「ボビー・フィッシャーを探して」のストーリー

7歳のジョシュ(マックス・ポメランツ)は、チェスにかけては天才的な才能を持っていた。公園のストリートチェスの名手ヴィニー(ローレンス・フィッシュバーン)も、少年の特異な才能に目を見張る。父親のフレッド(ジョー・モンテーニャ)は、息子の才能に驚き、70年代にアメリカ人で初めての世界チャンピオンとなった天才プレーヤー、ボビー・フィッシャーに匹敵するものと信じる。フレッドは、ジョシュに本格的なチェスの教育を受けさせようと往年のチャンピオン、ブルース(ベン・キングスレイ)と会う。ブルースは、真剣勝負であるチェスの危険性を説く。彼の真剣さに打たれたフレッドは、ブルースを息子のコーチに雇う。ブルースもまたジョシュの才能にひかれ、一対一のレッスンが開始された。「第2のボビー・フィッシャー」を目標に特訓は進められ、ジョシュの才能は開花し、全米の少年少女チェストーナメントを次々に制覇していった。そんな時、強力なライバルが現れた。4歳よりチェスの英才教育を受けている少年ジョナサンだ。彼の存在を脅威に感じたジョシュは、大会当日、プレッシャーから初回の相手に負けてしまう。あくまで普通の子として育てたい母親ボニー(ジョアン・アレン)と父親が激しく言い争うのを聞きながら、ジョシュは姿を消したボビー・フィッシャーのことを思う。ボビーは再び現れる日のために力を蓄えているんだ、そう思った彼の心に変化が起きた。決然とした思いで世界大会に出場したジョシュは、決勝戦でジョナサンと対戦し、彼を負かした。