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【第21回】「みうらじゅんのグレイト余生映画ショー in 日活ロマンポルノ」
2021年12月10日2021年に、日活ロマンポルノは生誕50年の節目の年をむかえました。それを記念して、ロマンポルノの魅力を様々な角度から掘り下げる定期連載記事を、本キネマ旬報WEBとロマンポルノ公式サイトにて同時配信いたします。 衛星劇場の協力の下、みうらじゅんがロマンポルノ作品を毎回テーマごとに紹介する番組「グレイト余生映画ショー in 日活ロマンポルノ」の過去の貴重なアーカイブから、公式書き起こしをお届けしたします。(隔週更新予定) ■2015年5月放送 「野外」 どうも、みうらじゅんと申します。「グレイト余生映画ショー in日活ロマンポルノ 民俗学入門」今回のテーマは、ズバリ「野外」。 その時、股間がうずいた… 澄み切った青空に浮かぶ、愛と官能の叫び。どこかでヤッている。誰かがヤッている。たった一時の開放感、快楽と化した羞恥心が、俺の股間にこだまする。人はドアの向こう側に何を見出したのか?どこでヤる?外でヤる!その瞬間から新たな歴史が始まる…。 今回の民俗学入門ですけども、どうです?何だか部屋雰囲気変わったでしょ? たぶんポルノ学の助教授から教授に僕が昇格したということですかね(笑)。 今回の作品の『ひと夏の関係』という映画は、1978年水島美奈子さん主演作です。 今回は4本ともテーマが「野外でする」って事です。言うなればアウトサイダーがインサイダー取引をするってことですよね。野に出るっていうのは、当然、外で性行為をするということだとおもいますが、なぜ性行為したいのか今回は分析してみたいと思います。 民俗学入門 今日も元気にイッてきま~す 『野外』の基礎と応用 1965年あたりに、ようやく日本にはラブホテルというものが誕生したといわれます。それまでは「連れ込み旅館」と呼ばれていましたね。若者にとってその響きはとてもオヤジ臭くて嫌だったんでしょう。ラブ&セックスの思想がようやく日本にも入ってきたってことでしょうね。「若者よ、書を捨てて外に出よう!」それが野外の始まりだったんでしょう。要するにアウトドア・セックスの始まりでございます。そもそものアウトドアの始まりは、コレですよね(イラストを出す)。 ピクニックですよね。ピクニックでは、必ず男女が山に向かって「ヤッホー」と叫んでいたでしょ?この時にこの二人の片方の男が、「ヤッホー」叫ぶだけじゃなく、ここにある木とか芝を見て、「できるんじゃないか?」と思ったのが始まりだと考察いたします。 こういうことですよね。(イラストを出す) 草の上に寝転んでとか、木のとこら辺でとか。ここでも出来るんじゃないか?っていうことを多分ピクニック中に思ったんでしょうね。パートナーにも合意を求め、「どうだ青空の下でしてみないか?」これが「野外プレイ」の始まりです。ODSとでも呼びましょうか?「OUTDOOR SEX」ですよね。中には海の岩場でする人もおられるのかも知れませんがね。僕は一度も興味を持ったこともないし、やったこともないですけども。やっぱり自然を愛する人達がつい、行いがちなんでしょうかねぇ。ODS好きの人たちには、マナーの悪さが目立つといいますが。 ついつい広いところでは、気持ちも大きくなってゴミを捨てるような人がいて、マナーの悪さが問われ、アウトドアが廃れたていくんじゃないかと思います。アウトドアも廃れると、街でこっそり人の所有のビルの屋上でやる人もいると聞きます。 公園やカーセックスも考えられますね。外でおやりになる、それは人に見られたくないがゆえに、または見られるかもしれないドキドキが良い人がいるんですよね。