「武装強盗団」のストーリー
広大な土地と金鉱にめぐまれ、活気あふれる一八六〇年代のオーストラリア。牧場に働き、報酬をうけとったディック(ロナルド・ルイス)とジム(デイヴィッド・マッカラム)のマーストン兄弟は、父ベン(ローレンス・ナイスミス)の命ずる新しい仕事に出発した。ベンはお尋ね者で、無法者スターライト(ピーター・フィンチ)の子分となり、盗んだ牛一千頭を、二百マイル離れたアデレイドルに運ぶ計画をたてていたのだ。若い二人は母親の制止もふり切って、この一行に参加、計画はまんまと成功した。分け前を手にした二人が、次に乗り込んだのはメルボルン。途中、兄は気性のはげしいケイト(モーリーン・スワンソン)と、弟はその妹でやさしいジーン(ジル・アイアランド)と恋におちた。だが彼等はお尋ね者として手配され、家に帰れば周囲の目も冷たい。しかたなく父ベン・スターライトも加わり、金塊輸送の馬車を襲う山賊団を組織した。だが、兄弟はいつまでもこの生活に甘んじていられなかった。足を洗って町に出、砂金掘りとなるが、その町にはケイトとジーン姉妹も住んでいた。ジーンは堅気のジムと結婚、夫のあるケイトはディックを追って来た許婚者のグレースに彼をゆずったが心の底ではわり切れない。折しもスターライト一味がこの町の銀行を襲い、ケイトはおさえていた妬嫉にたえられず、兄弟を盗賊の一味だと呼んだため、ジムは捕えられてしまう。ディックはスターライトとジムをうばいかえすが、この戦いにディックは死んだ。スターライトは官憲を自分の方へおびきよせ、ジムを妻ジーンのもとにのがした上、全滅してしまう。