「愛欲争闘街」のストーリー

アングロ・オリエンタル石油の支配人リチャード・ブランドはハウエル少佐の令嬢ナディンと結婚を望んでいたが、ナディンには愛する許嫁ケントという若者がいた。ケントは英本国の貴族であったが公金費消の罪に問われ本国を去ってやはり中国へ来ていた。そして実際には自分に何も罪もないのに気の弱いケントは愛するナディンが同じ中国にきていることを知りながら会いに行く勇気がなかった。ケントは「千の剣の家」という酒場へ立ち寄る。するとその店の主人フウが奴隷娘のナン・トイを金持ちのシン・ヨイに売り渡す相談中、ナン・トイが逃亡を企てたので折檻しているところであった。ケントはこれを執りなしナン・トイを自分の卓に侍らせたが、さて勘定となった時無一文の彼はフウに突き出されてしまった。異郷の空に意気消沈したケントは世をはかなんで投身自殺をしようとする。そこを心配して跡からついて来たナン・トイに助けられ彼女の部屋へ引き取られ手厚い看護を受ける。けれども間もなくフウに発見されナン・トイは再び虐待される。折柄ケントの無罪を立証した書類を携えて英本国からジョルダンという人間がやってきた。ブランドはこの書類を手にいれようとフウに頼む。フウはケントに命じて盗み取らせようとする。だがナン・トイからその書類が自分の潔白を証するものだと知らされてフウを打ち倒したケントはブランドの家へ駆けつけ書類をナディンの父親に示したがそれは何時の間にか白紙となっていた。しかし本物の書類は間もなくナン・トイが持って現れた。彼女はケントを愛してはいたが結局自分がいてはケントが幸せになれないことを悟り一人淋しく「千の剣の家」へ帰って行った。ケントとナディンの関係は昔の通りに還った。