いかんですね、犯罪ですよ、それ。いくらわかりあっていてもいけない行為です。さぁ今回、日活ロマンポルノの中でね、この『ひと夏の関係』では、どういうアウトドア・セックスが出てくるかお楽しみいただければと思います。 ■あした天気になあ~れ! 映画で学ぶ『野外』活用術 今回、これまでとりあげた話はほとんど出てきません(笑)。出てくるのは、こういう派手なサングラスをかけた女の人が登場いたします。 ものすごい角ばってデカイサングラスで、志麻いづみさんがされています。こちらが桂たまきさん。どちらも大きなサングラスされています。こういう大きなサングラスで、アウトドアを楽しむということですかね。 スタッフが調べた今回の「野外プレイ」の現場です。調べる必要があるのか?と思ってしまいましたけども(笑)。アウトドア・セックスをテーマにした4本じっくり観てください。 今月の作品を紹介したいと思います。 『ひと夏の関係』1978年製作。水島美奈子さん主演です。 『それゆけ痴漢』1977年製作。山本晋也監督で泉リコさん主演です。 『のけぞる女』1980年製作。風間舞子さん主演。 『令嬢肉奴隷』1985年製作。すずきじゅんいち監督、赤坂麗さん主演です。 どこかに必ずアウトドアのシーンがありますので、楽しみに見てくださいそれではあなたもグレイト余生を! 出演・構成:みうらじゅん/プロデューサー:今井亮一/ディレクター:本多克幸/製作協力:みうらじゅん事務所・日活 ■ TV放送情報 【衛星劇場】(スカパー!219ch以外でご視聴の方) ・『妻三人 肌くらべ』 ・『宇能鴻一郎の濡れて騎る』 ・『新・団地妻 夫婦交換』 ・『スワップ診察室 蜜しぶき』 ・『エロスは甘き香り』 ・『八月はエロスの匂い』 ・『魔性の香り』 ・『団地妻 女の匂い』 【衛星劇場】(スカパー!219chでご視聴の方) ・『妻三人 肌くらべ』(R15版) ・『ピンクカット 太く愛して深く愛して』(R15版) ・『エロスは甘き香り』(R15版) あわせて、衛星劇場では、サブカルの帝王みうらじゅんが、お勧めのロマンポルノ作品を紹介するオリジナル番組「みうらじゅんのグレイト余生映画ショー in 日活ロマンポルノ♯102」、「みうらじゅんのグレイト余生映画ショー in 日活ロマンポルノ♯103」を放送! ※人気コーナー「みうらじゅんのグレイト余性相談室」では、皆様から性のお悩みや、疑問を大募集! 【日活ロマンポルノ】 日活ロマンポルノとは、1971~88年に日活により製作・配給された成人映画で17年間の間に約1,100本もの作品が公開された。一定のルールさえ守れば比較的自由に映画を作ることができたため、クリエイターたちは限られた製作費の中で新しい映画作りを模索。あらゆる知恵と技術で「性」に立ち向い、「女性」を美しく描くことを極めていった。そして、成人映画という枠組みを超え、キネマ旬報ベスト・テンをはじめとする映画賞に選出される作品も多く生み出されていった。 日活ロマンポルノ公式ページはこちらから 日活ロマンポルノ50周年企画「みうらじゅんのグレイト余生映画ショー in 日活ロマンポルノ」の全記事はこちらからご覧いただけます。 過去の「キネマ旬報」記事からよりすぐりの記事を掲載している特別連載【あの頃のロマンポルノ】の全記事はこちらから 日活ロマンポルノ50周年新企画 イラストレーターたなかみさきが、四季折々の感性で描く月刊イラストコラム「ロマンポルノ季候」 -
クォン・サンウ主演!高卒弁護士と会社をクビになった記者が弱者のために奔走する
