「顔役時代」のストーリー

1870年代の中頃。若者ベン・マシューズ(トニー・カーティス)は賭博師キャリコ(ドナルド・ランドルフ)の相棒として、ミシシッピの河蒸気でいかさま賭博で稼いでいた。ある日、ガリナの町の名望家マット・カムフォートが乗り合わせ、ベンのインチキを見て責めた。ベンはガリナの町の酒場にいる恋人ゾーイ(コリーン・ミラー)と、足を洗って結婚する気だったので勝負ではキャリコを裏切ってマットを勝たせたが、怒ったキャリコに縁を切られた。その夜、4人の賊が河蒸気にのりつけマットを殺害した。これを知ったベンは賊の1人と格闘の末、河に放り込まれ徒歩でガリナに辿りついた。河蒸気がガリナに着くと真犯人はキャリコとベンだと考えた町民は激昂してソマース署長(W・ガーガン)の手からキャリコを奪って私刑に処し、ベンも恋人ゾーイと再会を約して西部に去り牧童になった。3年後、ゾーイの元へ旅立ったベンは、途中、リック・ハーパー(アーサー・ケネディ)と道連れになったが、リックは手癖の悪い男で、ベンの所持金を狙い、彼がお尋ね者であることも知っていた。リックに馬を盗まれた住民たちが追い迫ったので、2人はミシシッピ河に飛び込み、河蒸気に救い上げられた。船には賊に殺されたマット・カムフォートの弟ブランド(ウィリアム・デマレスト)も乗っていた。船は又もや覆面の賊に襲われたがベンはその1人を捕えた。やがて河蒸気はガリナに着き、お尋ね者のベンは病人になりすまし担架で上陸してホテルに入った。ベンはゾーイに再会したが彼女は酒場の主人ブーシェ(ピーター・ヴァン・アイク)と結婚していた。その夜ゾーイは訪れて来たベンにブーシェとの結婚の不幸なこと、彼が何か悪事を企んでいることを話し駈け落ちを迫ったが、そこに帰ってきたブーシェの態度からベンは彼こそ賊の1人だと覚った。ブーシェの部下に追われたベンはブランドの牧場に逃げ、彼の部屋に河蒸気から奪われた品を発見した。リックの助太刀でベンはブランドと部下を倒し、ブーシェと警吏に追われて酒場のゾーイの部屋に隠れた。ベンは証拠書類を焼こうとするブーシェを捕え、ブランド殺しの犯人として群衆に私刑されようとしたリックを救った。ブーシェは部下の弾に倒れソマース署長の前で、死に際にすべてを告白した。ベンは署長に証拠書類を渡して晴れてゾーイと結婚できる身となり、馬泥棒のリックは又もやベンの馬を盗んで町を立ち去っていった。