“もはや警告ではない”。クローネンバーグ「ビデオドローム」著名人コメント到着

 

全米公開40周年を迎えたデヴィッド・クローネンバーグのカルト作「ビデオドローム」(1982)が、4Kディレクターズカット版で、6月16日(金)よりシネ・リーブル池袋ほかで全国順次公開。著名人のコメントが到着した。

 

 

〈コメント〉

塚本晋也(映画監督)
ビデオを通して、夢幻の官能性とともに金属と溶け合う。
サイバーパンクの父親的存在!『鉄男』がエロくなるわけだ!

小島秀夫(ゲームクリエイター)
ブラウン管とビデオ隆盛の時代に産まれた「ビデオドローム」は、僕らの世代にとって、特別なクローネンバーグの傑作だった。
ところが、SNSや配信漬けでスマホが片手に癒着してしまった令和の時代にこそ、再び刮目すべき映画として侵食してくる。
“ビデオドローム”は、もはや警告ではない。まさに現在(いま)、現実(ここ)で起きている症候群だ。4Kディレクターズカット版よ、永遠なれ!

後藤護(暗黑批評)
クローネンバーグにとってVHSはViolence(暴力)、Hallucination(幻覚)、Sex(セックス)の略語だった!!!!!!
ビデオ「ソフト」全盛時代の「ハード」コア伝説が4Kで甦る。「現実以上の現実」に生きる我らSNS新人類の内臓をも掻き回し「マッサージ」するボディホラー。これはマクルーハンの夢みた触覚性メディア論の裏返された悪夢ver.なのか!?

鳥居真道(ミュージシャン)
ぐちょんぐちょんの肉や臓器、変形する人体、脈打つテレビ、陰謀めいたストーリー、アブノーマルな世界観にクラクラしながらも、ドライで無機質な映像が妙に艶めかしく、思わず生唾を飲み込んだのでした。精神および肉体の不可逆的な変容はクローネンバーグ作品を貫くテーマだといえます。私もまた『ビデオドローム』により、新たな嗜好を植え付けられた人間のひとりです。そしてそれは今も腫瘍のように消えずに残っています。

松本穂香(女優)
観ていると楽しくてニヤニヤがこみあげてくる系の気持ちの良い気持ち悪さ。
ルンルンな悪夢!私はこういう映画が好きなのだと改めて思いました!最高です!!

人間食べ食べカエル(人喰いツイッタラー)
より官能的に、よりグロテスクに、より艶かしく進化した。これこそが悪夢映像の極致。辺りを暗くして、出来る限り顔を画面に近づけて観てください。

 

   

 

Story
暴力やポルノが売り物のケーブルテレビ局を経営するマックスは、部下が偶然に傍受した電波から〈ビデオドローム〉という番組の存在を知る。そこには拷問や殺人が生々しく映っていた。調査を進めると、ビデオドロームは視聴者の脳に腫瘍を生み、幻覚を見させることが判明。やがてマックスの世界は番組に支配され、均衡が崩れていく……。

 

「テアトル・クラシックス ACT.3 ビデオドローム 4K ディレクターズカット版」

監督・脚本:デヴィッド・クローネンバーグ
製作総指揮:ビクター・ソルニッキ、ピエール・デヴィッド 製作:クロード・エロー 特殊メイク:リック・ベイカー 音楽:ハワード・ショア
出演:ジェームズ・ウッズ、デボラ・ハリー、ソーニャ・スミッツ、ピーター・ドゥヴォルスキー
配給:東京テアトル
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