2021年12月3日クォン・サンウ主演!高卒弁護士と会社をクビになった記者が弱者のために奔走する クォン・サンウが熱血弁護士に扮するリーガルドラマ『熱血弁護士 パク・テヨン ~飛べ、小川の竜~』のDVDが12月3日よりリリースされる。今年45歳と思えない若々しいクォン・サンウが、弱者のために涙を流し、正義を追求する姿がスカッとしつつも感動する作品だ。 困っている弱者を放っておけない苦労人弁護士 第一次韓流ブームから、『天国の階段』などで元祖モムチャンとして人気のクォン・サンウが、高卒でありながら猛勉強の末に弁護士になった苦労人パク・テヨンを演じるリーガルヒューマンドラマ。クォン・サンウにとっては2018年の『推理の女王2』以来2年ぶりのドラマ出演となる。監督は『ハンムラビ法廷〜初恋はツンデレ判事!?〜』『補佐官』シリーズのクァク・ジョンファン、脚本は実際に記者でもあるパク・ サンギュが担当している。 激しい学歴社会の韓国で、高卒ながらも猛烈な努力をして弁護士になったパク・テヨンは、刑事事件の再審で初めて無罪を勝ち取って一躍、時の人に。家賃を滞納し、スタッフの給与の支払いにも困っていたパク・テヨンはこれでお金の心配をしなくて済む!と喜んだのもつかの間、被告人は貧しく、彼は国選の弁護人だったため、押し寄せたのは貧しくて弁護料を払えない人ばかり。アテが外れたテヨンだったが、そんな中で無実の罪で服役していた若者3人組が再審を依頼してきて、再び冤罪事件と向き合うことに。 男ふたりのブロマンスに思わずキュン!? そんなパク・テヨンの良き相棒となるのが、とある事情で会社をクビになったものの、心に訴えかける文章力の持ち主で記者のパク・サムス。実は彼も学歴コンプレックスを抱えるひとり。S大というと韓国最高峰のソウル大を差すけれど、彼の出身校であるS大は地方のスチョン大で、しばしばバカにされている。そんな、いわば学歴社会的には落ちこぼれのコンビが、弱者のために力を合わせて事件の真相解明に奔走する。ふたりの過去や背景もしっかり描かれていて、行動や発言の理由がわかりやすいのも良い。 緻密な調査と弁論の巧みさが武器のパク・テヨンと、自らの足とペンで真実に肉薄していくパク・サムス。共に正義感に燃えるふたりのバディ&ブロマンスものとしても見ごたえたっぷりで、基本的にはギャースカうるさいふたりだが、時折見せる互いを思いやる、さりげない優しさにキュンとするはず。自らも社会的弱者であり、依頼人の気持ちに寄り添うことができる、タイプの違う熱血漢に共感してしまうこと間違いなし。 パク・サムスを演じるのは映画「藁にもすがる獣たち」(20)などの実力派ペ・ソンウで、33話以降は、実に10年ぶりのドラマ出演になる大物スター、チョン・ウソン(映画「私の頭の中の消しゴム」(04))が演じているのも話題になった。クォン・サンウ&チョン・ウソンが並んでいる構図は第一次からの韓流ドラマファンには感涙ものだろう。 実際に記者でもある脚本家が描く“冤罪の作られ方”!? 彼らが扱う事件はさまざまな事情によって真実が捻じ曲げられ、弱者が泣き寝入りせざるをえなかったものばかり。その真実を暴く過程で、警察の暴力的な取り調べ、仲間内の名誉のことしか考えていない検察の怠惰や隠ぺい体質などが描かれるのがリアル。本職が記者ならではの脚本家の面目躍如。一方で、加害者側にも良心があり、長年、罪の意識に苦しんでいたことがわかる描写も。加害者を一方的に非難するわけではないのが本作が“ヒューマンドラマ”たるゆえん。反面、歪んだ欲望や腐敗しきった倫理観にまみれた検察や判事、警察など、権力者に屈せずに糾弾していく姿も痛快だ。 