“思春期特有の仄暗い官能を運んでくる”。「ファルコン・レイク」著名人コメントとイラスト到着

 

バンド・デシネ作家バスティアン・ヴィヴェスの『年上のひと』を原作に、新鋭シャルロット・ル・ボン監督が少年と少女の “忘れられないひと夏” を描き、第75回カンヌ国際映画祭監督週間に出品、第58回シカゴ国際映画祭ゴールド・ヒューゴ(新人監督賞)を受賞した「ファルコン・レイク」が、8月25日(金)より渋谷シネクイントほかで全国順次公開。著名人コメントとイラストが到着した。

 

 

コメント(順不同・敬称略)

よその家族の旅にまざったみたいに親密な映像。自然界の光と音、暗闇と静寂がすばらしい!
微妙な年齢の子供たちにだけ見える世界の姿があることを、ひさしぶりに思いだした。
──江國香織(小説家)

形作られる前の若き2人が、寄り添う姿が痛々しくもとても良かった。2度と無いであろう、かつての自分の心情を思い出し、胸がギュっと熱くなりました。
──MEGUMI(女優/プロデューサー)

大人でもなく、子どもでもなく。そのあわいを揺蕩う少年少女の放つ光は、危うく、儚く、美しく。繊細な彼らの心の動きが、16mmのフィルムで仄暗くノスタルジックに切り取られる。おとなになるって、なんて残酷なんだろう。
こんな不穏で不安で眩しい夏を、忘れられるわけがない。
──宇垣美里(フリーアナウンサー/女優)

避暑地の湖畔、自然の豊かさと漂う不穏の中で
子どもと大人の間にいる2人の「閉じ込めてしまいたい夏」を見た気がしました。
──たなかみさき(イラストレーター)

たなかみさき氏イラスト

ひと夏の青年の淡い恋、などではなく
生と死
ここに自分の身体や心が在るということは
一体どういうことなのだろうと
見えない湖のなか彷徨うような夏だった
──枝優花(映画監督・写真家)

特別な関係だからこそ生まれるコミュニケーション。
地面から数センチ浮いているような気持ちや、目をこらしても何ひとつ見えない真っ暗な心の距離。
まだなにものでもない若さを持て余しながら過ごすヴァケーションが焼き付いた青春映画。
──川辺素(ミュージシャン/ミツメ)

美しく甘酸っぱい、青春映画……そう思っていたら、たちまち鳥肌が止まらなくなるような衝撃のラストが待ち受けていた。開いた口も塞がらないまま見届けながら、いままでの2人の会話を反芻して、すべてがそのラストまでの伏線だったことを思い知る。
多かれ少なかれ、人は誰でも子どもから大人へ成長するときには痛みを伴うもの。自分にとってはどんなものだったか。今一度、思い出してみたくなった。
──瀬戸あゆみ(モデル/Dear Sisterhoodディレクター)

男の人と結婚して、男の子を育てて、もしかしてと少しわかってきたことがあった。この映画を観ながらそれが確信に変わりかけていたところに、そんな感受性では消化させてくれないというホラー体験をさせてもらった。
これこそが、この少年たちの夏の追体験なのかもしれません。こんな映画体験初めてでした。美しい夏で終わらせてくれよ。
──青柳文子(俳優/モデル)

白黒の乾いた筆致で描かれた原作の世界が、ロケーションを変え、まるで別の感触の作品に生まれ変わった。
16ミリフィルム撮影のニュアンスに富んだ緊張感ある映像が、少年と少女の孤独と連帯を鮮やかに浮き立たせる。
──原正人(フランス語翻訳家)

湖畔の水面を撫でる風が、暗闇に浮かび上がるシーツの白さが、思春期特有の仄暗い官能を運んでくる。
少年と少女の間に生まれる、恋とも友情とも言えない絆の行く末が鮮烈だ。
──山崎まどか(コラムニスト)

思春期に特有の、恋や性や、未知のものへの憧れ、戸惑い。
そして誰にでも訪れる、少し背伸びした季節との別れ。
その最後の瞬間が、これほどまで儚く、切なく描かれるなんて。16mmフィルム、スタンダードサイズの映像は、この物語をただの甘美な青春劇にはしない。
──門間雄介(ライター/編集者)

「幽霊は水辺に出やすい」と俗にいうが、これは避暑地の湖畔を舞台にした、恋と夏のゴーストに魅入られた少年と少女の物語。ピクチャレスクなシーンがジグソーパズルのようにすべてはまったラストシーン、背中に冷たい汗が一筋ツーッと走った。
──青野賢一(文筆家/選曲家)

湖畔のコテージ、年上の人、背伸びして飲むワイン。バカンス映画らしいモチーフが揃っていても、どこか手触りが違う。
この映画には大人たちがこれまで見ないふりをしてきたものが映り込んでいるのだ。
わたしたちはきっと、子ども期を経て大人になることを受け入れるまでの猶予期間、危うかったあの頃の幻影をいつまでも追い続けている。それに気がついたとき、背筋は冷え鼻の奥にツーンと刺激が走った。
深入りしてはいけないような、初めての感覚だった。
──奥浜レイラ(映画・音楽パーソナリティ)

 

 

Story
もうすぐ14歳の少年バスティアン(ジョゼフ・アンジェル)は、母(モニア・ショクリ)の友人ルイーズのもとでひと夏を過ごすため、一家でケベックの湖畔にあるコテージへ。そして自然に囲まれた日々の中、ルイーズの娘であり、メランコリックで大人びた3つ年上のクロエ(サラ・モンプチ)に惹かれていったバスティアンは、彼女を振り向かせようと幽霊が出るという湖へ泳ぎに行くが……。

 

© 2022 – CINÉFRANCE STUDIOS / 9438-1043 QUEBEC INC. / ONZECINQ / PRODUCTIONS DU CHTIMI
配給:パルコ

▶︎ 恋が何かも知らない、思春期のひと夏。シャルロット・ル・ボン監督「ファルコン・レイク」

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