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- 徳永えり
略歴 / Brief history
大阪府吹田市の生まれ。中学2年生の時に雑誌『ピチレモン』のモデルオーディションで準グランプリを獲得し、2005年まで“徳永えりな”の名で同誌専属モデルとして活動する。モデル時代に芸能事務所フラームに応募し、フジテレビの深夜ドラマ『放課後。』04の吉川藍役で女優デビュー。この時から“徳永えり”の名前で活動を始める。06年、飯塚健監督の「放郷物語/THROWS OUT MY HOMETOWN」で映画初主演を飾り、親友と恋のライバルになってしまう少女の惑いを好演。さらに、同年の李相日監督「フラガール」で注目を浴びる。蒼井優扮する主人公をフラダンスに誘う親友・木村早苗役で、幼い弟妹の世話をしながらフラの魅力に取り付かれるも、貧しさからフラを断念して物語の中盤で退場。しかし鮮烈な印象を刻みつけ、以後、フジテレビ『ダンドリ。/Dance★Drill』06、TBS『流星の絆』08、『ブラッディ・マンデイ』08・10、NHK『フルスイング』08、『桂ちづる診察日録』10、『四十九日のレシピ』11、東名阪ネット6『犬飼さんちの犬』11など、テレビドラマの出演も増えていく。156cmと小柄な体型や愛らしい容姿から、「フラガール」で演じたキャラクターに代表される“健気な少女”といった役どころが多かったが、キム・ヨンナム監督「ノーボーイズ,ノークライ」09ではイメージを一新する役柄に挑戦。セーフティネットからこぼれ落ちた環境の中、若くして二児を抱え、売春まがいの行為も厭わない女性を巧演し、若手演技派としての評価を高めた。一方で“健気な少女”像を突き詰めたのが、小林政広監督の「春との旅」10。祖父と二人旅に出る孫娘・春に扮し、我がままな祖父への嫌悪、共感、そして愛情を口数少なに抑えた表情で表して、祖父役の仲代達矢に一歩も引けをとらない存在感を発揮した。「ブラブラバンバン」07ではアルトサックスを、「うた魂(たま)♪ 」08では合唱とピアノを、『フルスイング』では剣道を劇中でこなし、出世作「フラガール」以降、レッスンものの作品が多いのも特徴である。また、「アキレスと亀」08で北野武に、NHK-BS『妖しき文豪怪談』の『葉桜と魔笛』10では塚本晋也に起用されるなど、映画に特化した監督たちから好まれている。
徳永えりの関連作品 / Related Work
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35年目のラブレター
制作年: 202560代から夜間中学に通い読み書きを学んだ男性の実話を、落語家・笑福亭鶴瓶の主演で映画化した人間ドラマ。文字の読み書きができない西畑保は、どんな時も寄り添い支えてくれた妻・皎子へ感謝のラブレターを書きたいとの思いから、夜間中学に通い始める。監督は、「今日も嫌がらせ弁当」やドラマ『ドラゴン桜』など数々の作品を手がけてきた塚本連平。西畑保を笑福亭鶴瓶が、妻の皎子を『あなたの番です』の原田知世が演じ、青年期の西畑保をアイドルグループWEST.の重岡大毅が、皎子を「夜明けのすべて」の上白石萌音が演じる。 -
犬も食わねどチャーリーは笑う
制作年: 2022「凪待ち」の香取慎吾主演、「箱入り息子の恋」の市井昌秀が監督・オリジナル脚本を手がけたコメディ。結婚4年目を迎える田村裕次郎と日和。表向きは仲良しな2人だったが、日和の過激なSNS投稿〈旦那デスノート〉がきっかけで引くに引けない夫婦喧嘩が勃発する。共演は「やがて海へと届く」の岸井ゆきの、「猫は逃げた」の井之脇海。 -
コンフィデンスマンJP 英雄編
制作年: 2022『リーガルハイ』シリーズの古沢良太が脚本を手掛け、長澤まさみ、東出昌大、小日向文世が出演したTVドラマの劇場版第3弾。マルタ島を舞台に伝説の詐欺師の称号をかけ勝負を始めるダー子、ボクちゃん、リチャード。そこにインターポールの捜査の手が迫る。出演は、「不灯港」の小手伸也、「罪の声」の松重豊、「劇場版 ルパンの娘」の瀬戸康史。監督は、前2作に引き続き田中亮が担当。70点