文=熊谷 真由子/制作=キネマ旬報社 『熱血弁護士 パク・テヨン ~飛べ、小川の竜~』 ●12月3日(金)DVD-BOX1リリース(1話~14話) ●1月7日(金)DVD-BOX2リリース(15話~28話) ●2月2日(水)DVD-BOX3リリース(28話~40話) DVDの詳細情報はこちら ●DVD-BOX1:13,860円(税込) DVD-BOX2:13,860円(税込) DVD-BOX3:11,880円(税込) ●DVD-BOX1特典 【映像特典】次回、チラ見せ 【封入特典】ブックレット(8P) ●DVD-BOX2特典 【映像特典】次回、チラ見せ 【封入特典】ブックレット(8P) ●DVD-BOX3特典 【映像特典】次回、チラ見せ/ポスター撮影/キャラクタープロフィール/メイキング/クォン・サンウインタビュー 【封入特典】ブックレット(8P) ●2020年/韓国 ●出演:クォン・サンウ、ペ・ソンウ(32話まで)、チョン・ウソン(33話より)、キム・ジュヒョン、チョン・ウンイン ●発売元:PLAN Kエンタテインメント 販売元:株式会社ハピネット・メディアマーケティング ©SBS -
関ジャニ∞・横山裕初主演ドラマ! 天才子役とほんわかアパート暮らし
2021年12月3日関ジャニ∞・横山裕初主演ドラマ! 天才子役とほんわかアパート暮らし 冬の寒い日には、温かい飲み物と一緒に心温まるハートフル・コメディが観たくなる。どこにでもありそうな小さなアパート「アパートの清水」で、一人暮らしをするワケありの5歳児・コタローと、グータラ生活を送る売れない漫画家・狩野のおかしくも優しい毎日を描いたドラマ『コタローは1人暮らし』のDVD&ブルーレイが12月3日にリリースされる。 もしアパートの隣人が、一人暮らしをする5歳児だったら!? 原作は累計140万部突破の人気コミックで今回初の映像化。5歳児が一人暮らし!? そんなファンタジーがリアルに思える、温かく優しい世界が1話約23分・全10話の見やすい形でドラマになった。 ある日、突然、万年床を敷く散らかり放題の狩野進の部屋に、引っ越し挨拶の高級ティッシュ持参で現れた男の子・さとうコタロー。「隣に越してきた“さとう”と申す。以後、お見知りおきを」。子供らしい殿様言葉で、子供らしくないしっかりした挨拶をするコタロー。しかし親の姿はなく、一人暮らしだという。漫画はスランプ中だが人のいい狩野は、そんなコタローが気になってしまい…。 狩野を演じるのは、歌手として、またバラエティでの活躍はもちろん、『絶対零度~特殊犯罪潜入捜査~』シリーズなどでの演技の評価も高い関ジャニ∞の横山裕。ドラマ初主演となる本作で、無気力で日々お疲れ気味、でもコタローを気にかけ、一緒に成長していく心優しい青年役を気負わずかっこつけず、脱力感満載で演じている。 一目で見る者の心をキュンとさせるコタローを演じたのは、ドラマ『カンナさーん!』の演技で「天才子役」と絶賛された川原瑛都。笑顔を封印し、強い意志で“1人暮らし”をするコタローのかわいさとけなげさに癒され、泣かされること間違いなし。 このほか、山本舞香、生瀬勝久、イッセー尾形がアパートの住人役、ももいろクローバーZの百田夏菜子と光石研がコタローの生活を支える弁護士役を演じ、コタローの通う幼稚園の先生役で、先日のデビューも大きな話題となったなにわ男子の西畑大吾も出演。後半の第8話からはSexy Zoneの松島聡もコタローの旧友役で登場するなど、華やかなキャストが個性的なキャラクターを魅力的に演じている。 大人と子供が一緒に成長し、日々を大切に暮らしていくこと 5歳児の一人暮らしとも思えぬような、規則正しく丁寧な暮らしをするコタロー。朝起きるとおにぎりをにぎって朝ご飯を食べ、お弁当には大好きな「とのさまん」のキャラ弁を隣人の美月(山本舞香)に作ってもらったり、きちんとゴミ出しもして、幼稚園にも通う。