「生徒諸君!」のストーリー

瑞穂高校2年A組に、通称ナッキーこと北城尚子が転校してきた。彼女はお転婆だが、勉強もでき、誰とでもすぐ親しくなってしまう明るい女の子だ。ナッキーは、クラス委員の五月野に校内を案内され、美術部のキャプテン、飛島峻を紹介された。放課後、転ってきたソフトボール部の球をホームベースまで投げ返したナッキーは、ソフトボール部にスカウトされるが入部に条件をつける。それに対しキャプテン清水は、100本ノックなどを受ける入部テストを提案した。全校生徒から校長までが見守るなか、壮絶なファイトを見せたナッキーは見事テストに合格する。やがてナッキーを中心に、大阪から転校してきた沖田、秀才の田村、五月野、小西、岩崎ら6名で堅い友情に結ばれた“悪タレ団”が結成された。ナッキーの家を訪れた悪タレ団は、彼女の父親・誠士が大ホテル・チェーンの社長であり大変裕福であること、マールという双子の姉、真理子がいることを知る。マールは生まれながらに病弱で学校へ行ったこともなく、母親・未知子が溺愛していた。夏休み、ナッキーに誘われて彼女が育った田舎にやって来た悪タレ団は、ナッキーの意外な境遇を知った。ナッキーとマールが生まれた時、マールはひどい虚弱体質で知能も正常でなく、三年も生きられないと宣告された。未知子はマールの生命を少しでも長く保つため、ナッキーを田舎にいる両親に預け、マールに愛情の全てをかけた。成長しその事実を知ったナッキーは、マールの分も生きる決心をし、何事にも全力を尽くすようになったのだった。ナッキーを描いた飛島の肖像画が完成した。それを届ける途中、交通事故に遭った彼は、画家として将来を嘱望された右手の自由を永久に失った。ナッキーは飛島を元気づけようと自宅に招待するが、彼を元気づけ、生き返らせたのはマールだった。マールは左手で描くことを教えたのだ。やがて、マールの死が近いことを知りながら、飛島は彼女との結婚を決意した。結婚式の日、秘かに飛島を想っていたナッキーは、心の整理をつけに田舎に戻った。ナッキーが大活躍したソフトボール大会の会場で、マールは倒れ、数日後、息を引きとった。飛島は一人去って行った。マールの死のショックで精神に異常をおこした未知子は、ナッキーを見てマールが生き返ったと思い込んでしまう。母親を思いやるナッキーは、マールになりきろうと決心し、休学届けを出した。それを知った悪タレ団は、誠士に直訴する。そして、数日後、ナッキーが学校に戻って来た。