歌姫リンダ・ロンシュタットのドキュメンタリー、本編映像と新場面写真が公開

アメリカ西海岸を代表するシンガー、リンダ・ロンシュタットの半生を描くドキュメンタリー「リンダ・ロンシュタット サウンド・オブ・マイ・ヴォイス」が、4月22日(金)より新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷、アップリンク吉祥寺ほかで全国順次公開。このたび本編映像・新場面写真が公開された。

 

 

グラミー賞を10度受賞、ロック、ポップス、カントリー、ジャズからオペラまであらゆるジャンルを歌いこなし、1979年には日本武道館を含む複数都市ツアーを成功させて日本でも人気を誇ったリンダ。2013年にパーキンソン病と診断され、歌手活動を引退した。映画はそんな彼女の栄光と知られざるその後に迫る。

 

 

到着した本編映像は1970年代、人気絶頂期のリンダが音楽業界の男女差について思いを吐露するインタビューだ。「ロックンロールの文化は男性優位なの。女への敵意に満ちているわ」と今以上にジェンダー格差が大きかった当時の状況を嘆き、男性ミュージシャンに対して「ロックンロールのスターは孤独に陥りやすく、そのせいで疎外感と不安を募らせる。あげく麻薬に逃げて自分を壊してしまう」と現代にも通じる持論を展開。

リンダはスタッフやバックバンドのメンバーなど、常に男性に囲まれた環境で違和感や劣等感を抱いていたことが本作で明かされる。それでも圧倒的歌唱力と音楽へのストイックな姿勢で着実にキャリアを重ね、女性シンガーの地位向上に貢献した。同時期に活躍していたボニー・レイットやエミルー・ハリス、カーラ・ボノフらとは姉妹のような仲で、女性シンガーがまだ多くなかった当時、互いに曲を提供・共有するなど良い関係を築いていたという。

リンダ自身は男女を差別することなく、バックバンドを務めていたイーグルスのバンドとしての独立を後押ししたり、男女問わず多くのミュージシャンとコラボやデュエットをしたりと、仲間に好影響やチャンスを与える存在でもあった。彼女が多くの人々に愛される理由は、音楽はもちろん、強い芯を持ちながら人々に平等に接するその人柄にもあったことが窺える。

約50年前の映像ながら現代にも通じるジェンダーギャップを指摘し、それに屈することなく努力と人柄で成功を収めたリンダの姿に、当時のファンはもちろん、若い世代や多くの女性もエンパワメントされるはず。

 

        

 

※“ROCKUMENTARY2022 極上のロック・ドキュメンタリー”と銘打ち、「リンダ・ロンシュタット サウンド・オブ・マイ・ヴォイス」(4/22公開)、「スージーQ」(5/6公開)、「ローレル・キャニオン 夢のウェストコースト・ロック」(5/6公開)の3作が連続公開される。

 

「リンダ・ロンシュタット サウンド・オブ・マイ・ヴォイス」

出演:リンダ・ロンシュタット、ジャクソン・ブラウン、エミルー・ハリス、ドリー・パートン、ボニー・レイット、ライ・クーダー、ドン・ヘンリー、ピーター・アッシャー、デヴィッド・ゲフィン、キャメロン・クロウ
監督:ロブ・エプスタイン&ジェフリー・フリードマン
製作:ジェームズ・キーチ、ミッシェル・ファリノーラ
音楽:ジュリアン・レイモンド
撮影:イアン・コード、ナンシー・シュライバー
2019年/アメリカ/93分/ビスタ/ステレオ
提供:ジェットリンク
配給:アンプラグド
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