アパートにはお風呂がないので、シャンプーハットをかぶって(猛烈にかわいい!)、銭湯にも通う。そんなコタローを幼稚園へ送り迎えし、一緒に銭湯へ行く狩野。狩野はコタローの言いたがらないことは聞かず、ただ自分が勝手に付いていく風に彼と行動を共にする。狩野自身、幼い頃に両親を亡くし、コタローの一人暮らしの理由が気になっていた。 少しずつ明らかになっていくコタローの過去。記憶の中の悲しそうな母親の顔、彼を探す父親の存在。DV、児童保護施設などの言葉が出てくるが、このドラマは厳しい現実を過度に冷たくも温かくも描かない。自分が生きる現実のなかで、コタローは再び両親と暮らすために「強くなりたい」と一人暮らしを始め、そんなコタローの言葉や生き方に周囲の大人も影響を受けていく。 コタローをかわいがる美月がDV気味な彼氏と別れようとする場面で、コタローの言葉に救われたり、コタローを溺愛する強面の田丸(生瀬勝久)が、別居中の妻になかなか会わせてもらえない息子との関係をコタローの言葉で考え直したり、自分に自信の持てない新任の花輪先生(西畑大吾)が、コタローの言葉で奮起したり。そしてコタロー自身も、それぞれに問題を抱える大人たちに愛されながら、共に日々の悲喜こもごもを過ごし、大人も子供も関係なく一緒に成長していく。5歳児の一人暮らしが実現する、そんな世界こそ本当にあってほしいと思わせられる。 脚本は『のだめカンタービレ』の衛藤凛、演出は『きょうの猫村さん』の松本佳奈。ユーモアのある温かい世界観や人物描写で、物語をテンポよく楽しく見せてくれる。また、毎話「この物語はフィクションです」という注意書きが、いろんな場所や物に提示されたり、コタローの持ち物にさりげなく★マークのものがちりばめられていたり(幼稚園のクラスもほし組!)、作り手のかわいいこだわりを感じるクリエイティブが楽しい。 西畑大吾主演のスピンオフ・ドラマや、かわいすぎるダンス動画も収録! 今回、DVDには本編のほか、コタローが通う幼稚園の新任教諭、悩める花輪先生が、少しずつ先生らしくなっていく姿を描いた西畑大吾主演のスピンオフ・ドラマ『花輪せんせいは半人前!?』も収録。こちらでは、本編では封印されていたコタローの超絶キュートな笑顔(本人いわく「ハリウッドからも声がかかるであろう」)や、本編にも登場する「とのさまんダンス」を現役アイドルの西畑、百田が本気で踊る姿も収録されており、見応えあり! 特典映像では、横山と瑛都君の初顔合わせの瞬間や、瑛都君が西畑と撮影現場のアパートにバースデイ・デコレーションをして横山の誕生日を祝う姿など、楽しいメイキング映像が盛りだくさん。横山が瑛都君に、関ジャニ∞による主題歌「ひとりにしないよ」を聞かせたり、振付を教えて一緒に踊る姿などにも和む。 文=熊坂多恵 制作=キネマ旬報社 『コタローは1人暮らし』 ●12月3日(金)Blu-ray BOX&DVD-BOX リリース(全10話)※レンタル同日リリース Blu-ray&DVDの詳細情報はこちら ●Blu-ray BOX:19,800円(税込) DVD-BOX:15,400円(税込) 【特典映像】 ・スピンオフドラマ『花輪せんせいは半人前!?』 ・メイキング ・クランクアップ集 ・制作発表リモート会見 【封入特典】 ・スペシャルブックレット 【早期予約特典】 ・B6クリアファイル ●2021年/日本 ●出演:横山 裕、川原瑛都、山本舞香、西畑大吾(なにわ男子)、百田夏菜子(ももいろクローバーZ)、光石 研、滝藤賢一(友情出演)、峯村リエ、大倉孝二、イッセー尾形、生瀬勝久 ●原作:津村マミ「コタローは1人暮らし」(小学館 「ビッグコミックスペリオール」 連載中) ●脚本:衛藤 凛 音楽:篠田大介 監督:松本佳奈 樹下直美 ●発売元:株式会社テレビ朝日 販売元:株式会社ハピネット・メディアマーケティング ©津村マミ・小学館/テレビ朝日/ジェイ・ストーム -
