「踊るニューヨーク」のストーリー

ジョニイとキングはニューヨークの小さな舞踏場のダンサーであったが、2人とも桧舞台に乗出す野心に燃え、認められる機会を待っていた。ある日、有名な舞踊家クレアのマネージャーをしているケイシーがここを訪れてジョニイの踊りに感心し、彼を契約するつもりだったが、ジョニイは相手を借金取と間違えたのでキングと名乗った。そのためクレアの新しいショウには、キングが相手役に選ばれることとなった。キングは内心の喜びも隠してジョニイに同情し、ジョニイは友情に感激して自分の考案した新しい踊りも彼に譲ってやった。舞台稽古が始まると興行主のマシュウズは、すっかりキングの踊りに感心してしまったので、ケイシーは人違いだったことを言い出す機会がなかった。稽古は数週間熱心に続けられ、その間もジョニイは色々とキングに力を貸してやった。クレアは何時の間にかジョニイを好きになっていた。その上彼の踊りを見て、なぜケイシーがジョニイを選ばなかったかと不審に思ったが、ジョニイは常にキングのために弁解してやった。ところがキングは次第に高慢になって、ジョニイを侮辱するような態度を見せるようになったので、さすがの彼も腹を立てて絶交した。しかし初日の夜に最後の激励の言葉を与えるため楽屋を訪れると、開幕間もないのにキングは泥酔して正体もない有様である。助け起そうとしたが到底駄目だと見たジョニイは、彼に代って最初の幕を踊り、後をキングに譲った。この真相を知ったのは一緒に踊ったクレアだけだった。初日は大成功だったが、次の日ジョニイが姿を消したことを知ったクレアは、悲しみと怒りでキングを責めた。その夜キングは再び泥酔しているので、クレアはジョニイの居所を聞き出して探しに出かけた。キングの代役として出演したジョニイとクレアの踊りは大成功を収め、閉幕間際になってキングは役を譲るために酔ったふりをしていたことが判って3人の間の誤解もとけ、フィナーレには3人が揃って華やかに踊り抜いた。