「お転婆キキー(1926)」のストーリー

頓智の良い孤児のキキはパリの芝居町で新聞売り子をしていたが、彼女は自分の美声と美貌とが自慢だったので何とかして舞台に立ってみたいと思っていた。彼女は頓智を以て巧みに機会を掴んで喜歌劇のコーラス・ガールに採用された。しかしキキは初めて舞台に立って散々味噌を付け一晩きりでお払い箱になった。彼女はマネジャーのルナルに泣き付いたが彼は承知しなかった。花形女優のポーレットはルナルの寵愛を頼み傍若無人に振舞っていたがその晩ルナルと夜食を食べに行く約束をしていてちょっと喧嘩をしてしまったのでルナルは気紛れでキキを料理店に伴った。ポーレットは一座の金主たるラップ男爵と共に同じ料理店に行き嫉妬から一騒動が起った。ルナルは意地でキキを己の家に連れ帰るとキキはそれを良いことにルナルの居候となってしまった。ルナルを密かに愛していたキキはポーレットから来る手紙を全部途中で没収してルナルに渡さなかった。心配したポーレットは我を折って訪れて来てルナルに恨みを並べた。そこで始めてキキの手紙泥棒が判明しルナルも怒ってキキを放逐しようとした。キキは突如全身強直症を装って卒倒した。医師はこの珍しい仮死状態は二年間続くと診断した。ルナルは哀れんでキキを厚く介抱した。ポーレットは怒って去った。虚病の仮面を脱いだキキは初めてルナルの愛撫に身を任せた。