ブータンの僻地で暮らす人々の姿を通して“本当の豊かさ”とは何かを問う「ブータン 山の教室」 “世界でいちばん幸せな国”といわれるブータンに実在する秘境を舞台にした映画「ブータン 山の教室」のDVD&ブルーレイが、12月3日(金)にリリースされる。今年の4月にミニシアター公開ながらその評判は口コミとして瞬く間に拡がり、全国の映画ファンを魅了し、現在もまだ劇場公開中の感動作だ。 無気力な教師がブータンの僻地ルナナ村へ ブータンの首都ティンプーで生きてきた主人公のウゲン(シェラップ・ドルジ)は、教師という仕事にやりがいを見出せず、密かにオーストラリアで歌手になる夢を抱いている。いつもiPodにつないだヘッドフォンで音楽を聴き、周囲の人間には無関心。冷めた顔で「僕は教師にはならない」と宣言する彼に、上司は人口56人、標高4,800mの僻地にあるルナナ村への赴任を告げる。 案内人のミチェン(ウゲン・ノルブ・ヘンドゥップ)らと野宿をしながら一週間以上かけて山道を登りやっと辿り着いたルナナ村は、電気もなければ黒板もノートもない。そこにあるのは、ウゲンの到着を待ちわびていた子供たちのキラキラと輝く眼差しと壮麗な大自然だけ。着任早々、心が折れそうになるウゲンだが、真っ直ぐで牧歌的なルナナ村の人々との交流を通して次第に心境を変化させていく。 実際にルナナ村で暮らしている人々が出演 本作には実際にルナナ村に住んでいる人々が多数出演し、その土地に息づく思想や暮らしをありのままに体現している。中でも抜群の存在感を放っているのが、実名でクラスの委員長役を演じたペム・ザム(撮影当時9歳)。演じた役柄同様、家庭は崩壊しているという彼女が見せる繊細な表情やまっすぐな瞳が深い印象を残し、思わず引き込まれてしまうだろう。 どこまでも続く雄大な自然と、村民らが歌うブータン民謡の心が浄化されるような音色。本作で長編監督デビューを果たした写真家のパオ・チョニン・ドルジが捉えた映像は、現地の人々が出演しているからこそ生まれるセミドキュメンタリーのような臨場感と、まごうことなき美しさで溢れている。 自分がやりたいこと=自分が必要とされる場所? 授業中、「将来の夢」を尋ねたウゲンに「先生は未来に触れることができるから」教師になりたいと話す少年。心の底では歌手になりたいと思っていたウゲンは、少年の何気ない言葉から教師という職業の真価を改めて見つめ直していく。 自分がやりたいことと、自分が必要とされる場所は必ずしも一致しているとは限らない。それは、教師に限らずどんな仕事でも言えることではないだろうか。本作を観ていると、自分が進むべき道は果たして合っているのかと、ふと立ち止まってみたくなる。そして、深呼吸をして“今の自分”とじっくり向き合いたくなる。可能性はいつでも自分の目の前に広がっている――。最終的にウゲンが辿り着いた答えに思いを馳せながら、そんなことを考えた。 文=原 真利子/制作=キネマ旬報社 「ブータン 山の教室」 ●12月3日(金)Blu-ray&DVDリリース(DVDレンタル同日リリース) Blu-ray&DVDの詳細情報はこちら ●Blu-ray:5,280円(税込) DVD:4,290円(税込) ●特典(Blu-ray、DVD共通) 【映像特典】 ・パオ・チョニン・ドルジ監督からのメッセージ ・ティンプーでの撮影オフショット ・山から眺めたルナナ 2017 ・山から眺めたルナナ 2018 ・ペム・ザムちゃんのオーディション ・劇場特報 ・劇場予告 ●2019年/ブータン/本編110分 ●監督・脚本: パオ・チョニン・ドルジ 出演:シェラップ・ドルジ、ウゲン・ノルブ・へンドゥップ、ケルドン・ハモ・グルン、ペム・ザム ●発売元:株式会社ドマ 販売元:株式会社ハピネット・メディアマーケティング ©2019 ALL RIGHTS RESERVED
