「夫の日記」のストーリー

劇作家ポール・モレーは女優オデットに恋していた。ところが彼女は栄達のために彼を利用してるだけだったので、奥さんと離婚しなければいや、と無理難題をふっかけた。モレーの妻フランソアーズは夫の恋を気付いて激しい嫉妬に逆上せんばかりだったが、知らぬ顔で夫の心を自分に向かせようと努めた。それが無駄だと知ったとき彼女は劇場に忍び入り、舞台稽古中のオデットを狙撃して誰にも見咎められずに自宅に帰った。折から、銀行員殺しの強盗コステリが劇場に逃げ込んだので彼がオデットを殺したものと認められて捕縛された。ポールはしかし凶器の拳銃から妻が下手人であることを知り、妻に自首せよと言ったが彼女は拒んだ。かくて夫妻は表面は夫婦として他人同志の生活を始めた。フランソアーズは不幸だった。殊にコステリがオデット殺しの罪を被せられてるのが辛かった。遂に彼女は検事総長が友人であるのを利用してコステリを獄中に訪れ、オデット殺しを告白した。しかしコステリはどうせ自分は死刑だから貴女は黙っていよと却って慰めた。しかしコステリが2つの殺人罪で絞首の刑になるとの新聞を見ると堪らなくなり、検事総長のもとへ告白に赴いた。その途中、自動車に轢かれそうになった子供を救おうとしてフランソアーズは大怪我をした。そのために彼女は記憶を喪失してしまった。ポールはオデットに夢中にはなったが、もともと妻を愛していたので、彼女が良心に苛なまれている姿を見ているうちに再び愛するに至った。そこでポールは南フランスの別荘に妻を伴って改めて彼を愛することを教えるのであった。