱演にも注目したい。 Story 新学期の春、2年D組に送られてきた〈序列〉──そこには生徒と担任の全員の明確な順位が示されていた。序列1位の姫山椿は優しくて人気者、誰もが認める優等生。だがある日、彼女が何の前触れもなく自殺する。数日後、クラスの全員に姫山から遺書が届き、その日から学級崩壊が始まるー。果たして生徒たちが最後に待ち受けるものは──!? 「遺書、公開。」 出演:吉野北人、宮世琉弥、志田彩良、松井奏(IMP.)、髙石あかり、堀未央奈、忍成修吾、上村海成、川島鈴遥、荒井啓志、松本大輝、星乃夢奈、榊原有那、藤堂日向、 菊地姫奈、大峰ユリホ、阿佐辰美、兼光ほのか、日髙麻鈴、大東立樹、金野美穂、鈴川紗由、浅野竣哉、青島心、楽駆 主題歌:THE RAMPAGE「Drown Out The Noise」 原作:陽 東太郎「遺書、公開。」(ガンガンコミックスJOKER/スクウェア・エニックス刊) 監督:英勉 脚本:鈴木おさむ 企画製作:HI-AX 製作プロダクション:ダブ 配給:松竹 ©2024 映画「遺書、公開。」製作委員会 ©陽東太郎/SQUARE ENIX