「蒼き獣たち」のストーリー

CID(香港警察特捜班)のレオン警部(レオン・カーヤン)率いるチームは、アンディ(アンディ・ラウ)とトニー(トニー・レオン)のコンビを筆頭にお互いに友情で結ばれていた。ある日、競馬場の手入れで逮捕した麻薬売人からの情報をもとに大規模な取引の現場に踏み込んだ彼らは、首領はじめ一味を検挙するが、その中にレオンの義弟ケン(ケン・トン)がいた。レオンはケンを追い詰めるがとり逃がす。ケンが残した取引用の裏金をこっそりかすめとったアンディとトニーは、仲間の一員フェリックス(フェリックス・ウォン)のいさめもきかず、レオンと手入れの際負傷した、気のいい男ミウ(ミウ・キウワイ)を含めた4人で金を分け合ってしまう。そんな折り、ケンが現われ、要求どおり裏取引をしなければ、横領の件をICAC(内務汚職調査局)に密告すると脅迫する。ケンはもともと、レオンの妻だった自分の姉が心労の末自殺したことで彼を恨んでいたのだった。レオンはこの一件で一人娘のシェリーとも仲たがいしていたが、シェリーと交際するフェリックスは何とか2人の仲をとりもとうと骨を折っていた。さて、ケンの要求に一度は屈しかけたチームだったが、既に金は5人のふところに何らかの形で入り、使われてしまっていた。結局、取引には応じたが、ケンは執拗に彼らに絡み、ついに堪忍袋の緒が切れた5人は彼がいる組織の会合の現場に踏み込む。一方、ケンは会合の席上、彼を憎んで押しかけた別組織の連中と小競り合いしたあげく、逆上して相手と自分のボスを共々殺し、さらに出くわしたトニーまでをも殺して逃げ去る。アンディらは固く復讐を誓うが、ケンは先手を打って例の一件をICACに密告し、その保護下に入って身の安全を図る。次々に拘留され、取り調べを受ける5人。そして一時釈放されたのもつかの間、レオンだけは彼の身を気遣って駆けつけたシェリーとの仲直りを喜ぶ間もなく、再度連行され、彼は仲間を救うため自分だけが罪を被ることに決めて、拘置所内で自殺する。この結果、捜査は中止、3人は自由の身となり、ケンは殺人容疑で警察に身柄引き渡しが決定する。トニーに続きレオンも失い、怒りに燃える3人はケンが匿われるホテルに向かう。一方ケンは護衛を殺して、武装して逃亡しようとする。かくして、ホテルで3人とケンの死闘が繰り広げられる。その末、ミウは命を落とし、アンディは捨て身の攻撃でようやくフェリックスと共にケンを追い詰める。しかし、そこには駆けつけた警官隊が待ち受けていた。警官全員が注視し、フェリックスが見守る前で、アンディは手にした銃でケンにとどめをさし、自らもこめかみを撃ち抜いて果てるのだった。