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生きにくい世の中を生きる子どもたちへ 「アーヤと魔女」に込めたメッセージ
2021年12月1日生きにくい世の中を生きる子どもたちへ 「アーヤと魔女」に込めたメッセージ 宮﨑駿が企画、宮崎吾朗が監督をそれぞれ務めた、スタジオジブリの約5年ぶりとなる劇場公開作品「アーヤと魔女」のブルーレイとDVDが12月1日にリリースされる。「ハウルの動く城」の原作者でもあるダイアナ・ウィン・ジョーンズの同名児童書が原作の本作は、初のフル3DCG作品であることや、これまでのジブリ作品にはいなかったヒロイン像など、スタジオジブリにとって初の試みが満載の新鮮な作品となっている。 ジブリ史上、最もはしたないヒロイン! 主人公のアーヤは、赤ちゃんの頃に預けられた「子どもの家」で育った10歳の少女。周りを自分の思い通りに導くのが得意で、何不自由なく暮らしていたが、ある日、ベラ・ヤーガと名乗るド派手な女とマンドレークという長身男の怪しげな二人組の家に引き取られる。魔女だというベラは怪しげな呪文を作る商売が忙しく、その手伝いをさせるためにアーヤを引き取ったのだった。アーヤは魔法を教えてもらうことを条件に働き始めるが、こき使われるばかりでひとつも魔法を教えてもらえない。生まれてはじめて自分の思い通りにならないことを悟ったアーヤは、魔法の秘密を知る使い魔の黒猫・トーマスの力を借りて、反撃を始めるのだった……。 魔女見習いになるというファンタジックな設定や逞しく生きる少女というのはジブリヒロインらしいが、大人を手玉に取ってなんでも思い通りにしてしまうという、したたかでイタズラ好きな「悪ガキ」的少女というのは、ジブリヒロインでは異色。企画書にも「ジブリ史上、最もはしたない娘」と書かれていたらしい。それでも憎めない魅力があるのは、その愛嬌あるふるまいと共に、決して他人を陥れたりせず誰も不幸にしていないから。したたかだが、ズル賢いのとは違い、賢さはあってもズルさがない。作品冒頭で、子どもの家の仲間たちと皆で夜中に抜け出して遊んでいたことが園長先生にバレた際も、自分が皆を誘ったと園長先生の怒りの矛先を一身に集めた上で、園長先生の琴線に触れるような言動を駆使して、誰も傷つけずに事態を切り抜けて見せる。大人の顔色を窺うというと聞こえは悪いかもしれないが、他人の気持ちを察して上手く立ち回るというのは、コミュニケーション能力の高さゆえであり、現代社会では特に大事な能力の一つでもある。 生きづらい世の中で、現代人に送る力強いメッセージ 公式サイトやインタビューなどで、主人公のアーヤが「良い子じゃない」ところに惹かれたと語っている宮崎吾朗監督は、「利用できるものは利用する強さが大事」だとも言っており、生きづらい今の世の中を生きる現代の子どもたちに対するひとつのモデルになるような作品を目指したそうだ。また、本作の原作を読んで映像化の企画を立ち上げながらも、既に新作「君たちはどう生きるのか」の準備に入っていた宮﨑駿は、息子の宮崎吾朗に監督を託すこととなったが、NHKで2020年に放送された番組『いつも“となり”にいるアニメ』で、「この生きにくい世の中でどんなに生きにくくても、とにかく隙間を見つけて、隙間をこじ開けて、味方を作りちゃんと生きていく。その力が一番足りないんじゃないか」と、本作の企画意図を明かしている。 ベラはただの手伝いが欲しくてアーヤを引き取ったと言い放つも、それを聞いたアーヤは魔法を教えてくれることを条件に助手になってやると言い返す。ただ自分の思い通りにさせようと要求するのではなく、ギブアンドテイクの関係を提示し、自らの考えで主体的に行動する。思い通りにいかないことがあってもへこたれず、切り替えて考え直す強さや明るさは、子どもだけではなく誰もが大事なものに気付かされるはずだ。 そんな現代に生きるすべての人々への力強いメッセージを込めながらも、あくまでそれを声高に説教臭く語らず、自然に物語を楽しむ中で感じさせるのは、やはりスタジオジブリ作品ならではだ。 3DCG、音楽、声優など、数々の新鮮な試み 手描きにこだわってきたスタジオジブリが初めて全編フル3DCG作品を手掛けたのも新鮮だ。キャラクターデザインの近藤勝也をはじめとしたジブリ作品の常連スタッフに加え、マレーシア出身の3DCGアニメーターのタン・セリなど世界各国の才能が参加。3DCGでもアーヤのくるくる変わる表情や動きなどを感情豊かに表現してみせている。 武部聡志による劇中音楽も魅力的で、グラムロックやプログレッシブ・ロックが取り入れられているのも斬新。「ロックバンド」自体も物語に大きく関わっているが、主題歌やエンディングテーマには、シンガーソングライターのシェリナ・ムナフ(ボーカル)とシシド・カフカ(ドラム)、GLIM SPANKYの亀本寛貴(ギター)、Mrs. GREEN APPLEの髙野清宗(ベース)ら一流の人気ミュージシャンたちがスペシャルユニットのバンドを組んで参加している。 メインキャストも新鮮な布陣。アーヤ役に現在14歳ながら10年以上の芸歴を持つ平澤宏々路をオーディションで抜擢。ベラ役の寺島しのぶとマンドレーク役の豊川悦司も声優初挑戦。豊川は口数の少ない役を低音の魅力を活かして印象的に演じ、寺島は名前を言われなければわからないほど役に馴染んだ熱演で、初挑戦とは思えないハマりぶりを見せている。他にも黒猫トーマス役に濱田岳が参加するなど、うまい役者ばかりが揃っている。また、劇場公開前にNHKで全国放送されたというのも異例の試みだった。 そして、12月1日にリリースされるセル版のブルーレイとDVDには、絵コンテのほか、キャストとスタッフのインタビューやメイキング「アーヤと魔女をつくる」、三鷹の森ジブリ美術館企画展示「アーヤと魔女展」などの豊富な特典映像を収録。 ジブリらしくない新鮮な驚きに満ちていながらも、鑑賞後にはやはりジブリらしい前向きな元気をもらえる。時代を超えて愛される普遍的なファンタジーとなっていて、宮﨑駿が珍しく手放しで褒めたというのも頷ける最新のジブリ作品だ。 文=天本伸一郎/制作=キネマ旬報社 「アーヤと魔女」 ●12月1日(水)Blu-ray&DVDリリース(同日レンタル開始) Blu-ray&DVDの詳細情報はこちら ●Blu-ray:7,480円(税込) DVD:5,170円 (税込) <映像特典内容> ・絵コンテ(Blu-ray :ピクチャー・イン・ピクチャー DVD :マルチアングル) ※BDとDVDで収録方法が異なります ・アフレコ台本(Blu-rayのみ) ・キャストインタビュー(寺島しのぶ/豊川悦司/濱田 岳/平澤宏々路/シェリナ・ムナフ) ・スタッフインタビュー「アーヤと魔女をつくる」 ・三鷹の森ジブリ美術館企画展示「アーヤと魔女展」 ・予告編集 ●2020年/日本/本編83分 ●企画:宮﨑 駿 監督:宮崎吾朗 ●声の出演:寺島しのぶ、豊川悦司、濱田 岳、平澤宏々路、シェリナ・ムナフ ●発売元:スタジオジブリ 販売元:ポニーキャニオン ©2020 NHK, NEP, Studio Ghibli